平成19年7月11日判決言渡 東京簡易裁判所 平成19年(少コ)第1069号 賃金請求事件(通常手続移行)判決
主文
1 被告は,原告に対し,25万6545円及びこれに対する平成19年4月26日から支払済みまで年14.6パーセントの割合による金員を支払え。
 2 訴訟費用は,被告の負担とする。3 この判決は,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1請 求 主文同旨
第2 請求の原因(事案の概要) 原・被告間の平成18年10月6日付け労働契約(基本給・月給50万円,諸手当・月額1万3090円,支払日・毎月20日締めの当月25日払い)に 基づき,原告は被告のもとで勤務していたところ,被告が平成19年3月21 日から同年4月4日までの原告の賃金を支払わないことによる,原告の被告に 対する未払い賃金25万6545円及びこれに対する賃金支払日の翌日である 平成19年4月26日から支払済みまで年14.6パーセントの割合による遅 延損害金の支払請求。第3 被告の主張の要旨
1 未払い賃金の計算方法は,稼動日数を基礎として計算すべきである。2 被告は原告に,平成19年4月5日に50万円を支払ったが,本来支払うべき金額は43万2570円であるから,差額である6万7430円は未払い賃金から控除されるべきである。
 第4 当裁判所の判断
1 1か月に満たない賃金の計算方法については,労働基準法上は特に定めがなく,特段不合理であると認められない限り,労働契約ないし労働慣行によって 認められる計算方法によることができる。経理事務も担当していた原告の供述 によれば,被告の会社では,従前,従業員の1か月に満たない賃金の計算方法 は,稼動日数ではなく,稼動期間を基礎として計算していたことが認められる。
 以上によれば,原告が訴状で主張する計算方法(平均賃金1万7103円×1 5日間=25万6545円)に何ら違法な点はなく,被告の主張は採用できな い。なお,平均賃金の計算方法は,労働基準法12条により,退職前3か月の 支給額の合計額である153万9270円÷退職前3か月の暦日数90日=1 万7103円となる。2 関係各証拠及び原告の供述によれば,原告は平成19年4月4日に被告より 解雇予告期間を置くことなく解雇されたこと(甲1),解雇通知書(甲1)及 び退職手当明細書(甲4)は,いずれも被告代表者の了解のもとに作成された こと,平成19年4月5日を支給日とする被告の原告に対する50万円は,解 雇予告手当として,被告代表者の指示,了解のもとに原告に交付されたもので あること,被告は,原告に対して解雇予告手当として,原告の平均賃金1万7 103円の30日分以上を支払う必要があったこと(労働基準法20条1項), の各事実が認められる。以上によれば,被告が原告に対して支払った50万円 は解雇予告手当であると認められるところ,被告が原告に支払うべき解雇予告 手当が法定の金額(51万3090円)を超えていないことは明らかであって, 何ら過払金が発生していないと解される。被告の主張は採用できない。3 原告主張の請求原因事実は,関係各証拠(甲1,2,甲3の1ないし4,甲 4)及び原告の供述によりこれを認めることができる。4 以上によれば,原告の請求は理由があるので主文のとおり判決する。 東京簡易裁判所民事第9室裁判官古木俊秀
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