平成25年11月28日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成25年(行ケ)第10121号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 平成25年10月31日
判決
原 告 三菱電機株式会社 訴訟代理人弁護士近藤惠嗣
同 重入正希
同 前田将貴
被告 東芝ホームアフライアンス
株式会社 訴訟代理人弁護士 高 橋 雄一郎 同 阿部実佑季 訴訟復代理人弁護士 北島志保 訴訟代理人弁理士小川泰典主文
 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
 事実及ひ理由
第1 請求 特許庁か無効2012-800126号事件について平成25年3月19日にした審決を取り消す。
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯等
(1) 株式会社東芝(以下「東芝」という。)は,平成7年7月20日,発明の名 称を「洗濯機の脱水槽」とする特許出願(特願平7-184351号)をし,平成 14年3月22日,設定の登録(特許第3290336号。請求項の数7)を受けた(甲2。以下,この特許を「本件特許」という。)。
(2) 本件特許は,平成20年12月9日,東芝から東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールティンクス株式会社(以下「東芝コンシューマエレクトロニクス」 という。)及ひ被告に一般承継により移転され,同日,特定承継による本件の一部 移転により,被告,東芝及ひ東芝コンシューマエレクトロニクスの共有となった (乙1)。本件特許は,平成23年3月3日,東芝から特定承継による本件の持分移転によ り,被告及ひ東芝コンシューマエレクトロニクスの共有となった(乙1)。(3) 原告は,平成24年8月21日,本件特許の請求項1ないし7に係る発明に ついて,特許無効審判を請求し,無効2012-800126号事件として係属し た。(4) 特許庁は,平成25年3月19日,「本件審判の請求は,成り立たない。」 との審決(以下「本件審決」という。)をし,その謄本は,同年4月4日,原告に 送達された。(5) 原告は,平成25年4月26日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起 した。(6) 被告は,平成25年10月8日,東芝コンシューマエレクトロニクスから特 定承継による本権の持分移転により,本件特許に係る東芝コンシューマエレクトロ ニクスの持分全部を承継した(乙2~4)。2 特許請求の範囲の記載
本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載の発明は,次のとおりてあ る。以下,請求項1に記載された発明を「本件発明1」といい,各発明を併せて 「本件発明」という。また,本件特許に係る明細書(甲2)を,図面を含め,「本 件明細書」という。
 【請求項1】金属板を円筒状に曲成しその両端部を接合することにより形成した胴 部と,この胴部の下縁部に結合した底板,及ひ胴部の上縁部に装着したハランスリンクとを具備するものにおいて,フィルタ部材を具え,このフィルタ部材か上下の 全長て前記胴部の接合部を内側より覆い,その上下の全長より充分に小さな寸法の 隙間を前記ハランスリンク又は底板との間に余すことを特徴とする洗濯機の脱水槽。 【請求項2】胴部の接合部かかしめによるものて,そのかしめ接合部の内側凸形状 に合わせ,フィルタ部材に凹部を形成したことを特徴とする請求項1記載の洗濯機 の脱水槽。 【請求項3】胴部の接合部かかしめによるものて,フィルタ部材の凸状部に対し, 胴部のかしめ接合部に凹陥部を形成して,これらを遊嵌したことを特徴とする請求 項1記載の洗濯機の脱水槽。 【請求項4】胴部の接合部かかしめによるものて,そのかしめ接合部一帯の部分に 凹陥部を形成し,この凹陥部にフィルタ部材の全体を遊嵌したことを特徴とする請 求項1記載の洗濯機の脱水槽。 【請求項5】胴部の接合部かかしめによるものて,そのかしめ接合部の内側部分を 平坦にしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯機の脱水槽。 【請求項6】胴部の接合部を突合わせ溶接としたことを特徴とする請求項1記載の 洗濯機の脱水槽。 【請求項7】フィルタ部材か胴部の接合部をまたいてその両側部てねし固定されて いることを特徴とする請求項1記載の洗濯機の脱水槽。3 本件審決の理由の要旨
本件審決の理由は,別紙審決書(写し)のとおりてあり,要するに,本件発明に ついて,特許を受けようとする発明か明確てあるとの要件を満たしていないとはい えない,というものてある。4 取消事由
 明確性の要件に係る判断の誤り
第3 当事者の主張
〔原告の主張〕
(1) 本件明細書の記載の参酌の可否について
本件発明1の「その上下の全長より充分に小さな寸法の隙間」との構成のうち, 「その上下の全長」か「フィルタ部材の上下の全長」を意味することは明らかてあ り,「充分に小さな寸法」との構成かフィルタ部材の全長との比較て用いられてい ることは当業者に理解可能てある。しかしなから,フィルタ部材の全長より充分に小さな寸法かいかなる技術的意味 を有するかは,特許請求の範囲の記載からは不明てある。「充分に」とは比較の基 準又は程度か不明確な表現てあり,本件発明の特許請求の範囲の記載は,殊更に不 明確な表現を用いることによりその技術的範囲を曖昧なものとしている。特許法3 6条6項2号は,特許権か行使される範囲の外延を明示するという特許請求の範囲 の機能に鑑みて,特許請求の範囲の記載のみて技術的思想てある発明自体か明確と なることを要求しており,本件審決も,本件発明の「隙間」の技術的意義は特許請 求の範囲の記載のみては一義的に理解することはてきないとする以上,本件発明の 特許請求の範囲の記載か明確性の要件を充足していないことは明らかてある。(2) 本件明細書の記載の参酌について
仮に,本件審決のように本件明細書の記載を参酌したとしても,本件発明の特許 請求の範囲の記載は一義的に解釈することはてきない。ア 作用効果の記載の参酌について
(ア) 本件明細書には,「充分に小さな寸法」の意味を定義した記載は存在しな いから,本件明細書の記載を参酌したとしても,特許請求の範囲の記載か明確性の 要件を充足する余地はない。本件明細書において,「充分に小さな」又は「充分に小さい」という記載か存在 するのは,【0008】【0013】及ひ【0029】にすきす,そのうち,【0 008】及ひ【0029】には,「充分に小さな寸法の隙間」か解決手段てあるこ とを示すのみてあり,その具体的構成を開示するものてはない。【0013】ては, 【図1】に図示された寸法L1及ひ寸法L2かフィルタ部材の全長より充分に小さいことか記載されているか,その理由は示されておらす,フィルタ部材の全長より もとの程度小さけれは「充分に小さい」といえるかは不明てある。本件審決は,本件明細書に記載された本件発明の課題や効果に基ついて「(フィ ルタ部材の)全長より充分に小さな寸法の隙間」の技術的意義を明らかにしようと するか,このような手法は特許法36条6項2号の趣旨に反する。(イ) 本件明細書には,「その(フィルタ部材の)上下の全長より充分に小さな 寸法の隙間」という構成を採用した結果として得られる効果を説明する記載か存在 するにすきす,当該構成に関する説明は存在しない。本件明細書における発明の効 果に関する記載から本件発明の構成を想定することは,解決課題から解決手段を想 定することに等しく,解決手段を開示することによって特許を得るという特許法の 論理に反する。前記のとおり,本件明細書(【0016】)には,【0013】に記載された寸 法L1及ひ寸法L2の作用効果か記載されているにすきす,寸法L1や寸法L2か とれたけ大きけれは「隙間」と呼へるか,反対に,とれほと大きくても「充分に小 さな寸法の隙間」といい得るかを明らかにするものてはない。本件審決は,寸法L 1及ひ寸法L2の作用効果の記載を「充分に小さな寸法の隙間」の定義として代用 するものてあって,誤りてある。イ 死角について
(ア) 本件審決は,隙間を設ける効果か「実用上支障かない程度」「その程度の 効果を奏するもの」てあるとするか,本件審決か認定する上記効果をもってしても, との程度の大きさの隙間てあれは「(フィルタ部材の)全長より充分に小さな寸法 の隙間」に該当するのかを一義的に判断することはてきない。(イ) 本件審決は,一般的な体形の使用者を想定し得るとした上て,隙間に関し, 脱水槽内を覗く使用者の視点の位置は想定てき,その視点からハランスリンク又は フィルタ部材の陰(死角)となって見えなくなる程度の「その上下の全長より充分 に小さな寸法」は明確てあるとする。しかしなから,本件発明の特許請求の範囲の記載及ひ本件明細書には,「その上 下の全長より充分に小さな寸法」を判断する基準とフィルタ部材の陰(死角)とを 直接結ひ付ける記載はないし,当業者か使用者の体形等を想定てきるからといって, 直ちに本件発明の「その上下の全長より充分に小さな寸法」か一義的に明らかとな るわけてはない。同し人物か同し洗濯機を使用した場合ても,様々な事情によって 視点の位置は変化するから,「脱水槽内を覗く使用者の視点E」か一義的に定まる ことはないし,当該視点か一定の範囲を有する概念てあると理解するとしても,そ の範囲は明確とはなり得ない。(ウ) したかって,ハランスリンク又はフィルタ部材の「死角」によって隙間の 接合部か見えなくなるという本件発明の作用効果を参酌しても,「その全長よりも 充分に小さな寸法」は一義的に明確とはいえない。ウ 接合部に洗濯物か触れないことについて
(ア) 本件審決は,接合部に洗濯物か触れないという効果について,そのような 効果を奏し得る程度の「その上下の全長より充分に小さな寸法の隙間」も当業者か 想定てき,その技術的思想は明確てあるとする。しかしなから,前記のとおり,接合部に洗濯物か触れないという作用効果は,寸 法L1及ひ寸法L2の効果てあって,「その上下の全長より充分に小さな寸法」の 定義てはない。また,本件審決は,「接合部に洗濯物か触れない」とは,触れることか少なくな る,触れにくくなるてあろうという程度を意味するとするか,「触れにくくなるて あろうという程度」との認定自体,極めて不明確てあるのみならす,当該認定は本 件明細書の記載に基つくものてはない。隙間の接合部に洗濯物か触れるか否かは, 隙間の寸法のみて決せられるものてはなく,フィルタ部材やハランスリンクの形状 か大きく影響するか,本件発明の特許請求の範囲の記載において,フィルタ部材や ハランスリンクの形状を具体的に特定するものてはないし,上記各部材の形状につ いて当業者に共通認識は存在しない。(イ) 洗濯物か「触れることか少なくなる」という作用効果を奏するか否かを判 断するためには,基準となる対比されるへき構成(触れることか少なくなっていな い寸法の隙間を備えた構成)か存在しなけれはならないか,本件明細書には当該構 成か明らかにされていないから,本件明細書の記載を参酌しても,当業者は本件明 細書の「触れることか少なくなる」との作用効果を一義的に理解することはてきな い。エ 熱膨張率について
本件審決は,本件発明ては,熱膨張率の違いにより生する隙間の程度より大きな, 洗濯物か挟まれないような,あらかしめ人為的にある程度の大きさの隙間か形成さ れれはよいとする。確かに,熱膨張率の違いにより生する隙間の程度は,容易かつ客観的に計算する ことかてきるものてある。しかしなから,当業者は,洗濯物か挟まれないような蓋然性のある大きさかとの 程度てあるかについて想定することはてきないから,このような大きさの隙間を一 義的かつ明確に定義することはてきない。したかって,「その上下の全長より充分に小さな寸法の隙間」については,寸法 の上限に関わる「充分に小さな寸法」か不明確てあるのみならす,との程度の大き さかあれは「隙間」と呼ひ得るのかという寸法の下限についても明確性を欠く。(3) 以上のとおりてあるから,本件発明の特許請求の範囲の記載か明確性の要件 を充足するということはてきない。〔被告の主張〕
(1) 本件明細書の記載の参酌の可否について
発明の技術的意義か特許請求の範囲の記載のみては一義的に理解することかてき す,文言の解釈を要するのはこく普通のことてあり,これをもって直ちに特許法3 6条6項2号の規定に違反するとはいえない。このような場合,明細書の記載等を 参酌して解釈するのか確立した実務てあり,特許法か許容するところてある。特許請求の範囲の記載の文言か一義的に明確てはないとしても,明細書の発明の詳細な 説明を参酌することにより,その技術的意義を明確に理解することかてきる場合, 第三者に不測の不利益を被らせることはない。(2) 本件明細書の記載の参酌について
本件審決のように本件明細書の記載を参酌すれは,本件発明の特許請求の範囲の 記載は一義的に解釈することかてきる。ア 作用効果の記載の参酌について
明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌することは,定義形式の表現のみを参酌 することを意味するものてはなく,課題やその解決手段,作用効果との関係て文言 の技術的意義を理解することにほかならない。当該手法も,実務上確立した手法て あり,特許法か許容するところてある。したかって,本件明細書における発明の効果に関する記載から本件発明の構成を 想定することも許されるから,本件明細書に「充分に小さな寸法」の意味を定義し た記載か存在しないからといって,特許請求の範囲の記載か明確性の要件を充足す る余地はないということはてきない。イ 死角について
本件明細書(【0016】)には,「使用者の視点E(図1参照)に対し,ここ の接合部かハランスリンクの陰(死角D1)となって見えす」と記載されており, 使用者の視点Eを基準にして死角を特定することか明記されている。本件発明においては,mm単位ての厳密な視点の特定か要求されているのてはな く,普通の使用者か普通の姿勢て見た場合に隙間か見えないことを要求しているに すきない。洗濯機は,一般的な体型の使用者の通常の使用方法を対象として設計さ れるから,使用者の視点Eは一義的に定まるものてあるし,使用者の視点Eか定ま れは,死角も一義的に定まる。そのような死角内に隙間かととまることか「その上 下の全長より充分に小さな寸法」てある。したかって,「その上下の全長より充分に小さな寸法」とは,一般的な体型の使用者の通常の使用方法における視点において「隙間における接合部か,ハランスリ ンク又はフィルタ部材の陰となって見えなくなる」ものと解釈することかてきる。ウ 接合部に洗濯物か触れないことについて
(ア) 本件発明は,洗濯物か隙間に触れる可能性かあること自体は前提としてお り,フィルタ台等の突出する形状によって,洗濯物か接合部に触れることか少なく なるという効果を奏するものてある。そして,そのような隙間の寸法は当業者か想 定てきるというへきてある。(イ) 「洗濯物か隙間の接合部に触れることかない」という表現は,いかなる洗 濯物ても絶対に接合部に触れることかない(絶対的かつ完璧な非接触)なとという ありえない状態を意味するものてはない。本件明細書(【図1】)のとおり,こく 小さな洗濯物か寸法L2の下隙間の接合部に接触する可能性かあることは自明てあ り,本件明細書(【0016】)は,通常の洗濯において,隙間の接合部には洗濯 物か触れにくいということを意味するにすきない。隙間における接合部か,ハラン スリンク又はフィルタ部材の陰となって見えなくなるような「隙間」においては, 同時に,洗濯物か隙間の接合部に触れることかなくなるという効果を奏する。エ 熱膨張率について
熱膨張率は,との程度の大きさかあれは「隙間」と呼ひ得るかに関する寸法の下 限について問題となり得るものてある。「揚水路形成部材と脱水槽の胴部の熱膨張 率の違いにより特に冷えたときに生してしまう僅かな隙間」は,胴部の大きさや材 料等によって異なり得るか,客観的に計算することは可能てある。原告も,熱膨張 率の違いにより生する隙間の程度は容易かつ客観的に計算てきること自体は認めて いるから,洗濯物か挟まれることのない大きさも客観的に計算可能というへきてあ る。本件発明ては,熱膨張率の違いにより生する隙間の程度より大きく,かつ,洗濯 物か挟まれない程度の大きさの隙間かあらかしめ人為的に形成されれはよいところ, 当業者てあれはその隙間の大きさを想定することは可能てある。「洗濯物か挟まれることのない大きさ」の下限は,mm単位て問題になるものてはない。「隙間なく 取り付けられているにもかかわらす,揚水路形成部材と脱水槽の胴部の熱膨張率の 違いにより特に冷えたときに生してしまう僅かな隙間」とは異なり,「あらかしめ 人為的にある程度の大きさの隙間を設けること」という程度に特定されていれは十 分てある。(3) 以上のとおりてあるから,本件発明の特許請求の範囲の記載は明確性の要件 を充足するというへきてある。第4 当裁判所の判断
1 本件発明について
本件発明の特許請求の範囲は,前記第2の2に記載のとおりてあるところ,本件 発明て,明確性要件充足か問題となっている請求項1の「その上下の全長より充分 に小さな寸法の隙間」は,請求項1から7まて共通てある。本件明細書(甲2)に は,おおむね次の記載かある。(1) 発明の属する技術分野 本件発明は,胴部か金属板から成る洗濯機の脱水槽に関する(【0001】)。
 (2) 従来の技術 近年,洗濯機においては,脱水槽の胴部か,これまてのフラスチックに代わり,ステンレス鋼板なと金属板から作製されたものか供用されている。このものにおい ては,その機械的強度か高く,高回転に耐え得ることから,脱水性能を向上させ得 るという利点を有している(【0002】)。脱水槽の胴部の作製については,金属板を円筒状に曲成し,その両端部をかしめ あるいは溶接によって接合するようになっており,この胴部に,下縁部において底 板か結合され,上縁部においてハランスリンクか装着されている(【0003】)。このように作製された脱水槽においては,槽内を覗く使用者に胴部の接合部か見 え,外観か良くない。また,胴部の接合かかしめによりされているものては,かし めの内側への出張りのため,洗濯物か引っ掛かりやすい。一方,胴部の接合か溶接によりされているものては,溶接時に焼もとし状のテンハーカラーか発生すると, 接合部か変色して目立つようになる。さらに,この溶接による接合部ては,金属板 かステンレス鋼板てあっても錆か発生しやすく,この部分に洗濯物かこすられると, 錆か洗濯物に付着するという問題点を有している(【0004】)。そこて,胴部の接合部を揚水路形成部材て内側から覆うようにしたものか供用さ れている。この揚水路形成部材は,脱水槽内の水を撹拌体のホンフ作用により底部 からハランスリンク部分まて導いて吐出する揚水路を形成するものてあり,底板か らハランスリンクにかけて上下に隙間なく取り付けられている(【0005】)。(3) 発明か解決しようとする課題
揚水路形成部材は一般にフラスチック製てあり,金属板から成る脱水槽の胴部と は熱膨張率か相違する。このため,特に冷えたときの揚水路形成部材の熱収縮量か 脱水槽の胴部のそれより大きく,上部のハランスリンクとの間,及ひ下部の底板と の間にそれそれ隙間を生してしまって,これらの隙間に洗濯物か挟まれてしまい, 傷められる。また,揚水路形成部材はその上部かハランスリンクに嵌合され,下部 か底板に嵌合されるものてあり,これらの嵌合の必要から,組立性も悪いという問 題点を有していた(【0006】)。そこて,本件発明の目的は,胴部の接合部を見えなくし,かつ,その接合部に洗 濯物か触れないようにてきるはかりてなく,洗濯物か挟まれるようになることなく, かつ,組立性を悪くすることもなく達成てきる洗濯の脱水槽を提供することにある (【0007】)。(4) 課題を解決するための手段
上記目的を達成するために,本件発明の洗濯機の脱水槽においては,金属板を円 筒状に曲成しその両端部を接合することにより形成した胴部と,この胴部の下縁部 に結合した底板及ひ胴部の上縁部に装着したハランスリンクとを具備するものてあ って,フィルタ部材を具え,このフィルタ部材か上下の全長て前記胴部の接合部を 内側より覆い,その上下の全長より充分に小さな寸法の隙間を前記ハランスリンク又は底板との間に余すことを特徴とする(【0008】)。
 このような構成により,フィルタ部材て直接胴部の接合部を見えなくてき,かつ,洗濯物からも遮絶てきることに併せ,ハランスリンクからフィルタ部材まての間て は,ここの接合部かハランスリンクの陰となって見えす,フィルタ部材から底板ま ての間ては,ここの接合部かフィルタ部材の陰となって見えなくなる。また,それ ら各間の接合部には,洗濯物かハランスリンクとフィルタ部材及ひフィルタ部材と 底板にそれそれ止められて触れることかなくなる(【0009】)。そして,フィルタ部材か熱収縮しても,これとハランスリンクとの間,又は底板 との間にはもともと隙間かあり,それらか広くなるたけて,洗濯物か挟まれるよう なことはない。さらに,フィルタ部材は,ハランスリンクと底板とに関係なく組み 付けることかてきる(【0010】)。(5) 発明の実施の形態
ア 脱水槽1は,脱水孔9を多数形成するとともに膨出部10,11を形成した ステンレス鋼板等の金属板を円筒状に曲成し,その両端部を「はせかしめ」により 接合する(接合部12)ことによって胴部13を形成している。また,胴部13の 下縁部には,鉢形容器状の底板14をねし15によって結合し,上縁部にハランス リンク17を内側に位置させた状態てねし18によって装着している(別紙【図 5】,【図1】,【0012】)。フィルタ部材8は,フラスチック製のフィルタ台19と,これに揺動可能に取り 付けたフレーム20かフラスチック製のフィルタ21とから成り,そのフィルタ台 19を,ハランスリンク17から寸法L1離し,底板14から寸法L2離した非接 触状態て,上記脱水槽1の胴部13に,接合部(かしめ接合部)12を内側より覆 うように取り付けている(別紙【図2】)。ここて,フィルタ部材8は,上下の全 長て接合部を覆うものてあり,寸法L1及ひ寸法L2は,そのフィルタ部材8の上 下の全長より充分に小さい。したかって,フィルタ部材8は,その上下の全長より 充分に小さな寸法L1,L2の隙間を,ハランスリンク17及ひ底板14との間に余している(別紙【図1】,【0013】)。
イ 前記アの構成により,脱水槽1の胴部13の接合部12は,直接的にはこれを覆ったフィルタ台19(フィルタ部材8)によって見えなくされ,かつ,ハラン スリンク17からフィルタ台19まての間ては,脱水槽1内を覗く使用者の視点E (別紙【図1】)に対し,接合部12かハランスリンク17の陰(死角D1)とな って見えす,フィルタ部材17から底板14まての間ては,接合部12かフィルタ 部材17の陰(死角D2)となって見えなくなる。また,上記各部の接合部12には,洗濯物かハランスリンク17とフィルタ台1 9及ひフィルタ台19と底板14にそれそれ止められて距離を置き,触れることか なくなる(【0016】)。かくして,外観を良くてき,かしめ接合部12の内側凸12a部に洗濯物か引っ 掛かることもなくなる。また,接合部12かその接合をかしめてなく溶接て行って いたとして,接合部12か変色しても,それか目立つことはなく,さらに,その接 合部12に錆か発生しても,洗濯物に錆か付着することかなくなる(【001 7】)。そして,フィルタ台19か熱収縮しても,ハランスリンク17との間,又は底板 14との間にはもともと寸法L1,L2の隙間かあり,それらか広くなるたけて, そこには従来の揚水路形成部材とハランスリンク及ひ底板との間に生したわすかな 隙間のように洗濯物か挟まれることはない(【0018】)。2 明確性要件について
(1) 本件発明1の請求項の記載について 原告は,フィルタ部材の全長より充分に小さな寸法かいかなる技術的意味を有するかは特許請求の範囲の記載からは不明てあり,「充分に」とは比較の基準又は程 度か不明確な表現てあるから,本件発明の特許請求の範囲の記載は殊更に不明確な 表現を用いることによりその技術的範囲を曖昧なものとしており,本件審決も,本 件発明の「隙間」の技術的意義は特許請求の範囲の記載のみては一義的に理解することはてきないとする以上,本件発明の特許請求の範囲の記載か明確性の要件を充 足していないことは明らかてあるなとと主張する。本件発明において,「隙間」とは,胴部の接合部を内側より覆うフィルタ部材に ついて,ハランスリンク又は底板との間に設けられた隙間を意味することは明らか てあるところ,当該「隙間」は,フィルタ部材につき,「その上下の全長より充分 に小さな寸法の」隙間てあり,当該隙間を「ハランスリンク又は底板との間に余す こと」と特定されている。そして,本件発明における「その上下の全長」とは,「フィルタ部材の上下の全 長」を意味することは明らかてあるから,「その上下の全長より充分に小さな寸法 の隙間」とは,「フィルタ部材の上下の全長」より「充分に小さな寸法の隙間」と 特定されていることか明らかてある。したかって,本件発明の「充分に小さな寸法」とは,「フィルタ部材の上下の全 長」を基準とした比較において「充分に小さな寸法」をいうことか明らかてあり, 基準となる長さか明示されている以上,「充分に」なる用語か用いられていること をもって,比較の基準又は程度か不明確てあり,殊更に不明確な表現か用いられて いるということもてきない。したかって,本件発明の特許請求の範囲の記載か直ちに明確性の要件を充足しな いとはいえない。もっとも,特許請求の範囲の記載において特定された「フィルタ部材の上下の全 長」に対して「充分に小さな寸法の隙間をハランスリンク又は底板との間に余す」 構成の技術的意義については,特許請求の範囲の記載からは明らかてはないから, その技術的意義を明らかにするために本件明細書の記載を参酌することは,特定さ れた構成の説明を本件明細書の記載に求めるにすきす,当然に許容される。そこて,以下,本件明細書の記載を参酌して,明確性の要件を検討するか,上記 構成の技術的意義か特許請求の範囲の記載のみては一義的に理解することかてきな いからといって,直ちに明確性の要件を充足しないとはいえないから,この点に関する原告の上記主張は採用することかてきない。
(2) 本件明細書の記載の参酌について
ア 作用効果の記載について
(ア) 本件発明は,「フィルタ部材の上下の全長」に対して「充分に小さな寸法の隙間をハランスリンク又は底板との間に余すこと」を発明特定事項の1つとして おり,本件明細書(【0007】【0009】【0010】)には,これによって 「胴部の接合部を見えなく」し,「その接合部に洗濯物か触れないようにてきるは かりてなく」「洗濯物か挟まれるようになることなく」「組立性を悪くすることも なく達成てきる洗濯の脱水槽を提供する」という効果を奏する発明てあることか開 示されている。したかって,本件発明の「フィルタ部材の上下の全長」に対して「充分に小さな 寸法の隙間」との構成は,上記効果を達成することのてきる技術的意義を有する 「隙間」てあるということかてきる。(イ) 原告は,本件明細書における発明の効果に関する記載から本件発明の構成 を想定することは,解決課題から解決手段を想定することに等しく,解決手段を開 示することによって特許を得るという特許法の論理に反すると主張する。しかしなから,発明の技術的意義は,その構成自体たけてなく,作用等も考慮し て定められるものてあるから,発明の技術的意義や特許請求の範囲に記載された発 明特定事項を検討する際に,明細書の発明の詳細な説明に記載された構成たけては なく,発明の目的,課題及ひ効果を参酌することも当然に許されるのてあって,参 酌する範囲を構成に関する記載に限定する合理的理由はない。
 したかって,原告の上記主張はいすれも採用することかてきない。(ウ) 以上のとおり,本件発明は,「フィルタ部材の上下の全長」に対して「充 分に小さな寸法の隙間」を設けることにより,1「胴部の接合部を見えなく」し (死角の存在),2「その接合部に洗濯物か触れないようにてきるはかりてなく」 「洗濯物か挟まれるようになることなく」(接合部に洗濯物か触れないこと),3「組立性を悪くすることもなく達成てきる洗濯の脱水槽を提供する」(熱膨張率の 相違に基つく変形への対応)との効果を奏するものてある。本件審決も,上記1な いし3の観点から,本件発明の明確性の要件を検討しているものてある。そこて, 以下,上記1ないし3の点について検討する。イ 死角について
(ア) 前記1(5)によれは,本件明細書には,フィルタ部材の上下の全長より「充 分に小さな寸法の隙間」か,脱水槽の上部より「脱水槽内を覗く使用者の視点E」 に対してハランスリンクとフィルタ台の死角となって見えなくなるという技術的意 義か示されており,本件明細書の記載に接した当業者は,当然に上記「隙間」はハ ランスリンクとフィルタ台の死角に入る程度の寸法てあると理解することかてきる ものてある。(イ) ハランスリンクの陰とフィルタ部材の陰は,使用者の視点Eの位置との関 係て変化するものてあるか,本件明細書は,視点Eについて「脱水槽内を覗く使用 者の視点E」としており,本件発明か洗濯機の脱水槽という日常生活家電製品に係 る発明てあることからすれは,当業者は,洗濯機の一般的な用法を前提として, 「脱水槽内を覗く使用者の視点E」とは,脱水槽内の洗濯物を取り出すために覗く 場合の視点を意味するものと理解することかてきる。そして,本件明細書(【図 1】)には,脱水槽内を覗く使用者の視点Eとハランスリンクの陰(死角D1)及 ひフィルタ部材の陰(死角D2)との位置関係か図示されており,当業者は,通常 想定される使用者の平均身長,洗濯物の取り出し動作を前提として脱水槽内を覗く 使用者の視点Eの範囲を設定した上て,ハランスリンクとフィルタ台の死角に入る 程度の寸法の隙間を適宜設定することか可能てあるということかてきる。したかって,本件明細書に接した当業者は,フィルタ部材の上下の全長より充分 に小さな寸法L1,L2とは,通常想定される使用者の平均身長等を前提として設 定される脱水槽内を覗く使用者の視点Eに対し,ハランスリンクの陰(死角D1) となる寸法とフィルタ部材の陰(死角D2)となる寸法よりも小さいことを意味すると理解することか可能てある。
(ウ) 原告は,本件審決は隙間を設ける効果か「実用上支障かない程度」「その程度の効果を奏するもの」てあるとするか,本件審決か認定する上記効果をもって しても,との程度の大きさの隙間てあれは「(フィルタ部材の)全長より充分に小 さな寸法の隙間」に該当するのかを一義的に判断することはてきない,同し人物か 同し洗濯機を使用した場合ても,様々な事情によって視点の位置は変化するから, 「脱水槽内を覗く使用者の視点E」か一義的に定まることはないし,当該視点か一 定の範囲を有する概念てあると理解するとしても,その範囲は明確とはなり得ない なとと主張する。しかしなから,使用者か洗濯物を取り出すために脱水槽内を覗く際における使用 者の視点Eは,使用者の姿勢の変化等に応して移動するものの,洗濯機の通常の用 法からすれは,脱水槽の上部開口に近い高さ(一般的な洗濯機に則して検討すれは, 洗濯機筐体の上部開口に近い高さ)から使用者かほほ直立した状態における高さと いう限られた範囲において移動するにすきない以上,視点Eの位置か変化し得るこ とをもって,2つの死角D1,D2に隠れるフィルタ部材の全長より「充分に小さ な寸法の隙間」を設定することか当業者にとって困難てあるということはてきない。また,本件発明か洗濯機の脱水槽という日常生活家電製品に係る発明てあること からすれは,「実用上支障かない程度」の効果とは,通常想定される洗濯機の動作 において,洗濯機の使用者か操作する際に支障か生しることかない程度の効果を意 味することは明らかてある。以上によると,原告の上記主張はいすれも採用することかてきない。ウ 接合部に洗濯物か触れないことについて
(ア) 前記1(5)によれは,本件明細書には,ハランスリンクからフィルタ台まての間とフィルタ部材から底板まての間に隙間か設けられるか,これらの隙間はフィ ルタ部材の上下の全長より充分に小さいため,ハランスリンクとフィルタ台及ひフ ィルタ台と底板とによって洗濯物か上記各隙間に入り込む状態となるのを止められて,脱水槽の胴部の接合部から距離を置き,触れることかなくなるという技術的意 義か記載されている。当業者は,本件明細書の上記記載から,フィルタ部材の上下 の全長より「充分に小さな寸法の隙間」とは,このような技術的意義を有するもの てあり,「ハランスリンクとフィルタ台及ひフィルタ台と底板とによって洗濯物か 上記各隙間に入り込む状態となるのを止められて,脱水槽の胴部の接合部から距離 を置き,触れることかなくなるその程度の寸法の隙間」てあることを理解すること かてきるものてある。(イ) 原告は,接合部に洗濯物か「触れにくくなるてあろうという程度」との本 件審決の認定自体,極めて不明確てあるのみならす,隙間の接合部に洗濯物か触れ るか否かは,隙間の寸法のみて決せられるものてはなく,フィルタ部材やハランス リンクの形状か大きく影響するか,本件発明の特許請求の範囲の記載において,フ ィルタ部材やハランスリンクの形状を具体的に特定するものてはないし,上記各部 材の形状について当業者に共通認識は存在しない,洗濯物か「触れることか少なく なる」という作用効果を奏するか否かを判断するためには,基準となる対比される へき構成か存在しなけれはならないか,本件明細書には当該構成か明らかにされて いないから,本件明細書の記載を参酌しても,当業者は本件明細書の「触れること か少なくなる」との作用効果を一義的に理解することはてきないなとと主張する。確かに,脱水時に洗濯物か隙間に入り込み,脱水槽の胴部にある接合部に触れた 状態になるか否かは,原告か主張するとおり,フィルタ部材やハランスリンクの形 状及ひ寸法(特に脱水槽半径方向の寸法)によって大きな影響を受けるのみならす, 脱水時に発生し,洗濯物に作用する遠心力によっても影響を受けることは明らかて ある。しかしなから,本件発明は,フィルタ部材やハランスリンクの形状について特定 するものてはないか,洗濯機の脱水槽に係る発明てあるから,脱水槽内に通常との ような洗濯物か投入されるのかについては,当業者か当然に想定し得るものてあっ て,通常想定される洗濯物か上記各隙間に入り込むことかない寸法は,フィルタ部材やハランスリンクの形状を前提として,本件明細書の前記記載を考慮すれは,当 業者か適宜設計可能てあるというへきてある。また,本件発明は,通常想定される脱水操作において,通常想定される洗濯物か 上記各隙間に入り込んて脱水槽の胴部の接合部に触れることかないことを目的とす るものてあるから,通常想定される洗濯物を前提として,洗濯機において通常想定 される脱水動作を行った場合には,洗濯物か脱水槽の胴部の接合部に触れることか ないことを作用効果とするものというへきてある。したかって,本件明細書の記載について,当業者は,通常想定される脱水動作及 ひ通常想定される洗濯物を前提とし,洗濯物か接合部に触れないことを意味するも のと理解した上て,「充分に小さな寸法の隙間」の技術的意義を把握することは可 能てあるということかてきる。以上によると,原告の上記主張は採用することかてきない。
エ 熱膨張率について
(ア) 前記1(3)及ひ(4)によれは,本件明細書には,従来,胴部の接合部を揚水路形成部材て内側から覆うようにしていたか,フラスチック製の揚水路形成部材と 金属板から成る脱水槽の胴部とは熱膨張率か相違することにより,上部のハランス リンクとの間,及ひ下部の底板との間にそれそれ隙間を生してしまって,これらの 隙間に洗濯物か挟まれて傷められるという問題を有していたため,本件発明の洗濯 機の脱水槽においては,脱水槽の胴部の接合部をフィルタ部材て覆うときに,フィ ルタ部材の上下の全長より充分に小さな寸法の隙間をハランスリンク又は底板との 間にあらかしめ形成することて,フィルタ部材か熱収縮しても,これとハランスリ ンクとの間,又は底板との間にもともとある隙間か広くなるたけとなるようにし, そこには洗濯物か挟まれるようなことかないという技術的意義か記載されている。(イ) 原告は,当業者は洗濯物か挟まれないような蓋然性のある大きさかとの程 度てあるかについて想定することはてきないから,そのような隙間は一義的かつ明 確に定義することはてきないなとと主張する。しかしなから,前記ウ(イ)て述へたとおり,洗濯物か挟まれない程度の隙間の寸 法は,洗濯機の脱水槽の形状(特に,隙間を形成するフィルタ部材とハランスリン ク及ひ底板の形状)や洗濯機の脱水時の動作状態によって変わり得ることは当業者 にとって明らかてあるから,洗濯物か挟まれない程度の隙間の寸法は,脱水槽の形 状及ひ動作状態等を前提として,当業者か実験なとにより適宜設定することは可能 てある。そうすると,フィルタ部材の上下の全長より「充分に小さな寸法の隙間」とは, フィルタ部材か熱収縮しても,ハランスリンクとの間,又は底板との間にもともと ある隙間か広くなるたけて,洗濯物か挟まれるようなことかないという技術的意義 を前提として,当業者か上記「隙間」とはそのような技術的意義を有する程度の寸 法を有する隙間てあることを理解することかてきるものてある。
 したかって,原告の上記主張は採用することかてきない。
オ 以上のとおり,本件発明の「フィルタ部材の上下の全長」に対して「充分に 小さな寸法の隙間」を設ける構成については,当業者か,1使用者から胴部の接合 部を見えなくするという死角を存在させるという技術的意義,2その接合部に洗濯 物か触れないようにするという技術的意義,3各部材の熱膨張率の相違か存在して も,隙間に洗濯物か挟まれないようにするという技術的意義を有することを前提と して,適宜設定可能てあるということかてきるから,当該構成は明確てある。3 そうすると,本件発明の特許請求の範囲の記載は,請求項たけてなく,本件 明細書の記載を参酌しても明確性の要件を充足するというへきてあるから,本件審 決の認定及ひ判断は相当てあって,取り消すへき違法はない。第5 結論
以上の次第てあるから,本件審決は相当てあって,原告の請求は理由かないから, これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
 知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官 富田善範
裁判官 田中芳樹
裁判官 荒井章光
(別紙)
【図1】

【図2】
【図5】

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