平成25年11月27日判決言渡 平成25年(行ケ)第10188号 審決取消請求事件 口頭弁論終結日 平成25年11月13日判決 原告X
訴訟代理人弁護士 島 袋 勝 也 同 鈴間淳一 訴訟代理人弁理士 大久保 秀 人 被 告特許庁長官 指定代理人村上照美 同 堀内仁子主文
 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
 事実及ひ理由
第1 請求 特許庁か不服2012-19738号事件について平成25年5月28日にした審決を取り消す。
第2 前提となる事実
1 特許庁における手続の経緯等
原告は,平成23年11月1日,「美ら島」(標準文字)からなり,第29類「乳 製品」,第30類「茶,コーヒー及ひココア」及ひ第32類「清涼飲料,果実飲料」 を指定商品とする商標(以下「本願商標」という。)について商標登録出願をしたか, 平成24年7月4日付けて,拒絶査定を受け,不服審判請求(不服2012-19 738号)をした。特許庁は,平成25年5月28日,本件審判の請求は成り立た ない旨の審決(以下「審決」という。)をし,その謄本は,同年6月7日,原告に送達された。
2 審決の概要 審決の理由は,別紙審決書写に記載のとおりてある。審決は,要するに,「美ら島」は,沖縄を称する語として理解され,本願商標をその指定商品について使用する場 合,これに接する取引者・需要者は,これらの商品か「沖縄県産てあること」又は 「沖縄県産の原材料を用いたものてあること」と理解し,商品の産地又は品質を表 したものとして認識するものてあって,沖縄県産又は沖縄県産の原材料を用いた商 品に用いた場合には商標法3条1項3号に,それ以外の商品に用いた場合には同法 4条1項16号にそれそれ該当するから,登録することかてきないとするものてあ る。第3 取消事由に係る当事者の主張
1 原告の主張
(1) 「美ら島」か沖縄を意味する語てあるとした認定の誤り(取消事由1) 審決は,「『美ら島』の文字か,沖縄を称する(意味する)又は沖縄を形容する言葉として広く用いられ,知られていると認められる。」と認定するか,「美ら島」の 文字か,沖縄を称する又は沖縄を形容する語として広く用いられ,知られていると 認めることはてきない。すなわち,「美ら」(ちゅら)の語は,もともと「清らか,美しい」を意味する形 容詞てある「チュラサン」の語か変化した沖縄の方言てあるにすきす,「美ら島」か 沖縄を意味するものてはない。ウェフサイト上ては,「美ら島」の語か,沖縄以外の 島や地域を表すものとして使用されている例か多数あることに照らすならは(甲2 0ないし33),当該語は,美しい海に囲まれた美しい島,美しい自然か残る島を指 すものと理解される。また,審決か「美ら島」か沖縄を意味する語てあることを示 すとして掲けたウェフサイトの表記についても,その一部は,沖縄を意味する語と しては理解てきない。さらに,辞典類にも「美ら島」又は「ちゅら島」の語か,沖 縄を意味するとの記載はない。以上によれは,「美ら島」は,「美しい島」を意味する語てあり,沖縄を意味する又は沖縄を形容する語として広く用いられ,知られて いるとすることはてきない。(2) 商品の産地又は品質を表示するものとして認識されるとした認定の誤り(取 消事由2)審決は,取引者・需要者は,本願商標を指定商品に使用したときに,本願商標を 商品の産地又は品質を表すものとして認識するとしている。しかし,審決の判断は 「美ら島」の文字か沖縄を意味する又は形容する言葉として広く知られ,用いられ ているとの誤った認定を前提とするのてあるから,これを前提とする判断も誤りて ある。また,仮に,「美ら島」の文字か沖縄を意味する又は形容する語として広く用いら れ,知られているとしたとしても,これをもって本願商標か商品の産地又は品質を 普通に用いられる方法て表示する標章とはいえない。すなわち,「美ら島」の文字は, 沖縄以外の瀬戸内海の島々,奄美大島,沖永良部島,与論島なと「海に囲まれた島」 という共通点以外は何の関連性も見出せない複数の島や地域を表す文字と結合して 使われたり,これらの島や地域を表す文字として「美ら島」の文字それ自体か使わ れている。このことに照らせは,「美ら島」との文字からなる本願商標に接した需要 者は,単に「海に囲まれた美しい島」という抽象的な意味を有する表記てあると理 解し,認識するにととまり,沖縄県産の商品又は沖縄県産の原材料を用いた商品て あると認識することはなく,また,一定範囲の島や地域て生産され,一定範囲の島 や地域の原材料か用いられた商品てあると認識することもない。したかって,「美ら 島」の文字からなる本願商標は,商品の産地又は品質を表示してなる商標てあると 認めることはてきないのてあって,審決の判断は誤っている。(3) 商標法3条1項3号及ひ同法4条1項16号該当性に関する判断の誤り(取 消事由3)審決は,「美ら島」の文字か沖縄を意味する又は沖縄を形容する言葉として広く用 いられ,知られているものと認められること,及ひ「美ら島」の文字からなる本願商標を,指定商品に使用する場合,これに接する取引者,需要者は,商品の産地又 は品質を表したものとして認識すると認定して,本願商標か商標法3条1項3号及 ひ同法4条1項16号に該当すると判断した。しかし,これらの認定は誤りてある から,本願商標か商標法3条1項3号及ひ同法4条1項16号に該当するとした審 決の判断は誤りてある。2 被告の反論
「美ら島」は,沖縄の方言て「美しい島」の意味を有する語てあるか,商品等の 宣伝広告・新聞記事等や,沖縄の地域活性化政策において,「清らかて美しい沖縄の 離島の島々を指す総称」の意味を表わすものとして使用されており,また,沖縄て 開催された各種のイヘント,沖縄についての新聞記事,沖縄の名所の説明や写真と ともに沖縄観光の宣伝広告において,「沖縄」を記述する際に広く使用されているこ とか認められる。そして,本願商標の指定商品を含む,食品を取り扱う分野におい て,テハート等の物産展の新聞記事等に,「美ら島」の文字か,沖縄(県)の物産展 を表示するものとして使用され,あるいは,沖縄産の商品に「美ら島」と表示され ており,当該商品か沖縄産のものてあることを意味している例か見られる。このよ うに,「美ら島」の文字は,「沖縄」を指す表示として,広範な分野において使用さ れている。したかって,本願商標は,これをその指定商品に使用した場合,取引者・需要者 か,「沖縄」を容易に認識し,その商品か沖縄県産のものてあると理解するから,自 他商品の識別標識としての機能を果たさないものとして商標法3条1項3号に該当 すると解すへきてある。また,本願商標から認識される産地てない指定商品に本願 商標を用いることは,品質の誤認を生しさせることになるから,同法4条1項16 号に該当すると解すへきてある。第4 当裁判所の判断
1 認定事実
(1) 「美ら島」の意味
「美ら」は,「ちゅら」と称呼され,沖縄地方の方言ては,「美しい」あるいは「き れい」を意味する。「美ら島」は「ちゅらしま」と称呼され,「美しい島」あるいは 「きれいな島」を意味する。辞書においては,「美ら島」か沖縄を意味する旨の記載 はない。(甲1ないし3)そこて,「美ら島」かとのような語意を有しているかについて,使用例に基ついて 検討する。(2) 「美ら島」との表記の食品分野における使用例 「美ら島」の語か食品分野て使用された例として,次のものかある。ア 2004年(平成16年)3月18日の琉球新報に,「シークヮーサーなとか人気/大阪て『美ら島の元気食品フェア』」の見出しのもと,「沖縄オリシナル商品 を提案する『美ら島フラント創出推進事業』・・・として,沖縄特産品フェア『美ら 島の元気食品フェア』を・・・開いた。」との記載かある(乙5)。イ 2005年(平成17年)2月10日の西日本新聞に,「美ら島フラント売り 込め 沖縄物産フェア開幕 福岡市て15日まて」の見出しのもと,「沖縄県の新し い特産品つくりを目指し・・・『沖縄物産フェア』か・・・始まった。」との記載か ある(乙6)。ウ 2005年(平成17年)3月9日の朝日新聞に,「美ら島(ちゅらしま)の 元気食品フェア・・・沖縄産の素材を使ったシュースやお菓子なと約100点を集 める。」との記載かある(乙7)。エ 2007年(平成19年)11月30日の琉球新報に,「“美ら島”特産品
 8 00点か一堂に/離島フェア開幕/コンヘンション」の見出しのもと,「県内離島の 魅力を満載した『離島フェア二〇〇七』・・・か,・・・開幕した。・・・今年は『美 (ちゅ)ら島からの贈り物』をキャッチフレースに,・・・十八離島市町村から・・・ 自慢の品か並んた。」との記載かある(乙8)。オ 2011年(平成23年)4月14日の中日新聞に,「『沖縄フェスティハ ル』。・・・美ら島(ちゅらしま)のこ当地クルメ。・・・」との記載かある(乙9)。カ 2011年(平成23年)6月9日の熊本日日新聞に,「・・・ココストアか 沖縄フェア」の見出しのもと,「『沖縄めんそーれ市』を,・・・始めた。・・・ハイ ナッフルなとか当たる『美ら島(ちゅらしま)の厳選食材フレセント』もある。」と の記載かある(乙10)。キ 株式会社京王百貨店のウェフサイトに,「沖縄展」の見出しのもと,「美ら島 の恵みたっふり・・・」の記載かある(乙11)。ク 通信販売会社のウェフサイトに,「美ら島(沖縄県産)あくー豚そほろふりか け」の見出しのもと,商品の包装表面に「美ら島【沖縄県産】」との文字か表示され (乙12),「シャハンソルト 美ら島の黒糖 300g」の見出しのもと,「製品の 特徴:・・・沖縄各島産のサトウキヒを・・・」及ひ「商品紹介 沖縄産の黒糖の み・・・」の記載(乙13)かあり,「当店は,南国の強い日差しと土壌等にめくま れた沖縄の風土て育まれた,ウコンやクァハ,月桃,シークヮ―サー,きんねむ他, また沖縄て昔から愛飲されてきた健康茶等,沖縄(美ら島)の恵みをお届けしてい ます。」との記載(乙2)かある。ケ 株式会社ヤマサンのウェフサイトに,「美ら島 くろみつ 280g・・・沖 縄産のさとうきひから取れた原料・・・沖縄産100%の黒蜜てす」及ひ「美ら島 しょうかくろみつ 270g・・・沖縄産のさとうきひ100%の原料・・・」な との記載かあり,商品の包装表面に,「沖縄産・黒糖使用」と表示されている(乙1 4)。コ 株式会社糸満市物産センターのウェフサイトに,「沖縄 美ら島もすく佃煮」 の見出しのもと,「沖縄のサンサンと輝く太陽と美しいサンコ礁の海て育つ海の幸, 『もすく』をたっふり使った佃煮てす。」の記載かあり,商品の包装表面には,「沖 縄」,「美ら島もすく」と表示されている(乙15)。サ 株式会社イハノのウェフサイトにおいて,「美ら島シリース『ウコン』」の商 品について,「沖縄県産の豚肉と秋ウコンを使用したウインナーてす。」,「美ら島シ リース『アーサ』」の商品について,「沖縄のアーサを使ったソーセーシてす。」なとの記載かある(乙16)。
シ 株式会社伊藤園のウェフサイトには,「沖縄さんひん茶」とのタイトルのもとに,「・・・美ら島(ちゅらしま)と呼はれる沖縄の美しさを・・・」との記載かあ る(甲39)。アサヒ飲料株式会社のウェフサイトには,「『三ツ矢サイター』+『こ たわりの国産果実』シリース第4弾」「『三ツ矢美ら島(ちゅらしま)ハインPET 500ml』新発売」のタイトルのもと,「・・・ネーミンクは,ハインアッフル果 汁の産地てある沖縄の呼ひ名てある“美ら島(ちゅらしま)”と果実のハインを重ね, 『美ら島ハイン』といたしました。」との記載かある(甲41)。(3) 「美ら島」との表記の食品以外の分野における使用例
「美ら島」との語か,食品分野以外の分野て使用された例として,次のものかあ る。ア 1992年(平成4年)5月10日の読売新聞に,「[美ら島は今]沖縄復帰 20年(1)『本土並み』から自立模索(連載)」の見出し記事をはしめ,5回にわ たり,沖縄復帰20年について,また,2001年(平成13年)8月6日の毎日 新聞に,「[美ら島は今]沖縄の自然 輪禍に遭うイリオモテヤマネコ,人里と重な る行動範囲」の見出し記事をはしめ,4回にわたり,沖縄の自然について,それそ れ,連載かされている(乙17の1ないし3)。2012年(平成24年)5月13 日の熊本日日新聞に,「美(ちゅ)ら島(しま)の今・沖縄復帰40年(1) =復 帰っ子,歴史重ねて 米軍基地に複雑な思いも [連載] 美ら島の今」との見出 しの記事か掲載された(乙4)。2012年(平成24年)5月22日の中国新聞に, 「新琉球考 復帰40年 うつろう美ら島<1>八重山地方」の見出し記事をはし め,復帰40年の沖縄について,「新琉球考 復帰40年 うつろう美ら島」の見出 しのもと,6回にわたり,連載されている(乙25の 1・2)。イ 2011年(平成23年)1月6日の朝日新聞に,「(社説)沖縄の交通 美 ら島に鉄路かのひれは」とタイトルのもと,「・・・沖縄の人たちは郷土を美(ちゅ) ら島(しま)と呼んて愛する。・・・」との記事か掲載された(乙3)。2004年(平成16年)11月28日の琉球新報に,「沖縄も『美ら島(ちゅらしま)』と言 われている。」との記載かある(乙19)。2007年(平成19年)7月3日の琉 球新報に,「県産品愛用呼ひ掛け/奨励月間開始てハレート」の見出しのもと,「『美 ら島生まれキラリ輝く県産品』をテーマに県産品奨励月間か始まった。」との記載か ある(乙22)。2009年(平成21年)7月27日の琉球新報に,「<美ら島総 体>私たちも応援団」の見出しのもと,「・・・選手たちの舞台『美ら島』て大会成 功へ若い力か大きな役割を果たしている。」との記載かある(乙23)。2012年 (平成24年)1月11日の琉球新報に,「23日から美ら島サッカーキャンフ/J 5球団なと沖縄集結」の見出しのもと,「『美ら島サッカーキャンフ2012』開催 を発表した。」との記載かある(乙24)。2004年(平成16年)12月19日 の西日本新聞に,「サンテー特報=美ら島特産品 創出盛ん 沖縄県かフラント化戦 略・・・」の見出しのもと,「美(ちゅ)ら島特産品 創出盛ん ・・・沖縄県かフ ラント化戦略に向けて動き始めた。・・・」との記載かある(乙20)。2013年 (平成25年)4月1日の琉球新報に,「・・・美ら島チャレンシトライアスロン」 の見出しのもと,「『2013美ら島チャレンシトライアスロンin豊崎』・・・か,・・・ 開催され」との記載かある(乙26)。ウ 2004年(平成16年)7月16日の金融専門紙ニッキンに,「A・日銀審 議役か「美ら島沖縄大使に」,“三線”はフロの腕前」の見出しのもと,「『美ら島』 とは沖縄のこと。」との記載かある(乙18)。2005年(平成17年)7月7日 の FujiSankei Business i.に,「・・・人気呼ふ『美ら島(ちゅらしま)』ライフ」 との見出しのもと,「『美ら島(ちゅらしま)』をこ存したろうか?・・・『美ら(ち ゅら)』とは沖縄て美しいことを意味する。つまり,『美ら島』とは美しい島々のこ とて,二十三市町村約四十ある沖縄の離島の総称た。」との記載かある(乙21)。エ 「マッフルマカシン 沖縄へてかけよう」(2009年(平成21年)5月1 5日発行 昭文社刊)の表紙最上部に「厳選 美ら島ハーフェクトカイト」との記 載かあり,また,沖縄県の地図に「美ら島MAP」と表示されている部分や「美ら島の宝をめくる物語」との記載かある(乙27)。
オ 旅行代理店等のウェフサイトには,沖縄旅行に関連して,「美ら島終日観光ハスツアー」(乙30),「人気No.1!美ら島観光ハスツアー<那覇発/1日/本島 北部観光>」(乙31),「【那覇発】美ら島終日観光ハスツアー」(乙32),「人気ス ホットめくり・美ら島終日観光ハスツアー」(乙33),「美ら島観光ハスフランて行 く沖縄大満足の旅3日間」(乙34),「第7弾 美ら島フォトコンテスト!」(乙3 5の1及ひ2),「美ら島沖縄・離島」(甲11),「添乗員同行 美ら島沖縄」(甲1 7),「魅惑の美ら島 南の島の素敵な休日 OKINAWA」(甲37)等の記載か ある。カ 参議院のウェフサイトにおける「調査室作成資料」中,「立法と調査
 281 号(平成20年5月14日)」において,「沖縄における地域フラント育成の現状と 課題」の見出しのもと,「3.地域フラント育成の現状 (1)国,沖縄県による地 域フラント育成の取組 ア 美ら島会議・美ら島フラント委員会・美ら島フラント 検討会議」の欄に,「平成16年5月,内閣府に『美ら島会議』か設置され,沖縄県 等と協議しなから離島地域の活性化策の検討か進められている。」との記載かあり, 「『美ら島』とは,清らかて美しい沖縄の離島の島々を指す総称として用いられてい る。」との脚注かある(乙28)。キ 参議院議員・島尻あい子(島尻安伊子)のウェフサイトに,「自民党美ら島議 員連盟 発足」のタイトルのもと,「沖縄を応援する自民党議員連盟『美ら議連』を 発足しました。」との記載かある(甲40)。ク 財団法人沖縄県産業振興公社のウェフサイトに「OKINAWA INNO VATION 2007-2010年度 沖縄イノヘーション創出事業 美ら島か ら新製品・新サーヒスを」との小冊子か掲載されている(乙29)。沖縄美ら島財団 のウェフサイトには,財団理事長のあいさつの中に,「・・・沖縄の自然・文化・歴 史なと魅力あふれる『美ら島』の輝きを,世界の人々へ,・・・」との記載かある(甲 38)。ケ 沖縄県のウェフサイトには,「緑の美ら島つくり行動計画~緑の美ら島の創生 をめさして~」とのハンフレットか掲載され(甲34,弁論の全趣旨),「沖縄21 世紀ヒション ~ みんなて創る みんなの美ら島 未来のおきなわ~」との記載 (甲35),「平成15年度美ら島フラント創出推進事業『沖縄特産品実態調査等事 業』報告書」との記載(甲36),沖縄県広報誌「美ら島沖縄」との記載(甲4), 「美ら島沖縄大使制度」との記載(甲5),「“美ら島沖縄”風景つくり計画(沖縄県 景観形成基本計画)」との記載(甲6),「美ら島沖縄風景つくりNews」との記載 (甲7),「“美ら島沖縄”風景つくりのためのカイトライン」との記載(甲8)かあ る。コ また,「ちゅら」との語か,沖縄方言てあることは,沖縄を舞台としたNHK 連続トラマのタイトル「ちゅらさん」(乙21)や,世界最大級の大水槽を有するこ とて知られる「沖縄美ら海水族館」(乙37)等により広くに知られており,「美ら 島」との語も,一般に沖縄を連想させる語として,知られているといえる。(4) 「美ら島」との表記の沖縄以外に関連した使用例 「美ら島」との語か,沖縄以外に関連して使用された例として,次のものかある。ア 「瀬戸の島しま島の猫」と題するウェフサイトには,「フォトストーリー美ら 島」,「美ら島の島の散歩情報」との記載かあり,瀬戸内海の島を指す趣旨て,「美ら 島」との語か用いられている。(甲20の1・2,21の1・2,22の1・2)イ 「るるふ九州の島々」(2013年(平成25年)5月11日刊行,JTBハ フリッシンク)ては,奄美大島について「美ら島感動ヒュートライフ」との記載か ある(甲23)。また,旅行代理店等のウェフサイトては,奄美大島について「夏の 美ら島奄夏スヘシャルin奄美大島」との表記(甲24),「美ら島リソート奄美大 島」との表記(甲25),「亜熱帯の美ら島奄美大島」との表記(甲26)かある。
 BS釣りヒションのウェフサイトには,奄美大島を指して「奄美時間て過こそう! いも~れ美ら島釣行記」との表記かある(甲29)。音楽アルハムのタイトルの中に は,奄美大島を指す趣旨て,「美ら島」との語か使われている例かある(甲31)。ウ 鹿児島県警察のウェフサイトては,沖永良部島を指して,美ら島という語を 使用していると理解てきる記載かある(甲27,28)。また,料理店の名前(甲3 0の1・2),サッカー大会の名前(甲32)ても,美ら島との語か沖永良部島を指 す趣旨て使われている例かある。エ 美ら島との語は,与論島を指す趣旨て使われている例かある(甲33の1な いし3)。2 判断
(1) 取消事由1(「美ら島」か沖縄を意味する語てあるとした認定の誤り)につ いてア 原告は,「美ら島」の文字か沖縄を称する又は沖縄を形容する語として広く用 いられている旨の審決の認定は誤りてあると主張する。しかし,原告の上記主張は,以下のとおり採用てきない。すなわち,「美ら島」は,沖縄の方言て「美しい島」を意味する語てあるか,食品等を中心 とする商品等の宣伝広告及ひ紹介記事において,商品の原産地等か「沖縄」てある ことを指すものとして,「美ら島」か使用される例か数多く存在すること,また,各 種記念行事,時事の報道,特産品,観光名所を報道・紹介等する新聞記事等におい て,「美ら島」か「沖縄」の県名ないし地域を指すものして使用される例も数多く存 在すること等から,「美ら島」は,「沖縄」の県名ないし地域を指す語として,広く 認識されるに至ったということかてきる。そうすると,「美ら島」との本願商標に接した取引者・需要者は,本願商標を沖縄 を意味するものと理解すると解するのか相当てある。イ この点に関して,原告は,「美ら島」の文字か,沖縄以外の島や地域を表す意 図て使用されている例か多数ある,あるいは,辞典類にも「美ら島」又は「ちゅら 島」との語か沖縄を意味する語てあるとの記載はない等と主張する。「美ら島」との 語か,沖縄県に属さない南西諸島の島や瀬戸内海の島を指す趣旨て用いられた例か あることは,前記1(4)のとおりてあるか,沖縄を指す趣旨て用いられている例と比較すれは,その数も少なく,例外的な用法てあり,本願商標の指定商品の取引者・ 需要者の認識を左右するものとはいえない。また,辞書に「美ら島」か沖縄てある 旨の記載かないとしても,「美ら島」か沖縄を意味するものと理解する妨けになるも のてはない。以上によれは,取消事由1に係る原告の主張は採用の限りてはない。(2) 取消事由2(商品の産地又は品質を表示するものとして認識されるとした認 定の誤り)について原告は,「美ら島」の文字か沖縄を意味するとしても,本願商標に接した取引者・ 需要者は「,海に囲まれた美しい島」という抽象的な意味を有する表記として理解し, 認識するにととまり,沖縄県産の商品又は沖縄県産の原材料を用いた商品てあると 認識てきない等と主張する。しかし,原告の上記主張も,採用の限りてない。
 「美ら島」との表記に接した本願商標の指定商品の取引者・需要者か,「沖縄」を意味するものと理解することは前記のとおりてあって,単に「海に囲まれた美しい 島」という抽象的な意味を有する表記てあると理解するものてはない。そして,取引者・需要者か,本願商標「美ら島」に接すれは,当該商品の産地, 販売,原材料等を記述するものと,認識,理解すると解するのか相当てある。した かって,本願商標は,商品の産地又は品質を表示するものとして認識されるとした 審決の判断に誤りはなく,この点に関する原告の主張は採用の限りてはない。(3) 取消事由3(商標法3条1項3号及ひ同法4条1項16号該当性に関する判 断の誤り)について本願商標は,これをその指定商品に使用した場合,取引者・需要者か,「沖縄」を 容易に認識し,その商品か沖縄県産のものてあることを理解することから,自他商 品の識別標識としての機能を果たさす商標法3条1項3号に該当すると判断するの か相当てある。また,本願商標から認識される産地てない指定商品に本願商標を用 いることは,品質の誤認を生しさせることになるから,同法4条1項16号に該当すると判断するのか相当てある。 本願商標は,商標法3条1項3号及ひ同法4条1項16号に該当するとした審決の判断に誤りはない。
3 まとめ 以上のとおり,審決に原告の主張に係る違法はない。原告はその他縷々主張するかいすれも採用の限りてはない。よって,原告の請求を棄却することとして主文の とおり判決する。知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官
裁判官
裁判官
飯村敏明
八木貴美子
小田真治
13
判例本文

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