平成25年11月7日判言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成23年(ワ)第37319号 損害賠償等請求事件 口頭弁論の終結の日 平成25年9月5日判 東京都国立市<以下略>
旧名称財団法人生長の家社会事業団 原 告 公益財団法人生長の家社会事業団 同訴訟代理人弁護士 内 田 智東京都港区<以下略>
被 告 財団法人世界聖典普及協会 同訴訟代理人弁護士 脇 田 輝 次主文
1 被告は,別紙物件目録記載第2のコンハクト・ティスクに表記さ れた「C,D,2006」の表示を削除せよ。2 原告のその余の請求をいすれも棄却する。
 3 訴訟費用は原告の負担とする。事実及ひ理由
第1 請求
1(1) 主位的請求
被告は,原告に対し,2098万8000円及ひ別紙請求金額目録の番号 1ないし251の「請求金額」記載の各金額に対する「遅延損害金始期」の 日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。(2) 予備的請求
ア(ア) 被告は,別紙物件目録記載第1の各カセットテーフを頒布してはならない。
(イ) 被告は,(ア)の各カセットテーフを廃棄せよ。
(ウ) 被告は,原告に対し,2450万円及ひこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。
 又は,イ 被告は,原告に対し,2250万円及ひこれに対する訴状送達の日の翌 日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。2 主文第1項と同旨 第2 事案の概要
本件は,原告か,被告に対し,(1) 被告によるカセットテーフの複製,頒布 について,主位的に,著作権使用契約に基つき,昭和61年8月から平成23 年10月まての印税合計2098万8000円及ひ各印税に対する支払時期 の翌日から支払済みまて民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払,予 備的に,原告の著作物の著作権を侵害するとして,著作権法112条に基つき, カセットテーフの頒布の差止及ひその廃棄並ひに不法行為による損害賠償請 求権に基つき,平成23年10月まてに受けた損害2250万円,弁護士費用 相当損害金200万円合計2450万円及ひこれに対する訴状送達の日の翌 日から支払済みまて民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払,又は, 被告か法律上の原因なく利得し,そのために原告に損失を及ほしたとして,不 当利得返還請求権に基つき,平成23年10月まての被告の利得2250万円 及ひこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまて民法所定の年5分の 割合による遅延損害金の支払を求め,(2) 被告によるコンハクト・ティスク の販売について,表示か著作権使用契約により定められたものと異なるとし て,同契約に基つき,その表示(訴状別紙「表示」に「1986」とあるのは,そ の趣旨に照らして,「2006」の誤記と認める。)の削除を求める事案てある。1 前提事実(当事者間に争いのない事実並ひに各項末尾掲記の証拠及ひ弁論の 全趣旨により認められる事実)(1) 原告は,宗教的信念に基つき諸種の社会事情による困窮家庭の援護,これ に伴う社会福祉施設の経営,その他社会情勢の変遷に応して社会の福利を図 るために文化科学的研究の助成又は社会事業を営む世界各国団体との親善提 携等により社会厚生事業並ひに社会文化事業の発展強化を図ることを目的と して,昭和21年1月8日に成立した財団法人てあり,平成24年4月1日, 行政庁の認定を受けて公益財団法人に移行した。被告は,宗教聖典及ひ「生長の家」教義に関する書籍等の頒布に関する事 業を行うことを目的として,昭和26年5月25日に成立した財団法人てあ る。(2) Aは,(ア)「聖経 甘露の法雨」を著述して昭和11年2月1日これを公 表し,(イ)「聖経 天使の言葉」を著述して昭和23年12月10日これを 公 表 し , ( ウ ) 「 聖 経 續 々 甘 露 の 法 雨 」( 以 下 ,「 聖 経 甘 露 の 法 雨 」 及 ひ 「 聖 経 天使の言葉」と併せて「本件原著作物」という。)を著述して昭和25年 12月20日これを公表した。(3) Aは,昭和60年6月17日に死亡した。同人の相続人は,妻B,子C及 ひ同Dてあった。(4)ア 被告は,昭和59年6月28日,Aとの間て,同人か被告に対し「聖経 甘露の法雨」を録音物として複製,頒布することを許諾し,被告か同人に 対し印税として定価の20%を支払うことを内容とする著作権使用契約を 締結し,「聖経 甘露の法雨」を原著作物としてEか口述した著作物をカセ ットテーフに複製して,同年8月からこれを頒布し,A及ひその相続人ら に対し印税を支払ってきた。イ 被告は,「聖経 天使の言葉」を原著作物としてEか口述した著作物をカ セットテーフに複製して,昭和60年8月11日からこれを頒布し,同年 11月11日,Aの相続人代表てあるCとの間て,同人か被告に対し「聖 経 天使の言葉」を録音物として複製,頒布することを許諾し,被告か同人に対し印税として定価の20%を支払うことを内容とする著作権使用契約を締結して,Aの相続人らに対し印税を支払ってきた。
ウ 被告は,昭和61年8月13日,Aの相続人代表てあるCとの間て,同 人か被告に対し「聖経 續々甘露の法雨」を録音物として複製,頒布する ことを許諾し,被告か同人に対し印税として定価の20%を支払うことを 内容とする著作権使用契約を締結し,「聖経 續々甘露の法雨」を原著作物としてEか口述した著作物をカセットテーフ(以下,「聖経 甘露の法雨」 及ひ「聖経 天使の言葉」を複製したカセットテーフと併せて「本件カセ ットテーフ」という。)に複製して,同年8月からこれを頒布し,Aの相続 人らに対し印税を支払ってきた。(乙1ないし3)
(5) 原被告間には,原告を権利者,被告を使用者としてそれそれの記名押印のある昭和61年8月6日付け「著作権使用契約書」の写し2通(甲51,5 2。以下「本件契約書写」という。)かあり,これには,本件原著作物につい て,原告を甲とし,被告を乙として,次の記載かある。ア 2条(使用の許諾)
「甲(…)は,表記の著者名及ひ題名をもって表示せられる著作物(…) を録音物として複製・頒布するために,乙(…)に対し,この契約の条 項に従って,表記の著作物を使用することを許諾する。」イ 5条(製造,販売) 「使用者は,著作物をカセットテーフその他の体裁の録音物として,複製し,国の内外を問わす,頒布することかてきる。
 前項の複製物の製造数量・販売価格・表装及ひ販売・宣伝の方法等は, 使用者か適宜に定めるものとする。」ウ 7条(印税の支払) 「使用者は,権利者に対し,録音物の定価の10ハーセントを印税として,4
支払う。
 印税の計算は,録音物製品の製作された月の翌月末ことに,計算報告書 を作成提出すると共に,権利者の指定銀行口座へ振込む方法をとるもの と す る 。」(甲51,52)
(6) 原告は,平成18年8月11日,被告との間て,原告か被告に対し「聖経 甘露の法雨」をコンハクト・ティスクとして複製,頒布することを許諾 し,被告か原告に対し印税として税抜価格の10%を支払うことを内容とす る著作物使用契約を締結した(以下「著作物使用契約(CD)」という。)。
 これにつき作成された「著作物使用(複製・頒布)契約書」10条(表示) には,原告を甲とし,被告を乙として,次の記載かある。 「乙は,万国著作権条約加盟の方式国に於いて甲の権利を保全するため,同条約第3条に基つき所定の位置(ハッケーシ等)に記号,甲の名称(財 団法人生長の家社会事業団 又は,Seicho-No-Ie Shakaijigyodan),第一 発行年を一体として表示する。」(甲9)
(7) 被告は,「聖経 甘露の法雨」を原著作物としてEか口述した著作物をコンハクト・ティスク(以下「本件CD」という。)に複製して,頒布したか, そのハッケーシには,表示として次の記載かある。
 「Seicho-No-Ie-Shakai-jigyodan,2006C,D,2006」 (甲23)
2 争点
(1) 原告かAから本件原著作物の著作権の譲渡を受けたか。
(2) 原被告間に本件契約書写に記載された内容の著作権使用契約か成立したか。
(3) 被告による本件カセットテーフの複製,頒布か原告の本件原著作物の著 作権を侵害するか,すなわち,原告か被告に対し本件カセットテーフの複製, 頒布を許諾したか。(4) 被告か本件カセットテーフの複製,頒布により法律上の原因なくして印 税に相当する額を利得したか。(5) 本件CDの表示か著作物使用契約(CD)に違反するか。
 第3 当裁判所の判断1 原告かAから本件原著作物の著作権の譲渡を受けたかについて(1) 前記前提事実に,証拠(甲2ないし4,7,8,11の2,12の3, 13の3,38ないし41)及ひ弁論の全趣旨を総合すれは,Aは,原告の 設立を目的とする寄附行為て,資産に関し,5条て「本団ノ資産ハ左ニ掲ク ルモノヨリ成ル」とし,「一 基本資産」の一つとして「ニ A著作「生命 の實相」ノ著作権」と定め,原告宛の昭和22年8月1日付け「證書」に おいて,「生命の實相」の著作権を昭和21年1月8日原告に寄附行為した ことを証する旨記載したこと,「生命の實相」に「聖経 甘露の法雨」か 収録されているところ,「聖経 天使の言葉」は,「聖経 甘露の法雨」か一度に唱えるためには長すきることから,その一部を独立させたものてあり, 「聖経 續々甘露の法雨」は,「聖経 甘露の法雨」の続編てあること,原 告は昭和63年3月22日,Aの相続人の代表行使者てあるCとの間て,A から原告に対し,昭和21年1月8日に「聖経 甘露の法雨」の著作権か, 昭和23年12月10日に「聖経 天使の言葉」の著作権か,昭和25年1 2月20日に「聖経 續々甘露の法雨」の著作権かそれそれ譲渡されたこと を確認し,昭和63年4月27日,本件原著作物について,B,C及ひDか ら原告に対する著作権の譲渡の登録か経由されたこと,原告か公益財団法人 に移行する前に施行されていた寄附行為(平成元年3月30日変更後のも の)は,資産に関し,5条て「本団の資産は左に掲くるものより成る。」とし,「二 A著「生命の實相」等の著作権」と定めていること,以上の事実 か認められる。上記認定の事実によれは,Aは,原告の設立に当たり,「生命の實相」の著 作権を,これに関連する「聖経 甘露の法雨」の著作権とともに譲渡し,さ らに,「聖経 天使の言葉」及ひ「聖経 續々甘露の法雨」について,それそ れこれを公表した際にその著作権を原告に譲渡したものと認められる。そうてあるから,「聖経 甘露の法雨」の著作権は,原告の設立の許可かあ った昭和21年1月8日に,「聖経 天使の言葉」の著作権は,これか公表さ れた昭和23年12月10日に,「聖経 続々甘露の法雨」の著作権は,これ か公表された昭和25年12月20日にそれそれ原告に帰属したということ かてきる。(2) 被告は,Aは,設立趣意書において,「恒久的流動資産として,「生命の 實相」の著作権収入を寄附行為す。」と記述し,また,昭和37年5月発行 の「生命の實相」頭注版第1巻(乙20)の序文昭和45年3月発行の月 刊誌「生長の家」(乙21)の論文において,「生命の實相」同人の著書全 部の印税収入を原告に寄附したと記述しているから,同人は,著作物の印税 収入を原告に譲渡したにととまると主張するか,同人は,寄附行為て,基本 財産の一つとして「生命の實相」の著作権を挙け,また,証拠(甲39)に よれは,同人は,上記寄附行為て,5条て「二 流動資産」の一つとして「ロ 基本資産ヨリ生スル収入」と定め,7条て「基本資産ハ社曾環境ノ自然的変 化ニヨル減價滅失等ニヨルホカ人為的ニハ消費又ハ消滅セシムルコトヲ得 ス」(2項)と定めていることか認められるから,これらの寄附行為の定め に照らせは,設立趣意書序文等か著作権収入のみを寄附行為したとの趣旨 て記述されたとは考え難い。被告の上記主張は,採用することかてきない。また,被告は,昭和60年12月に作成されたAの遺産目録(乙4)にお い て ,「 録 音 テ ー フ 」 の 中 に 「 聖 経 甘 露 の 法 雨 」,「 そ の 他 被 相 続 人 を 著 作 者 とする一切の言語の著作物」との記載かあるから,本件原著作物を録音したも のの複製権頒布権はAに留保されたと主張するか,これらの権利かAに留 保されていたことを認めるに足りる的確な証拠はないし,遺産目録かとのよ うな経緯て作成されたものてあるかからかてないから,遺産目録の記載の みをもって,複製権頒布権かAに留保されたことを認めることはてきない。 被告の上記主張は,採用することかてきない。2 原被告間に本件契約書写に記載された内容の著作権使用契約か成立したか について(1) 本件契約書写は,複写機により複製されたものてあって,その体裁に照 らして元となった原本かあると考えられるから,特段の事情かない限り,こ れに記載された内容の著作権使用契約か成立したものと認められるへきて ある。(2) ところて,前記前提事実に,証拠(甲7,8,16,17,18ないし 22,35,43,48ないし50,乙5の1ないし16の2,27)及ひ 弁論の全趣旨を総合すれは,以下の事実か認められる。ア 「生長の家」は,Aか昭和5年に創始した宗教て,昭和24年7月31日に宗教法人生長の家教団(変更後の名称宗教法人生長の家。以下「生長の家」という。)か成立した。
イ 生長の家ては,昭和61年3月14日に開催された常任理事会において「お守り「甘露の法雨」(仏語訳)の発行について」の議題を審議した際, 「甘露の法雨」の著作権者等か不確てあったためにこれを確にした後 に再審議することとし,担当部局かF弁護士に対し,前記前提事実(4)ア の著作権使用契約につき作成された昭和59年6月28日付け著作権使 用(複製・頒布)契約書(乙1)その他関係書類を添えて,「甘露の法雨」 の著作権者についての鑑定を依頼した。F弁護士は,昭和61年7月5日 付けて,鑑定結果として,「著作権法第27条およひ同第28条に規定する権利を含めて,財団法人生長の家社会事業団に帰属するものと思料しま す。」と記載した鑑定書(甲16)を提出し,同月25日付けて,上記著 作権使用契約か無効のものてあるとして,「早急に同社会事業団と財団法 人世界聖典普及協会との間において録音物による複製・頒布に関する著作 権使用許諾契約を新規に締結するへきてあると考えます。たたし財団法人 世界聖典普及協会との間の頭書著作権使用許諾契約は,著作権全部か同社 会事業団に帰属していることについて関係者の認識か十分てなく,かつ同 社会事業団もこれを看過していたことにより締結されたものてある等の 諸事情を考慮し,同社会事業団としては,既発行分の印税については償還 を免除し,同社会事業団において新規契約締結時以降の印税の支払を受け るものとするのか妥当てあると思料します。」と記載した意見書(甲17) を提出した。ウ 生長の家は,昭和61年7月29日に開催された常任理事会において, 「「甘露の法雨」の帰属者と,お守り「甘露の法雨」(仏語訳)の発行につ いて」の議案を審議して,外国語に翻訳された「甘露の法雨」を宗教上の 授与品として調製,下附するために著作権者てある原告及ひ出版権者てあ る株式会社日本教文社から著作権及ひ出版権の無償使用許諾を受けるこ とを可し,これに関連して,Aの著作物の著作権の帰属と印税等の諸問 題について,さらに専門家の意見を聞くことを確認し,生長の家,原告, 日本教文社及ひ被告の4者て協議することを生長の家理事長か勧告する こととし,また,「続々甘露の法雨」のカセットテーフの著作権の帰属か 問題になったのて被告にこれを伝え善処してもらうこととした。エ 原被告間て,昭和61年8月4日ころ,契約期間印税欄か空白の著作 権使用契約書(甲49,50はその写)か作成され,さらに,同月6日付 けて本件契約書写の元となる原本か作成された。オ 生長の家は,昭和63年4月19日に開催された常任理事会において, 9「財団法人「生長の家社会事業団」に帰属している著作権の管理について」 の議案を審議し,「生命の實相」聖経は文書伝道の神髄ともいうへき著 作物て,これらの管理は原告よりも生長の家か行うへき性質のものてある として,本件原著作物その他について,原告か1点すつ管理することを生 長の家に委託する形態にすることを可した。カ 生長の家は,平成9年7月22日から平成11年8月16日まてに開催 された常任理事会において,12回にわたり,本件カセットテーフを含む 被告の録音テーフ製品の複製製作についての議案を審議し,これを可し た。キ 原告は,平成18年ころから,被告との間て,被告による本件カセット テーフの複製,頒布について交渉し,平成20年には,被告に対し,印税 の支払を含む著作物使用契約の締結を求めたか,調印には至らなかった。(3) 上記(2)認定の事実によれは,昭和61年8月ころは,本件原著作物を含 むAの著作物の著作権の帰属印税等の扱いか,生長の家原被告において 確にされていなかったことか認められる。そして,原被告ともに本件契約 書写の元となる原本を所持していないこと,本件契約書写及ひその原本か作 成された経緯をらかにする証拠か全くないこと,被告か同月13日にCと の間て「聖経 續々甘露の法雨」について著作権使用契約を締結したこと, 被告の原告に対する印税の支払かなく,原告も本件契約書写を提出するまて は被告に対して印税の支払を求めていないこと,原告か平成18年ころから 被告との間て改めて本件カセットテーフの複製,頒布について交渉している ことを併せ考慮すれは,本件契約書写かあり,元となった原本か真正に作成 されたものてあると認められるとしても,本件契約書写に記載された内容の 著作権使用契約か成立したと認めるのを相当としない特段の事情かあるとい うへきてある。そうてあるから,本件契約書写によって,著作権使用契約か成立したと認 10めることはてきす,他にこのことを認めるに足りる証拠はない。3 原告か被告に対し本件カセットテーフの複製,頒布を許諾したかについて前記2(2)認定の事実によれは,原告は,被告か少なくとも「聖経 甘露の法 雨」のカセットテーフを複製,頒布し,その印税をCらに支払っていることを 認識していたか,平成18年ころまて印税等の扱いについて異議を述へていな い。そして,Cらか生長の家を創始したAの相続人てあること,被告か生長の 家の管理の下て本件カセットテーフを複製,頒布したことを併せ考慮すれは, 原告は,昭和61年8月ころ,Cらに印税に相当する額を支払うことを条件に 本件カセットテーフの複製,頒布を被告に許諾したものと認められる。そうてあるから,被告による本件カセットテーフの複製,頒布は,原告の本 件原著作物の著作権を侵害しない。4 被告か本件カセットテーフの複製,頒布により法律上の原因なくして印税に 相当する額を利得したかについて原告は,前記3のとおり,印税に相当する額をCらに支払うことを条件に本 件カセットテーフの複製,頒布を被告に許諾したのてあり,被告はCらに印税 に相当する額を支払っているから,被告かこれを利得したということはてきな い。5 本件CDの表示か著作物使用契約(CD)に違反するかについて 被告は,原告か本件CDの表示を前記前提事実(7)のとおりにすることを承 諾したと主張し,被告代表者は,陳述書(乙29)及ひ代表者尋問においてこ れに沿う陳述をする。しかしなから,原告は,Aの相続人の代表行使者てある Cとの間て,Aから原告に対し「聖経 甘露の法雨」の著作権か譲渡されたこ とを確認しているのてあるから,原告かあえて本件CDについて著作権の帰属 を不確にするような表示の記載を認めるとは考え難いところてあり,反対 趣旨の原告代表者の陳述に照らしても,被告代表者の上記陳述は,にわかに採 用することかてきす,他に被告の主張する上記事実を認めるに足りる証拠はない。
 そうてあるから,本件CDの表示は,著作物使用契約(CD)に違反するといわさるを得ない。
6 以上のとおりてあって,原告の請求は,本件CDの表示の抹消を求める限度て理由かある。
 よって,上記の限度て原告の請求を認容し,その余は失当としてこれを棄却することとし,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条,64条たたし書き を適用して,主文のとおり判する。東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 高野輝久
裁判官 三井大有
裁判官 藤 田 壮
判例本文 判例別紙1

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