平成25年12月18日判決言渡
平成25年(行ケ)第10065号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 平成25年9月9日
判決
原 告 新日本製薬株式会社
訴訟代理人弁護士田中雅敏 同 宇加治恭子 同 髙山大地 同鶴利絵同




同 訴訟代理人弁理士 同
被 告
柏田剛介 生島一哉 新里浩樹 浦川雄基 小美佳 池辺健太 有 吉 修一朗 森田靖之株式会社ホティワーク ホールティンクス
訴訟代理人弁理士山田文雄 同 山田洋資
主文

1 特許庁か無効2012-890054号事件について平成25年2月1日に した審決を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
 事実及ひ理由
第1 請求の趣旨
 主文と同旨
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯等(当事者間に争いかない。)
(1) 被告は,別紙商標目録1記載の商標権(以下「本件商標権」といい,そ の登録商標を「本件商標」という。)を有している。
 原告は,別紙商標目録2記載1ないし3の各商標権(以下,その登録商標 を順次「引用商標1」,「引用商標2」,「引用商標3」といい,これらを総称して,単に「引用商標」という。)を有している。
(2) 原告は,平成24年6月19日,特許庁に対し,本件商標権の指定商品中,第3類「化粧品」の登録の無効を求める審判の請求をした。特許庁は, この審判を,無効2012-890054号事件として審理した結果,平成 25年2月1日,「本件審判の請求は,成り立たない。審判費用は,請求人 の負担とする。」との審決をし,その謄本を,同月12日,原告に送達した。2 審決の理由
 別紙審決書写しのとおりてあり,その要旨は以下のとおりてある。(1) 本件商標と引用商標とは非類似の商標てあるから,本件商標は商標法4 条1項11号に該当しない。(2) 本件商標を指定商品に使用しても,取引者・需要者かその商品の出所に ついて混同するおそれかあるということはてきす,本件商標は商標法4条1 項15号に該当しない。(3) 本件商標と引用商標とは非類似の商標てあるから,「不正の目的」の有
無を検討するまてもなく,本件商標は商標法4条1項19号に該当しない。
 (4) 本件商標は,それ自体か公の秩序又は善良の風俗を害する構成のものと はいえす,その出願経過に社会的妥当性を欠く事情かあったともいえないから,本件商標は商標法4条1項7号に該当しない。
(5) よって,本件商標権の指定商品中「化粧品」についての登録は,商標法 46条1項の規定により無効とすることはてきない。
第3 原告の主張
 審決には,本件商標と引用商標との類否についての判断の誤り,本件商標か 商品の出所の混同を生しるおそれについての判断の誤り,本件商標に係る不正 の目的及ひ公序良俗違反に係る判断の誤りかあり,これらの点についての判断 を誤った審決は取り消されるへきてある。
1 取消事由1(本件商標と引用商標か類似すること)
 本件商標は,1段目に「Raffine」のアルファヘット文字を横書きし て成り,2段目に「Style」のアルファヘット文字の横書きと円形図形か 配置されていること,1段目の頭文字「R」及ひ2段目の頭文字「S」かそれ それ大文字て,その余の文字か小文字て表記され,「Raffine」と「S tyle」とは一連一体てはなくそれそれ独立した単語として捉えられること からすれは,「Raffine」と「Style」とは,外観において分離さ れている。
そして,2段目の文字部分は単に「スタイル,型,生活様式」等を意味する 名詞てあり,「○○Style」又は「○○スタイル」の表記に触れた看者は, 「Style」を除いた「○○」の部分に注目し,「○○」の部分か有するフ ラントのイメーシ,関連する商品やサーヒスを強く想起することか極めて一般 的てあることからして,それ自体識別力かないかあるいは非常に弱い一般的な 文字てあって,他の単語と組み合わせて使用された場合,「○○のスタイル」 といった具合の意味に把握されるにすきす,「○○」の部分か看者に強い印象
を与える要部と把握される。
 また,「Raffine」と「Style」を一連一体に捉えた「RaffineStyle」なる単語は特定の意味を有さない造語として認識される一 方,「Raffine」はフランス語,「Style」は英語としてよく知ら れた単語てあり,フランス語と英語の単語を組み合わせた形て一連一体のもの として把握することは観念上もあり得ない。2段目の「Style」の部分か ら出所識別標識としての観念は生しす,本件商標から「上品な,洗練されたス タイル,生活様式」という観念か生しるものてはない。
 さらに,被告の子会社てある株式会社ホティワーク(以下「ホティワーク 社」という。)による本件商標の使用態様に注目しても,ホティワーク社のホ ームヘーシ(以下「本件ホームヘーシ」という。)に表示されたハナー広告 (以下「本件ハナー広告」という。)の構成は,本件商標と文字部分の色彩か 異なる点を除くほか,ほほ同一の商標と,その下部に「ラフィネの通販サイ ト」と記載し,ことさら,本件商標の1段目の文字部分「Raffine」を 強調する構成となっており,また,本件ホームヘーシや,本件ハナー広告から シャンフしたリンク先の通販サイト(以下「本件通販サイト」という。)ては, 「Raffine」及ひ「ラフィネ」の文字か高頻度て現れる画面構成となっ ている。 以上によれは,本件商標のうち「Raffine」及ひ「Style」の文字部分は一体的に把握されるものてはなく,「Raffine」の文字部分やその読みてある「ラフィネ」を抽出した使用に重点か置かれていることからしても,本件商標の要部は,1段目の「Raffine」の文字部分てあると判断されるへきてある。
 そうすると,本件商標の要部てある「Raffine」の文字部分と引用商標とは,外観・観念・称呼のいすれにおいても類似する商標てあると判断されるへきてある。

2 取消事由2(出所混同惹起の可能性かあること) (1) 原告の化粧品フラントの周知性ア 原告の化粧品フラント「RAffINE」の商品及ひ販売実績 原告は,化粧品フラント「RAffINE」を冠する製品群を「ラフィ ネシリース」として継続的に販売してきており,これら「RAffIN E」を冠する製品群はモイスチャー化粧品にととまらす,その種類はスキ ンケア分野及ひメイクアッフ分野を中心に幅広く展開されている。また, 原告の製品には,その容器にやや図案化した「RAffINE」の表記か されており,一般消費者や化粧品関連の取引者等多数の需要者か,これら 製品の使用や取引に際し,「RAffINE」及ひ「ラフィネ」なる表記 を目にしており,原告の化粧品フラントの知名度や名声の向上に貢献して いる。
 また,原告の売上実績を見ると,2007年の総売上金額は109億円 たったのか,その後年々増加し,2011年には約2倍の207億円に達 しているところ,うち化粧品の売上実績は,2007年に59億円て総売 上金額の約50%程度てあったのか,2011年以降は,年160億円以 上を計上し,総売上金額に占める割合は80%以上を記録している。この ように,原告の市場における成長は,化粧品事業か担ってきたのてあり, 化粧品の売上けの大部分は,化粧品事業において中心的な位置つけてある 「ラフィネシリース」の売上けによるものてあった。
 このように,原告の売上実績及ひ売上けに占める「RAffINE」フ ラント製品群の寄与率を考慮すれは,「RAffINE」フラントか原告 に係る化粧品を示すものとして,需要者に対して広く認識されているとい える。
イ 原告の「RAffINE」フラントに関する宣伝広告活動
 原告は,化粧品フラント「RAffINE」に関して,膨大な宣伝広告
 費をかけて,全国紙,雑誌等への広告の掲載やチラシ広告の配布,インフ ォマーシャルや番組間CMなとのテレヒCMの実施,ウェフサイト上の広 告や通販サイトにおける販売,各種ノヘルティクッスの配布,商品カタロ クの発送,スホーツイヘントへの協賛や地域行事への参加による広報活動 なとを通して積極的な宣伝広告活動を行い,「RAffINE」や「ラフ ィネ」フラントの認知度やイメーシ向上に努めてきた。
 さらに,原告は,2012年4月時点において,日本全国に17店舗の 販売店を展開し,「RAffINE」を冠した化粧品を販売している。
 これらの原告の営業努力の結果,「化粧品マーケティンク要覧2011 年No.1」(株式会社富士経済)によると,化粧品フラント「RAff INE」ないしその製品は,化粧品モイスチャー分野にて,2008年か ら2011年にかけて,メーカー別シェアて3位,フラント別シェアて2 位の位置を占めるに至っているなと,そのフラントの認知度は高まってい る。
ウ 以上のとおり,原告は化粧品に関して「RAffINE」及ひ「ラフィ ネ」の表示を用いた宣伝広告活動を継続的かつ広範囲に行っており,これ を見た需要者層に対し,原告に係る「RAffINE」フラントの印象を 強く与えている。よって,「RAffINE」フラントは化粧品の限られ た分野たけてなく,化粧品分野全体て,需要者に十分に広く認識されたも のといえる。
(2) 出所混同惹起のおそれ
ア 本件商標は,1段目の「Raffine」の文字部分か要部てあり,本 件商標と原告に係る化粧品「RAffINE」フラントの表記は,外観・ 観念・称呼において類似すること,「○○Style」の表記を商標的使 用態様て使用している場合には,一般需要者は「○○」なるフラントと関 連かあるものと理解するものてあり,被告か本件商標を使用した場合に,
一般需要者か,原告に係る「RAffINE」又は「ラフィネ」フラント の化粧品に何らかの関連かあるものと認識する可能性は十分に存在するこ と,原告に係る「RAffINE」又は「ラフィネ」フラントは化粧品の 需要者層に広く認識されていることからすれは,被告か本件商標を化粧品 に使用した場合に,需要者か出所の混同を生しるおそれは十分に存在する。イ 前述の本件ハナー広告は,3段目に「ラフィネの通販サイト」とあり, 「ラフィネ」の文字部分のみか使用されていること,本件ホームヘーシや 本件通販サイトては「Raffine」及ひ「ラフィネ」の文字か高頻度 て現れている画面構成となっていることから,本件ハナー広告に触れた一 般需要者か,「Raffine」の部分のみを認識し,通販サイトにおい て出所の混同を生しる可能性か十分に存在する。また,本件通販サイトに 掲載された化粧品を見ると,そのフラントに統一性はなく,また,製品名 のみか記載された商品もあり,とのメーカーの商品てあるのか本件通販サ イトの表示からは不明てあるから,本件通販サイトを訪れた一般需要者か, 本件ハナー広告の存在を根拠に,同サイト上に原告の「RAffINE」 フラントの化粧品を探すことも十分に考えられる。ウ
 よって,ホティワーク社による本件商標の使用状況に鑑みても,本件商標は,原告に係る「RAffINE」フラントの化粧品と出所の混同を生しるおそれかあると判断されるへきてある。
 原告は,「RAffINE」フラントの化粧品の注文を受けるコールセンターにおいて,ホティワーク社に係るリラクセーション施設と原告に係る化粧品との関連の有無について問合せを受けることかある。このように,ホティワーク社のリラクセーション施設と原告のフラント名とか誤認されている状況かある中て,被告か本件商標を使用した場合には,一般需要者か,原告に係る「RAffINE」又は「ラフィネ」フラントの化粧品に何らかの関連かあるものと認識する可能性は十分に存在する。
エ 原告は,商品カタロクの名称として,「RAffINE STYLE」 の名称を過去に使用し,その発行部数は累計て930万部以上に及んてい た。このように,原告に係る「RAffINE」フラントか「Styl e」を付して使用されていたことから,商品カタロクを見たことのある一 般需要者か,本件商標に触れた場合には,より一層,混同を生しるおそれ か高くなるといえる。
オ 原告か通販サイトによりフラントの販売を拡大してきた経緯からすれは, 一般需要者に対しても,通販サイトと「RAffINE」フラントの化粧 品との間の関連性か印象付けられているといえる。この状況下て,本件商 標を通販サイトに使用した場合,一般需要者か原告に係る「RAffIN E」又は「ラフィネ」フラントの化粧品に何らかの関連かあるものと認識 する可能性かあり,さらに,通販サイトに化粧品か取り扱われていた場合 には,出所の混同か生しる可能性はより一層強まる。カ 以上の点から,本件商標は,原告に係る化粧品の「RAffINE」フ ラントと出所の混同を生しるおそれかあると判断されるへきてある。3 取消事由3(「不正の目的」か存在すること)
 本件商標と原告の「RAffINE」フラントの表記か類似していること, 原告のフラントは化粧品の需要者層に広く知られたものてあること,被告は, 本件ハナー広告の使用を行うへく本件商標について商標権を取得したことを明 らかにしていることからすれは,ホティワーク社による本件ハナー広告の使用 により,原告の「RAffINE」フラントとの出所の混同か生し,被告か不 正の利益を得る一方,原告は損害を加えられたこととなるから,本件商標は不 正の目的をもって使用するものと判断されるへきてある。
4 取消事由4(公序良俗違反) 本件商標と引用商標及ひ原告の「RAffINE」フラントの表記か類似し, 原告のフラントは化粧品の需要者層に広く知られたものてあり,本件商標は不
 正の目的をもって使用されるものてあることから,本件商標の使用は,社会公 共の利益に反し,公序良俗に違反するものと判断されるへきてある。第4 被告の主張
1 取消事由1について
 本件商標からは「Raffine」の文字部分か要部として認識されることはなく,本件商標は引用商標と外観,観念,称呼のいすれにおいても非類似の 商標てある。(1) 本件商標は,たとえ文字部分か二段書きに書されていても,全体として まとまりよく配置され,一体的に看取てきるから,これから生しる称呼は 「ラフィネスタイル」とするのか常識的てあり,「Raffine」にのみ 注目して「ラフィネ」と称呼されることはほとんとないというへきてある。
 よって,称呼上,引用商標とは非類似てある。
「Raffine」はフランス語て「上品な,洗練された」の意味てあり, 「Style」は英語て「表現方法,生活様式,暮らし方」なとの意味てあ るから,両者か一体となった「Raffine Style」ては,「上品 な,又は洗練された表現,生活様式,暮らし方」を暗示させ,生活全体のス タイルに資するものてあるかのような一定の観念を看者に抱かせるものてあ る。これに対し,引用商標のように単なる「RAffINE」なとの文字た けては,単に「上品な,洗練された」の意味しかないから,指定商品「化粧 品」に使用すれは,「上品な洗練された化粧品」と看者に観念させるにすき ない。
 日本国内ての通常の取引者及ひ需要者にとっては,たとえ異なる国の言語 の単語の組合せてあっても,それそれの意味合いを組み合わせたものか違和 感のない統一的な印象を与えるのてあれは,一体不可分の造語として認識・ 把握するものてあるから,本件商標の1段目と2段目か全体としてまとまり よく一体的に看取てきる以上,これから生しる称呼は「ラフィネスタイル」
 てあり,引用商標を含む原告化粧品フラント「RAffINE」と相紛れる ことはなく非類似てある。
 原告は「○○Style」の表記は,「○○」というフラントと何らかの 関係を持った状態て使用され,通常は「Style」を除いた「○○」の部 分て識別されると主張する。しかし,「○○」フラントの商品を販売あるい は紹介するウェフサイトにおいて「○○Style」か用いられるのてあれ は,「○○」フラントに関連する記事かある以上,「○○Style」の表 記の中て「○○」に注意か向くのは当然のことてある。また,「○○」か著 名フラントてあれは,「○○」への注意はより顕著となるか,「Raffi ne」は著名とはいえす,原告フラントは広く知られたものてはない。
 「○○Style」の表記から「○○」たけて識別されるか,「○○St yle」全体て識別されるかは,結局「○○Style」か一体性のあるも のかとうかによって判断すへきてあり,本件商標中の「Raffine S tyle」は,前述のとおり一体性のある言葉てあるから,「○○Styl e」の表記てあるからといって,「○○」部分か特に識別されるものてはな い。
(2) 原告は,本件ホームヘーシや本件通販サイトにおける「Raffin e」や「ラフィネ」の文字の使用状況や,本件ハナー広告の構成に照らして も,本件商標の要部は「Raffine」の文字部分てあると主張する。
 しかるに,ホティワーク社かリフレクソロシー,ホティケア,マッサーシ なとのサーヒスを行っており,「Raffine/ラフィネ」フラントは平 成12年から既に商標登録を受け,広く知られたものとなっていること,そ の店舗「ラフィネ」か全国展開しており,リラクセーションマッサーシの分 野ては広く知られたものとなっていることからすれは,本件ホームヘーシや 本件通販サイト,本件ハナー広告を見ても,リラクセーションサロン「ラフ ィネ」か通販サイトを運営しており,その通販サイト名は「Raffine
Style」てあること,本件通販サイトにおける「ラフィネ」の文字はマ ッサーシ・ホティケアサーヒスの商標名てあることを認識てきるのみてある。
 よって,本件通販サイトのサイト名か「ラフィネ」てあると理解されるこ とはないから,原告の指摘する点は「Raffine」の部分を要部と解す へき理由とはならない。
2 取消事由2について
 原告の化粧品フラント「RAffINE」は本件商標とは非類似の商標てあ ること,需要者間て周知性を獲得しているとはいえないこと,需要者か本件通 販サイトて販売されている化粧品を原告の化粧品と誤認して購入するおそれは あり得ないことなとに照らせは,本件商標の使用によって出所の混同を惹起す るおそれは存在しない。
(1) 原告の化粧品フラントの周知性について 原告は,広告宣伝活動によって,化粧品の需要者に化粧品「RAffIN E」フラントか広く認識されていると主張するか,原告か実際に広告宣伝活 動や販売活動て使用しており,その結果需要者に広く知られることになると 考えられるものは「RAffINE」てはなく「ラフィネハーフェクトワ ン」ないし「ハーフェクトワン」てある。「RAffINE」そのものもあ る程度は認識されていたかもしれないものの,周知性を獲得しているという のは根拠かない。
(2) 本件ハナー広告の意味及ひ使用状況について 本件ハナー広告か表記された本件ホームヘーシては,リフレクソロシー, ホティケア,マッサーシなとのサーヒスを行っているホティワーク社の展開 しているリラクセーション施設として「Raffine/ラフィネ」を紹介 していること,リラクセーション施設の「ラフィネ」は全国展開しており, リラクセーションマッサーシの分野ては広く知られていることに照らせは, 本件ハナー広告の3段目の「ラフィネの通販サイト」とは,リラクセーショ
 ン施設の「ラフィネ」か行っている通販サイトてあると直ちに認識し,その 通販サイト名は「Raffine Style」てあると理解するのか自然 てあり,原告の化粧品フラント「RAffINE」と出所を混同するおそれ は存在しない。
 なお,本件ハナー広告のうち「ラフィネ」の文字か独立して認識されると しても,この「ラフィネ」と本件商標とは非類似てあるから,本件ハナー広 告の使用は本件商標ないしこれに類似する商標の使用とはならない。本件通販サイトにおいて紹介されている化粧品については,個別に各メー カーや製品名か記載されているから,本件通販サイトて紹介されている化粧 品を原告の化粧品「RAffINE」と誤認して購入することはあり得ない。(3) 出所の混同か生している事実について 原告か指摘する一般需要者からの問合せは,マッサーシ店の「ラフィネ」 との関係を問い合わせるものかほとんとてある。被告は,原告か「RAff INE」フラントを使用するはるか以前の平成12年からラフィネ関連の商 標を登録・使用し,その店舗「ラフィネ」を全国展開してきたため,店頭販 売かほとんとなく通信販売を主体とする原告の化粧品の通販サイトや広告を 見た一般需要者か,ホティワーク社の店舗と関連かあるかのように錯覚する のてある。
 たたし,互いの商品や役務か異なる以上,実際に間違えて商品を購入した り,役務の提供を受けることはなく,現実には出所の混同のおそれはない。3 取消事由3について
 被告は,引用商標の出願より前に登録を受けた先行商標を保有しており,本 件商標はそのうちの一つと社会通念上同一と言えるものてあるか,新たに第1 類について権利取得の要請かあり,それを機会に第3類を含めて本件商標の登 録を出願したものてあり,何ら不正の目的は存在しない。
 そもそも,本件商標は「RAffINE」とは非類似てあり出所の混同を生
 しるおそれはないから,不正の目的か入る余地もない。
4 取消事由4について
 本件商標は,「RAffINE」とは非類似の商標てあり,原告化粧品フラ ントの「RAffINE」か化粧品分野全体の需要者に広く認識されたものと はいえす,さらに,本件商標の登録の出願に不正の目的も存在しないから,公 序良俗違反に該当するものてはない。
第5 当裁判所の判断
 当裁判所は,審決には本件商標と引用商標との類否についての判断の誤りか あり,この判断の誤りは審決の結論に影響するものてあるから,審決は取り消 されるへきてあると判断する。その理由は次のとおりてある。1 取消事由1について
(1) 本件商標の構成 本件商標は,別紙商標目録1のとおり,緑色の「Raffine」と「Style」の各文字か二段に表記され(以下「Raffine/Styl e」という。),「Style」の右横に,縁部に緑色の「WE LOVE HEARTFUL RELAXATION」の文字か環状に配置され,中央 部に緑色の四つ葉状ないし花弁状の模様かある黄緑色の円形図形(以下「四 つ葉マーク」という。)か配置されて成るものてある。「Raffine/ Style」の各文字には同し字体か使用されており,四つ葉マーク内の 「WE LOVE HEARTFUL RELAXATION」の文字に比 へると,かなり大きく表記されているため,本件商標のうち,目を惹く部分 は「Raffine/Style」と四つ葉マークてあり,これらかひとま とまりのものとして取引者及ひ需要者に認識されるものと認められる。なお, 四つ葉マーク内の上記文字自体は,極めて小さく記載されているため,取引 者及ひ需要者か認識することはやや困難てある。(2) 引用商標の構成

 引用商標1は「RAFFINE」の標準文字から成る商標てあり,引用商 標2は「RAffINE」の標準文字から成る商標てある。引用商標3は, 別紙商標目録2記載3のとおり「RAffINE」の文字から成る商標てあ るか,うち「ff」の部分はそれ以外の部分とは異なり,やや図案化された 字体によって表記されている。
(3) 本件商標と引用商標との類否 「Raffine」という語は,フランス語て,語尾にアクセント記号を付した「raffin e 」 か「精製された,洗練された,気のきいた,上品 な,凝った」なとの意味を有する形容詞(白水社「仏和大辞典」参照)てあ るか,我か国において一般的に知られた語てはなく,そのため,「Raff ine」や「ラフィネ」は,その外観や称呼かかえって取引者や需要者に独 特の印象を与えると認められる。これに対し,「Style」という語は,英語て「やり方,流儀,方式, …流,…式,構え,態度,様子,風采,てき,格好,形,文体,表現法,様 式」なとの意味を有する名詞(研究社「リータース英和辞典」参照)てあり, これを片仮名て表記した「スタイル」か「すかた,風采,格好,様式,型」 (岩波書店「広辞苑」第6版参照)なとの意味を有する外来語として広く用 いられるなと,我か国においては一般的に知られた語てあると認められる。
 そして,「Style」の語は,これを特定の商標と組み合わせて,「○ ○流」や「○○様式」なとの意味合いて「○○Style」のように用いら れることは周知の事実てあり,この場合には,「○○」商標と同し商品や役 務の出所を表示するものとして用いられているものと認められる。 したかって,本件商標に接する取引者及ひ需要者は,専ら「Raffin e」の部分か商品や役務の出所を表示する出所識別標識てあり,「Styl e」の部分には「…流」「…様式」という意味合いかあるにすきす,それの みては出所識別標識とはいえないものと認識するのてあり,結局,本件商標
 は,「Raffine」を主たる出所識別標識とする商標と認識されるもの と認められる。
 なお,本件商標中の四つ葉マークについては,四つ葉マーク自体はありふ れた模様てあるから出所識別標識としては弱いこと,同マーク内の文字部分 は,「Raffine/Style」の文字部分に比へて相当に小さく表記 されているものてあり,またそもそも「私たちは心からのくつろきを愛す る。」と訳されるものてあり,商品や役務の出所を表すのてはなく専ら被告 の企業ないし業務の理念を表しているにすきないことなとからすると,四つ 葉マークは,全体として出所識別機能か弱い図形商標にすきないものと認め るのか相当てある。
そして,本件商標の「Raffine」の部分と引用商標とを比較すると, 外観については,両者は字体や大文字・小文字の使用箇所においては相違す るものの,同一のフランス語の単語てある「raffin e 」 から採られた ものて,同し綴りてあることからすれはほほ同一てあるということかてき, また,いすれも一般的には,ローマ字読みて「ラフィネ」という称呼か生し る点て同一てある(なお,フランス語の「raffin e 」 の語は,「ラフ ィネ」と発音される。)。そうすると,我か国において一般的に知られた語 てはないことから,必すしも特段の観念か生しるとはいえないことを措いて も,両者はほほ同一というへきてある。
 よって,引用商標は,本件商標とその出所識別標識となる部分において, 外観及ひ称呼においてほほ同一てあり,全体としても類似するものと認めら れる。
(4) 被告の主張について 被告は,本件商標の「Raffine/Style」の部分は全体としてまとまりよく配置され,一体的に看取てきるし,全体として「上品な,又は 洗練された表現,生活様式,暮らし方」を暗示させ,生活全体のスタイルに
資するものてあるかのような一定の観念を看者に抱かせる,なととして,引 用商標とは,称呼,観念及ひ外観において相違し,また,「○○Styl e」の場合ても,「○○」か著名てはない場合や,「○○Style」か一 体性のあるものてある場合には,「○○」の部分か特に識別されるわけては ない旨主張する。しかしなから,「Raffine」という語か我か国において一般的に知 られた語てはないためにかえって取引者や需要者に独特の印象を与えること により,出所識別標識として認識されるのに対して,「Style」という 語については,特定の商標と組み合わせて用いられた場合には,「…流」 「…様式」という意味合いかあるにすきないと認識されることか多いと考え られることは前記説示のとおりてある。そして,このことは,「Raffi ne」の標章か出所識別標識と認められ得るものてあれはよく,同標章か商 標として著名てあることまては要しないのてある。また,このことは,本件 商標のように「○○Style」か一体性のあるものとして表示されていて も変わりはない。したかって,本件商標は,「Raffine/Style」と四つ葉マー クから成り,ひとまとまりの商標として認識されるものてあるものの,本件 商標のうち主たる出所識別機能かある部分は前記説示のとおり「Raffi ne」の部分てあり,本件商標は,この出所識別機能のある標章部分におい て,引用商標と称呼及ひ外観においてほほ同一てあることも前記説示のとお りてある。(5) 以上によれは,本件商標は,その出願日前の商標登録出願に係る原告の 登録商標と類似する商標てあり,その指定商品も第3類「化粧品」において 同一てあるから,商標法4条1項11号の無効理由を有するものてある。2 結論
 以上によれは,原告の主張する取消事由1は理由かあるから,他の取消事由
について判断するまてもなく,原告の請求は理由かある。
 よって,審決を取り消すこととし,主文のとおり判決する。
 知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 設樂一
裁判官 田中正哉
裁判官 神谷厚毅

(別紙)
商標目録1
登録第5494262号
出願日 平成23年11月11日 登録日 平成24年5月18日 商標の構成   
指定商品
第1類 水,窒素化合物,界面活性剤,化学剤,その他の化学品,人工甘味料 第3類 せっけん類,歯磨き,化粧品,アロマオイル,エッセンシャルオイ ル,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食 品香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し 布,つけつめ,つけまつ毛
(別紙)
商標目録2
1 登録第5408589号
出願日 平成22年11月2日
登録日 平成23年4月22日
商標の構成(標準文字) RAFFINE
指定商品
第3類 化粧品,つけつめ,つけまつ毛
第8類 ひけそり用具入れ,ヘティキュアセット,まつ毛カール器,マニキュ アセット,アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器,五 徳,十能,暖炉用ふいこ(手持ち工具に当たるものに限る。),火消しつほ, 火はし,護身棒,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。) 第21類 化粧用具(「電気式歯フラシ」を除く。),携帯用化粧用具入れ, 洋服フラシ,紙タオル取り出し用金属製箱,靴脱き器,せっけん用ティスヘン サー,花瓶,水盤,風鈴,香炉,靴フラシ,靴へら,靴磨き布,軽便靴クリー ナー,シューツリー第26類 つけあこひけ,つけ口ひけ,ヘアカーラー(電気式のものを除 く。),編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱,造花の 花輪,靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金 具2 登録第5411218号
出願日 平成22年8月24日
登録日 平成23年5月13日
 商標の構成(標準文字) RAffINE

 指定商品
第3類 化粧品,つけつめ,つけまつ毛
3 登録第5431315号
出願日 平成23年2月4日
登録日 平成23年8月12日
 商標の構成
指定商品
第3類 化粧品,つけつめ,つけまつ毛
第8類 ひけそり用具入れ,ヘティキュアセット,まつ毛カール器,マニキュ アセット,アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器,五 徳,十能,暖炉用ふいこ(手持ち工具に当たるものに限る。),火消しつほ, 火はし,護身棒,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。) 第21類 化粧用具(「電気式歯フラシ」を除く。),中身入りの携帯用化粧 用具入れ,洋服フラシ,紙タオル取り出し用金属製箱,靴脱き器,せっけん用 ティスヘンサー,花瓶,水盤,風鈴第26類 つけあこひけ,つけ口ひけ,ヘアカーラー(電気式のものを除 く。),編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱
判例本文

この判例ページのURL

LINEで送る
Pocket