主文
 1 原判を次のとおり変更する。
2 被控訴人Gは,控訴人Aに対し,276万7501円及ひこれに対する平成 15年5月1日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。3 被控訴人Gは,控訴人Bに対し,118万6071円及ひこれに対する平成 15年5月1日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。4 被控訴人H,同I及ひ同Jは,控訴人Cに対し,それそれ77万7393円 及ひこれに対する平成15年5月1日から各支払済みまて年5分の割合によ る金員を支払え。5 被控訴人H,同I及ひ同Jは,控訴人Dに対し,それそれ62万1914円 及ひこれに対する平成15年5月1日から各支払済みまて年5分の割合によ る金員を支払え。6 被控訴人H,同I及ひ同Jは,控訴人Eに対し,それそれ15万5478円 及ひこれに対する平成15年5月1日から各支払済みまて年5分の割合によ る金員を支払え。7 被控訴人H,同I及ひ同Jは,控訴人Fに対し,それそれ87万0748円 及ひこれに対する平成15年1月1日から各支払済みまて年5分の割合によ る金員を支払え。8 控訴人らのその余の請求をいすれも棄却する。
9 被控訴人Gと控訴人Aとの間の訴訟費用,被控訴人Gと控訴人Bの間の訴訟費用,被控訴人H,同I及ひ同Jと控訴人Cの間,同被控訴人らと控訴人Dの 間,同被控訴人らと控訴人Eの間,同被控訴人らと控訴人Fとの間の各訴訟費 用は,第1,2審を通して,上記各被控訴人らの負担とする。10 この判第2ないし第7項は仮に執行することかてきる。
 事実及ひ理由第1 控訴の趣旨
1 原判を取り消す。
2 附帯金の起算日をいすれも平成14年11月29日からとするほか,主文第2,3項に同し。
3 被控訴人H,同I及ひ同Jは,控訴人Cに対し,連帯して233万2181円及ひこれに対する平成14年11月29日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。
4 被控訴人H,同I及ひ同Jは,控訴人Dに対し,連帯して186万5744円及ひこれに対する平成14年11月29日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。
5 被控訴人H,同I及ひ同Jは,控訴人Eに対し,連帯して46万6436円及ひこれに対する平成14年11月29日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。
6 被控訴人H,同I及ひ同Jは,控訴人Fに対し,連帯して261万2246 円及ひこれに対する平成14年11月29日から支払済みまて年5分の割合によ る金員を支払え。第2 事案の概要(略称は,特記しない限り,原判の呼称に従う。) 本件は,控訴人(一審原告)らか,被控訴人(一審被告)らに対し,平成9年 ないし平成10年に被控訴人らからそれそれ購入し(本件各売買),引渡しを受 けた土地(原判別紙物件目録記載1ないし3の土地。本件各土地)について, これらは土地区画整理事業の対象地てあるのに,被控訴人らは,賦課金(土地区 画整理法40条)の発生可能性についての説を怠ったなとと主張して,1債務 不履行に基つく損害賠償,2不当利得に基つく利得金返還,ないしは,3瑕疵担 保による損害賠償として,賦課金相当額(附帯金はいすれも遅延損害金)の各支払を求めた事案にかかる控訴事件てある。
1 前提事実は,原判「事実及ひ理由」第2の1(原判3頁14行目から5頁13行目まて)のとおりてあり,争点及ひ争点に関する当事者の主張は,後記3に付加するほかは,原判「事実及ひ理由」第2の2及ひ3(原判5頁 14行目から12頁9行目まて)に摘示のとおりてあるから,それそれこれを 引用する。2 原審は,説義務違反(争点1),錯誤(争点2)はいすれも認められないと し,瑕疵担保による損害賠償については,賦課金発生の可能性は本件各土地の隠 れた瑕疵に当たり,その損害は控訴人らに賦課された賦課金(本件各賦課金)相 当額てあるとした(争点3)か,控訴人らは,本件各土地の引渡しを受けた時か ら10年以上経過した後に本件訴訟を提起したから,瑕疵担保による損害賠償請 求権は時効消滅した(争点4)とし,被控訴人らの消滅時効の援用か権利濫用に 当たるとはいえない(争点5)として,控訴人らの請求をいすれも棄却したとこ ろ,控訴人らか控訴した。3 当審における当事者の主張(原審ての主張敷衍を含む。) (1) 隠れた瑕疵の有無(争点3)について(被控訴人ら) 瑕疵は,売買契約の当事者間において予定されていた品質,性能を欠く場合をいうのてあり,かかる品質,性能については,売買契約締結当時の取引 観念を斟酌して判断されるへきてある。本件各土地については,控訴人らに 賦課金か課せられないことか当事者間て予定されていたとはいえない。すなわち,控訴人C,同D及ひ同E(以下「控訴人Cら」という。)と被 控訴人H,同I及ひ同J(以下「被控訴人Hら」という。)間の売買契約書 によれは,売買代金支払,所有権移転登記かなされれは,不動産に課される 金銭的負担(賦課金を含む。)については買主か負うことになっており,売 買当事者の意思も同様てあった。また,一般に市販されている不動産売買契 約書等においても同様の記載かなされており,これか一般的な売買契約当事 者の合理的意思(取引観念)てあるといえる。このことは控訴人Fと被控訴 人Hらとの間の売買においても同様てある。また,被控訴人Gと控訴人A及ひ同B(以下「控訴人Aら」という。)と の売買においては,契約後は,甲土地区画整理組合(甲組合)の規約に従う ものとするとされ,契約後の組合との関わり(金銭的負担を含む。)は組合 員となる買主か引き受ける旨示されている。したかって,本件各売買の契約締結当時の取引観念,当事者の意思からし て,本件各土地につき,控訴人らに賦課金か課せられないことは当事者間て 予定されていたとはいえす,本件各土地に瑕疵は存しない。さらに,控訴人らは,本件各土地か土地区画整理法に基つく事業計画施工 地区(以下「施工地区」という。)内の宅地てあることにつき,十分な認識 かあり,賦課金か組合員に課されることは法定されているものてある。控訴 人らは,宅地建物取引主任者を擁する業者を仲介に立てており,契約締結当 時,甲組合から賦課金か課される一般的抽象的可能性を容易に認識可能てあ った。控訴人らには過失かあり,本件において隠れた瑕疵は存在しない。(2) 瑕疵担保による損害賠償請求権の消滅時効の成否(争点4)について (控訴人ら)本件においては,平成14年11月29日付けの賦課金を課する旨の通知 書(以下「本件各通知書」という。)か買主てある控訴人らに到着したとき に初めて瑕疵担保による損害賠償請求権の行使か可能になるのてあって,控 訴人らか売買契約を締結した当時は,瑕疵か内在するにすきす,権利行使は 不可能てあった。すなわち,民法167条1項の「権利を行使することかて きるとき」には該当しなかった。そうてなくとも,平成15年4月の賦課金債務者変更をもって控訴人ら の損害賠償請求権は保存され,その時点から消滅時効か起算されるへきてあ る。(被控訴人ら) 本件における瑕疵は,賦課金発生の可能性てあり,控訴人らは,施工地区内の宅地てあることを認識して本件各土地を購入したのてあるから,引渡時 から10年以内に賦課金発生の可能性を認識することかてきた。賦課金発生 の可能性について気付くことかてきれは,担保責任の追及(賦課金発生可能 性を考慮した売買代金と実際の売買代金との差額について損害賠償請求権を 行使すること)は可能になるのてあり,控訴人らは,引渡時点から権利行使 か可能てあった。したかって,消滅時効の起算点は,本件各土地の引渡時とすへきてある。また,瑕疵担保による損害賠償請求権は,形成権行使の結果新たに発生す るものてはないから,賦課金債務者変更をもって消滅時効の起算点とする ことはてきない。(3) 消滅時効の援用についての権利濫用の有無(争点5)について (控訴人ら)本件ては,瑕疵の発見か本件各通知書か送付される平成14年11月29 日まては絶対に不可能てあり,買主救済の必要性か高い。また,本件各通知 書送付まて,買主てある控訴人らは組合員として扱われたことは1度もなく, 甲組合の総代の選任選挙に関与する機会も与えられておらす(したかって, 賦課金定の総代会て反対の意思を表する機会も与えられていない。), 組合便りなとも配布されていないから,賦課金の認識可能性すらなかった。
 さらに,本来てあれは,組合員全員に課されるはすの供託金も控訴人らには 課されていないものて,控訴人らは,他の組合員とは異なった扱いを受けて きたから,自ら組合員てあるという認識も有していなかった。そして,平成 14年に本件各通知書か送付されて間もなく,賦課金債務者変更を送付し たこと,土地の価格高騰による利益を享受しているのは売主てある被控訴人 らてあるから,賦課金を負担すへきてあるのは被控訴人らとするのか公平て あることなとを併せ考慮すれは,被控訴人らの消滅時効の援用は権利の濫用 として許されない。(被控訴人ら) 控訴人らは,施工地区内の宅地てあることを認識して本件各土地を購入したのてあるから,本件各土地の瑕疵てある賦課金発生可能性の発見か絶対に 不可能ということはてきない。控訴人らには,訴えを提起して消滅時効を中 断する時間的余裕か十分にあった。また,総代の選任可能性なとは,甲組合 の事情てあって被控訴人らは関与しえない。そして,賦課金の負担は売買契 約の内容の問題てあって,売買契約書に賦課金負担についての定めかない以 上,土地区画整理法,甲組合の定款及ひ甲組合総代会の議によって,組合 員か賦課金を負担するのは致し方ないことてあり,一義的に売主てある被控 訴人らか賦課金を負担すへき根拠は見出せない。被控訴人らか消滅時効によ り賦課金相当額の利益を得るとしても,それは消滅時効の効果てあってむ を得ないものてある。第3 当裁判所の判断 当裁判所は,被控訴人らに説義務違反はなく,控訴人らの錯誤の主張も理由かないと判断するか,被控訴人らには瑕疵担保による損害賠償責任かあり,その消滅時効は成立していないと判断する。その理由は以下のとおりてある。
 1 説義務違反の有無(争点1)及ひ錯誤の有無(争点2)について当裁判所も,被控訴人らにおいて説義務違反はなく,控訴人らの錯誤の主 張も理由かないと判断する。その理由は,以下のとおり付加するほかは,原判 「事実及ひ理由」第3の1及ひ2(原判12頁11行目から15頁17行 目まて)に説示のとおりてあるから,これを引用する。(1) 原判12頁18行目「その後,甲組合は,平成12年」に続けて,「7 月ころ,広報誌を発行し,その中には,保留地の販売か芳しくなく,最悪の 事態かきたときには,組合員より負担をおいすることになる旨の記載かあ った。そして,同年」を加える。(2) 同頁21行目末尾を改行して以下を加える。
「被控訴人Hは,平成12年に締結した別の仮換地の売買契約において,賦 課金を売主(被控訴人H)の負担とする旨合意した。また,平成12年に甲組合は,仮換地を譲渡した者に対し,売買代金の一 部を賦課金支払のため甲組合に預託させることにしており,他方て,甲組合 は,仮換地を譲り受けた者に対しては,土地区画整理事業甲組合の状況を 知らせるための上記広報誌を配付していなかった。」(3) 同頁22行目「(甲21,」を「(甲13,21,22,25の1,」に改める。
2 隠れた瑕疵の有無(争点3)について
当裁判所も,賦課金発生の可能性は,隠れた瑕疵にあたると判断する。その 理由は,以下のとおり付加訂正するほかは,原判「事実及ひ理由」第3の3 (原判15頁18行目から18頁7行目まて)に説示のとおりてあるから, これを引用する。(1) 原判15頁23行目「可能性かあり」を「可能性は,抽象的な域(一般 抽象的なレヘルにととまる限りは,瑕疵とは評しかたい。)を超え具体性を 帯ひていたといえる状況にあり」に改め,同頁25行目「可能性は」の次に 「,本件各売買の契約締結当時,」を加える。(2) 同16頁14行目「と規定する。」に続けて「そして,賦課金の額及ひ賦 課徴収方法は,総会(総代会か設けられたときは総代会〈土地区画整理法3 6条3号〉)の議事項とされており,当該議かなされたときは,組合員 について賦課金の具体的支払義務か発生する。」を加え,同頁17行目冒頭 「てあって」を「て」に改める。(3) 同17頁4行目「しかしなから,」から8行目末尾まてを以下のとおり改 める。「しかしなから,土地区画整理事業においては,一般に,事業に要する費用 は,公共施設管理者負担金補助金等を除いて保留地の売却収入により回収するものとされており,清算金と異なり,賦課金の発生可能性か高いともい えす,このような実情は,控訴人Cらの売買において,清算金の帰属につい て特約か結はれているのに対し,賦課金については何らの定めもされていな いこと,控訴人Aらに交付された重要事項説書には不動文字による清算金 の記載欄はあるか賦課金のものはないことからもらかてある。これに対し, 控訴人らには,甲組合から本件各土地の購入価格の1割を超える本件各賦課 金か課されたものてある。したかって,本件各契約締結当時の当事者の意思解釈としても,本件各土地 にこのような負担か課されることは想定されていなかったというへきてあり, 被控訴人らの主張は理由かない。なお,証拠(甲9,11)によれは,控訴人Cら及ひ同Fか締結した売買の 契約書には,不動文字て,不動産に課される公租公課及ひ各種負担金につい ては,売買代金支払,所有権移転登記か完了した日を境として,それ以後は 買主の負担する旨の記載かあるか,他方て,これらは,広島県宅地建物取引 業協会かその会員用に作成した不動産売買一般に通用する書式てあることか それそれ認められ,そうすると,これは一般的な不動産売買を前提とするも のてあって,賦課金を予定して記載されたものとはいえない。そして,土地区画整理事業は,施工地区内の土地について,土地の区画形質 の変更及ひ公共施設の新設又は変更に関する事業を行うものてあり,当該事業 によって,施工地区内の公共施設の整備改善及ひ宅地の利用の増進か図られ, 施行地区内の宅地借地権についてはその価値か増加するものてあり,その利 益は,施工地区内に従前地を所有ないし借地してきた者に属するから,その事 業の経費の負担についても,これらの者に帰属させるとするのか合理的てある。
 さらに,仮換地にかかる土地の売買契約の当事者においては,特段の事情かな い限りは,もっはら仮換地自体の位置,地目,面積に着目し,売買代金も仮換 地の面積と不動産市況に照らした 単位面積あたりの価格によって定められるものてあって,このような場合,売却価額を定するにあたり考慮されなかった 賦課金については,その性質か上記のとおり売主にとっての取得費ともいえる ものてあることからして,売主の負担とするのか,売買契約の当事者の意思に 合致するというへきてある。前記のとおり,被控訴人Hか平成12年に締結し た別の仮換地の売買契約において,賦課金を売主の負担とする合意をしたこと は,かかる意思の存在を裏付けるものてある。そうすると,本件各売買の契約当事者の合理的意思として,賦課金の存在 及ひ負担を予定して上記書式に則って売買契約を締結したともいえす,かか る記載は前記認定を左右するものてはない。また,証拠(甲6)によれは,被控訴人Gと控訴人Aらとの売買において は,契約後は,甲組合の規約に従うものとするとの特約か締結されたことか 認められるか,かかる文言のみからては,これか契約当事者間の対内的関係 まても定めたとはいえないから,前記認定を左右するものてはない。」(4) 同17頁13行目「可能性については」を「可能性は,前記説示のとおり 具体性を帯ひていたとはいえ」に,同頁25行目「可能性をもって,」を 「可能性かあったからといって,当時,具体化していた」にそれそれ改める。(5) 同18頁1行目「認識可能といえるのは,」に続けて「本件各売買の契約 締結後,すなわち,」を,同頁4行目「したかって,」に続けて「本件各売 買の契約締結当時,」をそれそれ加える。3 瑕疵担保による損害賠償請求権の消滅時効の成否(争点4)について (1) 消滅時効について買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権は,売買契約に基つき 法律上生しる金銭支払請求権てあるから,消滅時効の規定の適用かあること は,原判説示(同18頁9行目から13行目まてを引用する。)のとおり てある。そして,その消滅時効の起算点については,単にその権利の行使について法律上の障害かないというたけてなく,さらに,権利の性質上,その権利行 使か現実に期待てきるものといえることか必要てある。そして,瑕疵担保に よる損害賠償請求権の権利行使をするについては,具体的な瑕疵の内容とそ れに基つく損害賠償請求権を認識し,請求する損害額の算定根拠を把握てき ることか前提となる(裁判外の権利行使においても,こうした請求根拠を示 すことか求められる。)。この観点から本件につき検討するに,賦課金は, 保留地の処分か奏効せす,その処分によっては,組合か負う事業経費の負担 を賄うことかてきないという状況を踏まえた総会ないし総代会の議により 具体的な義務か発生するものてあるところ,前記引用中の認定事実のとおり, 甲組合は,保留地の処分を進めなからも,金融機関との協議に資金繰りの活 路を求め,その交渉か思うに任せなかった結果,賦課金徴収の方針をめ, 総代会議に至ったものてある。その過程には,甲組合の理事のほか,総代 会を構成する各総代の状況判断,先行きの見通しに対する思惑といった不確 定要素かあったものと推認され,このことは,甲組合の総代会において,平 成13年1月に賦課金徴収の議かされた(たたし,具体的な賦課金額,納 付時期等の議はなかった。)ものの,同年10月には賦課金総額34億円 の議案か否され,その後,同年11月に同24億円の議かなされたこと, そして,平成14年4月の金融機関との特定調停を経て本件各賦課金の請求 に至ったこと(前記引用の事実に加え,同掲記の証拠及ひ弁論の全趣旨)か らも裏付けられる。この間,平成11年12月に工事業者か留置権を主張し てハリケートを設置したか,甲組合は,仮換地の譲受人てある控訴人らに対 して,土地区画整理事業甲組合の状況について,以上のような情報を随時, 的確に周知してはいなかったものと認められる(甲21,22,弁論の全趣 旨)。そうすると,甲組合における賦課金発生の可能性及ひその額等については, 不確定要素か多く介在していたとみるへきてあるか,控訴人らに対しては,その状況か随時,的確に伝えられてはいなかったのてあり,本件各賦課金か 売買目的物の土地の瑕疵といえるかについては,通常人にとって容易に判断 し難い法律問題を含んてもいたのてあるから,控訴人らにおいて,その権利 行使か現実に可能ないし期待てきることになったのは,早くても,本件各通 知書か到達した平成14年11月というへきてある。そして,控訴人Cら及ひ同Aらは平成15年4月ころ,控訴人Fは賦課金 額通知書の到達後間もなく,被控訴人らに対し,上記損害賠償を請求した旨 主張し,被控訴人らは,このことをらかに争わない。そうすると,被控訴 人らは,上記通知書到達から1年以内に損害賠償を請求したものてあり,控 訴人らか本件訴訟を提起したのは本件各通知書受領から10年以内の平成2 1年11月16日てあることは当裁判所に顕著てあるから,被控訴人らの消 滅時効の主張は理由かないというへきてある。(2) 被控訴人らの主張について 被控訴人らは,賦課金発生の可能性を認識すれは,賦課金発生可能性を考慮した売買代金と実際の売買代金との差額について瑕疵担保による損害賠償 請求権を行使することは可能てあると主張し,証拠(甲13,21)によれ は,賦課金の一部を買主負担とする売買契約も存在する。しかし,同証拠に よれは,上記売買は,平成12年7月に締結されたことか認められ,これは, 上記ハリケートか設置された後てあり,具体的な損害額を確定して,瑕疵担 保による損害賠償請求権を行使するのは,賦課金の発生可能性を考慮して売 買の価格条件を交渉するのとは異なるから,上記事実は,上記認定を左右 するものてはない。また,被控訴人らは,買主か売買の目的物の引渡しを受けたときから消滅 時効か進行するとも主張するか,前記のとおり,土地区画整理組合において は,一般に,事業に要する費用は,公共施設管理者負担金補助金等を除い て保留地の売却収入により回収するものとされており,争いのない事実並ひに証拠(甲6,9,11,21)によれは,甲組合か保留地の売却を開始し たのは平成10年10月てあるのに対し,控訴人らか本件各土地の引渡しを 受けたのは,控訴人Aらか平成10年11月10日ころ,同Cらか同年7月 31日ころ,同Fか平成9年8月1日ころてあるから,この時期の点のみを みても,控訴人らか本件各土地の引渡しを受けたからといって,直ちに保留 地の処分か奏効しなかったことによる賦課金の具体的発生可能性を認識し, 被控訴人らに対し担保責任を行使することを現実的に期待することはてきな いから,被控訴人らの主張は,理由かない(瑕疵担保による損害賠償請求権 の消滅時効についての最高裁平成10年(オ)第773号,平成13年11 月27日第三小法廷判は,瑕疵の認識可能性の点において,本件と事案を 異にするというへきてある。)。4 被控訴人らの支払うへき金額について 控訴人らの損害は,賦課金相当額というへきてあり,その額は,控訴人A276万7501円,同B118万6071円,同C233万2181円,同D 186万5744円,同E46万6436円,同F261万2246円てある。 したかって,売主てある被控訴人らは同額の損害賠償義務を負うへきところ,控訴人Cら及ひ同Fに不動産を売却した被控訴人H,同I,同Jは,上記不動 産を共有していたから,同被控訴人らは,その持分割合に応して,控訴人Cら 及ひ同Fにその損害を賠償すへきてある。証拠(甲10の1)によれは被控訴人Hらの持分割合は均等てあるから,被 控訴人Hらの損害賠償債務は,各3分の1の分割債務になるというへきてある。 したかって,控訴人D,同E,同Fの請求のうち各被控訴人に対する1円未満 の端数にわたる請求は理由かない。そして,前記のとおり,控訴人Fは平成14年11月29日付け賦課金額通 知書の到達後間もなく,控訴人Cら及ひ同Aらは平成15年4月ころ,被控訴 人らに対し上記損害賠償の請求をしたから,控訴人らの附帯金請求のうち,相当期間経過後てある控訴人Fについては平成15年1月1日から,控訴人Cら 及ひ同Aらについては平成15年5月1日から,民法所定年5分の割合による 遅延損害金の支払を求めるものについては理由かある。5 結論 よって,その余の点を判断するまてもなく,4に記載したとおり,控訴人らの請求は一部理由かあるから,その限りて認容すへきてあり,原判はその限 度て相当てないから,これを上記の限度て変更して,主文のとおり判する。広島高等裁判所第4部
裁判官 近 下 秀 
裁判官 松葉佐 隆 之
裁判長裁判官田聰は,退官につき署名押印することかてきない。裁判官 近 下 秀 
判例本文 判例別紙1

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