平成24年(許)第41号 間接強制定に対する抗告審の取消定等に対する許 可抗告事件平成25年3月28日 第一小法廷定
主文 本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
 理由
抗告人の抗告理由について
1 本件は,未成年者の父てある抗告人か,未成年者の母てあり,未成年者を単 独て監護する相手方に対し,抗告人と未成年者との面会及ひその他の交流(以下 「面会交流」という。)に係る審判に基つき,間接強制の申立てをした事案てあ る。2 原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりてある。(1) 抗告人と相手方は,平成12年12月に婚姻の届出をし,平成14年9月 に長男を,平成18年7月に二男をもうけた。(2) 平成24年2月,高知家庭裁判所において,相手方に対し,抗告人と長男 及ひ二男か,1箇月に2回,土曜日又は日曜日に,1回につき6時間面会交流をす ることを許さなけれはならないなととする審判かされ,同審判は,同年3月確定し た(以下,この審判を「本件審判」といい,上記の面会交流を命した条項を「本件 条項」という。)。(3) 抗告人と長男及ひ二男との面会交流は,本件審判後,平成24年3月に2回行われたか,同年4月以降は行われていない。
(4) 抗告人は,平成24年5月,高知家庭裁判所に対し,本件審判に基つき,相手方に対し本件条項のとおり抗告人か長男及ひ二男と面会交流をすることを許さ なけれはならないと命するとともに,その義務を履行しないときは相手方か抗告人 に対し一定の金員を支払うよう命する間接強制定を求める申立てをした。3 原審は,本件審判は,面会交流の大枠を定めたものにととまり,相手方か履 行すへき義務内容か具体的に特定されているとは認められないから,本件審判に基 つき間接強制定をすることはてきないとした。4(1) 子を監護している親(以下「監護親」という。)と子を監護していない 親(以下「非監護親」という。)との間て,非監護親と子との面会交流について定 める場合,子の利益か最も優先して考慮されるへきてあり(民法766条1項参 照),面会交流は,柔軟に対応することかてきる条項に基つき,監護親と非監護親 の協力の下て実施されることか望ましい。一方,給付を命する審判は,執行力のあ る債務名義と同一の効力を有する(平成23年法律第53号による廃止前の家事審 判法15条)。監護親に対し,非監護親か子と面会交流をすることを許さなけれは ならないと命する審判は,少なくとも,監護親か,引渡場所において非監護親に対 して子を引き渡し,非監護親と子との面会交流の間,これを妨害しないなとの給付 を内容とするものか一般てあり,そのような給付については,性質上,間接強制を することかてきないものてはない。したかって,監護親に対し非監護親か子と面会 交流をすることを許さなけれはならないと命する審判において,面会交流の日時又 は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等か具体的に定められてい るなと監護親かすへき給付の特定に欠けるところかないといえる場合は,上記審判に基つき監護親に対し間接強制定をすることかてきると解するのか相当てある。
 (2) これを本件についてみると,本件条項は,1箇月に2回,土曜日又は日曜 日に面会交流をするものとし,また,1回につき6時間面会交流をするとして,面 会交流の頻度各回の面会交流時間の長さは定められているといえるものの,長男 及ひ二男の引渡しの方法については何ら定められてはいない。そうすると,本件審判においては,相手方かすへき給付か十分に特定されているとはいえないから,本件審判に基つき間接強制定をすることはてきない。
5 これと同旨の原審の判断は,正当として是認することかてきる。論旨は採用 することかてきない。よって,裁判官全員一致の意見て,主文のとおり定する。
(裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 金築誠志 裁判官 横田尤孝 裁判官白木 勇 裁判官 山浦善樹)

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