平成24年(許)第48号 間接強制に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗 告事件平成25年3月28日 第一小法廷決定
主文 本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
 理由
抗告代理人祖母井里重子の抗告理由について
1 本件は,未成年者の父てある相手方か,未成年者の母てあり,未成年者を単 独て監護する抗告人に対し,相手方と未成年者との面会及ひその他の交流(以下 「面会交流」という。)に係る審判に基つき,間接強制の申立てをした事案てあ る。2 原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりてある。(1) 相手方と抗告人は,平成16年5月に婚姻の届出をし,平成18年1月に 長女をもうけた。(2) 平成22年11月,相手方と抗告人を離婚し,長女の親権者を抗告人とす る判決か確定した。(3) 平成24年5月,札幌家庭裁判所において,抗告人に対し,原々決定別紙 面会交流要領のとおり相手方か長女と面会交流をすることを許さなけれはならない とする審判かされ,同審判は,同年6月確定した(以下,この審判を「本件審判」 といい,原々決定別紙面会交流要領を「本件要領」という。)。本件要領には,1 面会交流の日程等について,月1回,毎月第2土曜日の午前10時から午後4時まてとし,場所は,長女の福祉を考慮して相手方自宅以外の相手方か定めた場所とす ること,2 面会交流の方法として,長女の受渡場所は,抗告人自宅以外の場所と し,当事者間て協議して定めるか,協議か調わないときは,JR甲駅東口改札付近 とすること,抗告人は,面会交流開始時に,受渡場所において長女を相手方に引き 渡し,相手方は,面会交流終了時に,受渡場所において長女を抗告人に引き渡すこ と,抗告人は,長女を引き渡す場面のほかは,相手方と長女の面会交流には立ち会 わないこと,3 長女の病気なとやむを得ない事情により上記1の日程て面会交流 を実施てきない場合は,相手方と抗告人は,長女の福祉を考慮して代替日を決める こと,4 抗告人は,相手方か長女の入学式,卒業式,運動会等の学校行事(父兄 参観日を除く。)に参列することを妨けてはならないことなとか定められていた。(4) 相手方は,平成24年6月,長女と面会交流をすることを求めたか,抗告 人は,長女か面会交流に応しないという態度に終始していて,長女に悪影響を及ほ すとして,相手方か長女と面会交流をすることを許さなかった。(5) 相手方は,平成24年7月,札幌家庭裁判所に対し,本件審判に基つき, 抗告人に対し本件要領のとおり相手方か長女と面会交流をすることを許さなけれは ならないと命するとともに,その義務を履行しないときは抗告人か相手方に対し一 定の金員を支払うよう命する間接強制決定を求める申立てをした。これに対し,抗 告人は,長女か相手方との面会交流を拒絶する意思を示していることなとから,間 接強制決定か許されないなとと主張している。3 原審は,本件要領は,面会交流の内容を具体的に特定して定めており,ま た,長女か面会交流を拒絶する意思を示していることか間接強制決定をすることに なしまない事情となることはないなととして,抗告人に対し,本件要領のとおり相手方か長女と面会交流をすることを許さなけれはならないと命するとともに,抗告 人かその義務を履行しないときは,不履行1回につき5万円の割合による金員を相 手方に支払うよう命する間接強制決定をすへきものとした。4(1) 子を監護している親(以下「監護親」という。)と子を監護していない 親(以下「非監護親」という。)との間て,非監護親と子との面会交流について定 める場合,子の利益か最も優先して考慮されるへきてあり(民法766条1項参 照),面会交流は,柔軟に対応することかてきる条項に基つき,監護親と非監護親 の協力の下て実施されることか望ましい。一方,給付を命する審判は,執行力のあ る債務名義と同一の効力を有する(平成23年法律第53号による廃止前の家事審 判法15条)。監護親に対し,非監護親か子と面会交流をすることを許さなけれは ならないと命する審判は,少なくとも,監護親か,引渡場所において非監護親に対 して子を引き渡し,非監護親と子との面会交流の間,これを妨害しないなとの給付 を内容とするものか一般てあり,そのような給付については,性質上,間接強制を することかてきないものてはない。したかって,監護親に対し非監護親か子と面会交流をすることを許さなけれはならないと命する審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等か具体的に定められているなと監護親かすへき給付の特定に欠けるところかないといえる場合は,上記審判に基つき監護親に対し間接強制決定をすることかてきると解するのか相当てある。そして,子の面会交流に係る審判は,子の心情等を踏まえた上てされているとい える。したかって,監護親に対し非監護親か子と面会交流をすることを許さなけれ はならないと命する審判かされた場合,子か非監護親との面会交流を拒絶する意思 を示していることは,これをもって,上記審判時とは異なる状況か生したといえる
ときは上記審判に係る面会交流を禁止し,又は面会交流についての新たな条項を定 めるための調停や審判を申し立てる理由となり得ることなとは格別,上記審判に基 つく間接強制決定をすることを妨ける理由となるものてはない。(2) これを本件についてみると,本件要領は,面会交流の日時,各回の面会交流時間の長さ及ひ子の引渡しの方法の定めにより抗告人かすへき給付の特定に欠けるところはないといえるから,本件審判に基つき間接強制決定をすることかてきる。抗告人主張の事情は,間接強制決定をすることを妨ける理由となるものてはない。
5 これと同旨の原審の判断は,正当として是認することかてきる。論旨は採用することかてきない。
 よって,裁判官全員一致の意見て,主文のとおり決定する。(裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 金築誠志 裁判官 横田尤孝 裁判官 白木 勇 裁判官 山浦善樹)
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