平成19年12月10日判決言渡 東京簡易裁判所平成19年(少コ)第2729号 立替金等請求事件少額訴訟判決
主文
1 被告は,原告に対し,19万8500円及びこれに対する平成17年7月8日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。
 2 訴訟費用は,被告の負担とする。3 この判決は,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1請 求 主文同旨
第2 事案の概要 原告は,Aマンション1002号室の所有者であったところ(甲2,3,乙2,3),平成16年9月14日に同マンション8階の802号室及び9階の 902号室に水漏れが発生した。同水漏れの原因は,同マンション1002号 室の床下配水管(以下「本件配水管」という。)からの水漏れが原因であるこ とが判明した(甲3,6)。本件配水管は,同マンションの共用部分に存在す るので,被告に修繕義務があるにもかかわらず(甲1),被告は修繕を行わな いため,原告が被告のために本件配水管の修繕を行い,平成16年11月15 日に修繕業者にその費用として金15万7000円(甲4)を,平成17年7 月7日にその費用として金4万1500円(甲5)の合計19万8500円を 支払った。よって,原告は,被告に対し,同費用合計19万8500円及びこ れに対する平成17年7月8日から支払済みまで民法所定年5%の割合による 遅延損害金の支払を求める。第3 主たる争点
本件配水管の亀裂が存した部分は,原告の専有部分であったか。共用部分で あったか。第4 理由の要旨
1 本件マンションの管理規約,使用細則(甲1)第7条2項(1)によれば「天井,床及び壁は,躯体部分を除く部分を専有部分とする。」と定められている。
 2 本件配水管は,本件マンションの902号室の天井と1002号室の床下と の間の空間に存在する配水管で,床下から約5cmのところに亀裂が入っていたことが原因とする水漏れであったものと認められる(甲6)。
3 そこで判断するに,本件マンションの管理規約,使用細則第7条2項(1) では天井までが専有部分とされるが,天井裏は専有部分とは解されないこと, 床は専有部分とされるが,床下は専有部分とは解されないところ,本件配水管 の亀裂があった部分は,902号室の天井裏であり,かつ,1002号室の床 下の空間であると認められることから,902号室及び1002号室のいずれ の専有部分でもなかったと解される。本件マンションの管理規約,使用細則第 8条によれば,「対象物件のうち共用部分の範囲は,専有部分を除く部分とす る。」と定められ,また,同第18条によれば「敷地及び共用部分等の管理に ついては,管理組合が責任と負担においてこれを行うものとする。」と定めら れていることからすると,本件配水管の亀裂した箇所は共用部分であり,その 修繕義務は被告がこれを負担するものと認められる(なお,天井裏の排水管に ついてはその共同性から共用部分とした裁判例として,東京地判平成8年11 月26日判例タイムズ954号151頁。天井裏の排水管の枝管について,こ れを上の階の部屋から点検,修理することが不可能であることなどを理由に, 区分所有者全員の共有部分に当たるとした判例として,最高裁判平成12年3月21日判例タイムズ臨時増刊1065号56頁 参照)。
4 原告主張の請求原因事実は,関係各証拠及び弁論の全趣旨により認められる。
 5 よって,原告の請求は理由があるので,主文のとおり判決する。東京簡易裁判所民事第9室
裁判官 古木俊秀
判例本文

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