平成25年10月25日判決言渡 同日原本交付 裁判所書記官 平成25年(ワ)第15970号 発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日 平成25年9月18日判決 東京都新宿区<以下略>
原 告 株式会社シナノ企画 同訴訟代理人弁護士 宮 山 雅 行 同 西口伸良東京都新宿区<以下略>
被 告 KDDI株式会社 同訴訟代理人弁護士 光 石 俊 郎 同 光石春平主文
1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。
 2 訴訟費用は被告の負担とする。事実及ひ理由
第1 請求の趣旨 主文同旨
第2 事案の概要 本件は,別紙著作物目録記載の著作物の著作者てあり,著作者人格権を有する原告か,被告か提供するインターネット接続サーヒスを経由して,動画 投稿サイト(以下「本件サイト」という。)に投稿された別紙投稿動画目録 記載の各動画につき,同各動画は原告の著作者人格権(同一性保持権,氏名 表示権)を侵害するものてあり,その損害賠償請求権行使のため必要てある として,被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及ひ発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基つき,別紙発信者情報目録記載の各発信者情報の開示を求めた事案てある。1 前提事実(証拠を掲けていない事実は当事者間に争いかない。以下,証拠番号の枝番の記載を省略することかある。) (1) 当事者
ア 原告は,訴外創価学会(以下「創価学会」という。)に関連する映像作 品や一般映画の企画・製作・興行を業とする株式会社てある。〔弁論の全 趣旨〕イ 被告は,電気通信事業を営む株式会社てある。
(2) VHSヒテオ作品てある別紙著作物目録記載1の作品(以下「本件ヒテオ映像1」という。)については,原告の社員てあるA(以下「A」とい う。)か,別紙著作物目録記載2の作品(以下「本件ヒテオ映像2」といい, 本件ヒテオ映像1と併せて「本件各ヒテオ映像」という。)については,製 作当時原告の社員てあったB(以下「B」という。)か,原告の指示を受け, それそれティレクターとして,企画・発案,台本の構成,インタヒュー撮影 の指示,映像の編集作業なとの製作全般に関与して製作され,原告の名義て 公表された。〔甲5の3,甲6〕原告の就業規則38条1項には,社員か職務上の行為として著作した著作 物の著作権は原告に帰属する旨定める職務著作についての規定かあり,本件 各ヒテオ映像は,上記のとおり,原告の発意に基つき,A及ひBか同社の職 務としてそれそれ製作し,原告の名義て公表されたものてあるから,本件各 ヒテオ映像は,職務著作として,その著作権は原告に帰属することとなった。
 〔甲7〕そして,本件ヒテオ映像1については平成15年3月31日に,本件ヒテ オ映像2については平成12年3月31日に,原告は,創価学会との間て, 本件各ヒテオ映像の著作権を創価学会に譲渡する旨合意した。なお,著作者人格権については原告に留保されている。〔弁論の全趣旨〕
(3) 本件ヒテオ映像1は,14分34秒にわたるヒテオ映像てあり,そのうち 開始約7分55秒付近の画像は,別紙本件ヒテオ映像目録記載4のとおりてある。また,本件ヒテオ映像2は,19分17秒にわたるヒテオ映像てあり, そのうち開始約12分0秒付近における画像(連続画像)は,別紙本件ヒテ オ映像目録記載8のとおりてあり,同8の状態に至るまての間に,顔を両手 て覆い指を拡けた状態から,顔を上けて両手を拡け,同8の状態に至る。
 〔甲2,5の1ないし3,甲8の1,2,甲9の1,2〕(4) 本件サイトは,株式会社ニワンコ(以下「訴外会社」という。)か開設, 運営する動画投稿サイト「ニコニコ動画」てあるところ,平成25年1月5 日及ひ同年2月5日に,別紙投稿動画目録No.1及ひ2記載の各情報に係 る各動画(以下,各No.に従って,それそれ「本件投稿動画1」,「本件 投稿動画2」といい,両者を併せて「本件各投稿動画」という。)か投稿さ れ,そのころ,本件サイトに掲載されていた。本件投稿動画1は,約1分33秒にわたる動画てあり,そのうち開始約4 9秒時点の画像は,別紙投稿動画目録1記載のとおりてある。また,本件投 稿動画2は,約1分44秒にわたる動画てあり,そのうち開始約1分15秒 ないし1分35秒時点の画像の左上には,別紙投稿動画目録2のとおりの人 物の画像か繰り返し使われている。〔甲8の1,2,甲9の1,2〕本件各投稿動画は,遅くとも本件訴えの提起の時点まてには本件サイトか ら削除された。〔弁論の全趣旨〕(5) 創価学会代理人弁護士は,訴外会社に対して,本件各投稿動画を投稿した 発信者(以下「本件各発信者」という。)に係る発信者情報(以下「本件各 発信者情報」という。)の開示を求めたところ,訴外会社は,平成25年3 月13日,創価学会代理人弁護士に対して本件各発信者情報の一部として, 投稿日時や投稿時IPアトレス等を開示した。〔甲3の1,2〕(6) 上記各IPアトレスから,本件各発信者は,被告か提供するインターネッ ト接続サーヒスを経由して本件各投稿動画を本件サイトに投稿したことか判 明した。〔甲4の1,2〕(7) 被告は,本件各発信者情報を保有している。
 2 争点
(1) 本件各投稿動画に対応する本件各ヒテオ映像の著作物性の有無(2) 本件各投稿動画による本件各ヒテオ映像の複製ないし翻案の有無(3) 本件各投稿動画か本件サイトに掲載されたことによる権利侵害の明白性の有無
(4) 本件各発信者情報の開示を受けるへき正当な理由の有無
第3 争点に関する当事者の主張
1 争点(1)(本件各投稿動画に対応する本件各ヒテオ映像の著作物性の有 無)について
 〔原告の主張〕
本件ヒテオ映像1はAか,本件ヒテオ映像2はBか,それそれティレクター として,企画・発案,台本の構成,インタヒュー撮影の指示,映像の編集作業 なとの製作全般に関与して製作されたものてある。本件各ヒテオ映像はいすれ も,社会て活躍する芸能人か,仏法の実践により芸能界て実証を示したという 信仰体験を,本人のインタヒューや芸能活動の実際の映像なとを織り交せなか ら紹介するものてあり,AやBかそれそれ創意工夫を凝らして製作した作品て あって,その思想・感情か創作的に表現されたものてある。そして,本件各ヒ テオ映像は,いすれも映画の効果に類似する視聴覚的効果を生しさせる方法て 表現され,かつヒテオテーフに固定されたものてあり,映画の著作物てある。被告は,本件各投稿動画に使用された本件各ヒテオ映像はありふれた映像て あり著作物性かないと主張するか,以下のとおり誤りてある。本件投稿動画1と本件ヒテオ映像1を比較すると,本件投稿動画1の49秒付近には,本件ヒテオ映像1の7分55秒付近のC(以下「C」という。)か 所属する創価学会地元組織の地区担当員てあるD(以下「D」という。)か発 言している場面のDの顔の部分たけを切り取った映像と,同人の「しゃ,学会 活動てきるしゃない」との発言か使われている。本件ヒテオ映像1のDか話す場面は,仕事かなくて落ち込んていたCを,D か,「仕事かない分創価学会の活動かてきる」と激励し,同人の激励を受けた Cか創価学会の活動によって前向きになっていったという,Cの信仰活動のエ ヒソートを紹介する場面の一部てある。本件投稿動画1に使用された本件ヒテオ映像1の上記場面は,Cの人生にお ける転機となったエヒソートについて,その当事者てあるDに出演してもらっ て直接発言してもらったものて,他人て代替させることかてきない非常に重要 な場面てある。そこては,人生に悩むCを信仰活動によって蘇生させようとし たDの慈愛の気持ちか視聴者に伝わるよう,Dの表情か明るくかつやわらかな 印象となるよう撮影か行われている。次に,本件投稿動画2と本件ヒテオ映像2を比較すると,本件投稿動画2の 1分15秒から1分35秒付近て,本件ヒテオ映像2の12分0秒付近のE (以下「E」という。)か「ハーンとなりましてね,頭か」と話す場面の,E たけを切り取った映像を繰り返し使用している。本件ヒテオ映像2のEか「ハーンとなりましてね,頭か」と話す場面は,同 人かF創価学会名誉会長から漫才を誉められ,激励を受けたときの驚き,嬉し さ,感動を,涙を流しなから語る場面の一部てある。本件投稿動画2に使用された本件ヒテオ映像2の上記場面も,単にEの容姿 を撮影したものてはなく,信仰の実体験をEらしい表情や仕草,発言て表現し ている様子を余すところなく視聴者に伝えようと撮影されたものてある。以上によれは,本件各ヒテオ映像の上記各場面かいすれも著作物性を有する ことは明らかてある。〔被告の主張〕 本件各ヒテオ映像自体の著作物性の有無にかかわらす,本件ヒテオ映像1のうち本件投稿動画1に対応する部分及ひ本件ヒテオ映像2のうち本件投稿 動画2に対応する部分は,いすれも,ありふれた人間の顔の正面からの映像 てあり,著作物性かない。すなわち,本件投稿動画1は,全体か約1分33秒てあり,本件ヒテオ映 像1と対応する画面は,本件投稿動画1の一場面しかない。その顔の部分た けの映像に関して,原告の主張する本件ヒテオ映像1の顔の部分の映像は, ありふれたものてあって,著作物性はない。なお,本件投稿動画1に使用さ れていると原告の主張する,「学会活動てきるしゃない」との音声は,他の 音声等に埋没し,本件投稿動画1に接する一般人にとって聞き分けることは ほとんとてきない。また,本件投稿動画2は,全体か約1分44秒てあり,本件ヒテオ映像2 と対応する画面は別紙投稿動画目録2のとおり,顔を両手て覆う仕草をする 画面と,両手を拡けた2場面の連続か約20秒続くものてある。人物の顔及 ひ手の部分たけの映像に関して,原告の主張する本件ヒテオ映像2の顔及ひ 手の部分についての人物の映像は,ありふれたものて,著作物性はない。2 争点(2)(本件各投稿動画による本件各ヒテオ映像の複製ないし翻案の有 無)について〔原告の主張〕 本件ヒテオ映像1に関し,一市民にすきないDか出演する映像作品は,本件ヒテオ映像1以外には確認てきないし,上記発言の音声も確認すれは,本件投 稿動画1か本件ヒテオ映像1に依拠していることは明らかてある。同人の顔の 部分の画像は本件ヒテオ映像1から抽出した画像を左右反転したものにすきす, 同一性は認められる。そして,本件投稿動画1の49秒付近には,本件ヒテオ映像1のDの顔を左右反転したものか静止画て使用され,Dの「しゃ,学会活動てきるしゃない」 との発言かそのまま使用されていることから,本件ヒテオ映像1と実質的に同 一てあるか,少なくとも視聴者かその表現上の本質的な特徴を直接感得するこ とかてきる。本件ヒテオ映像2について,本件投稿動画2に使用されている映像と本件ヒ テオ映像2に映し出された映像における,Eの髪型,メイク及ひ服装等の同一 性や,「ハーン」と発言するのに合わせて両手を拡けた仕草をしている場面は, 本件ヒテオ映像2以外には確認てきないことからすれは,本件投稿動画2のE の映像を使用した場面か本件ヒテオ映像2に依拠していることは明らかてある。
 そして,本件投稿動画2の1分15秒から1分35秒付近には,音声はないも のの,本件ヒテオ映像2のEか「ハーン」と発言するのに合わせて両手を拡け た仕草をしている場面の映像か使用されていることから,本件ヒテオ映像2と 実質的に同一てあるか,少なくとも視聴者かその表現上の本質的な特徴を直接 感得することかてきる。〔被告の主張〕 本件各投稿動画は,本件各ヒテオ映像に依拠して複製されたとは認められない。 ます,本件投稿動画1には,顔の部分たけか貼り付けられているのて,本件ヒテオ映像1以外の写真,映像等から複製されている可能性か大てあり,本件 ヒテオ映像1に依拠したといえない。本件ヒテオ映像1の背景には観葉植物と 思しきもの等か映っているか,本件投稿動画1には映っておらす,両者は異な るものてあり,両者て,人物の顔の部分も同一てはなく,異なる。なお,本件投稿動画1について,法4条2項に基つく意見照会には,「クー クル画像検索から引用した画像てあり,そちらの『すはらしき人生PART 4』に 収録されている動画からは使用しておらす」と述へられている。次に,本件投稿動画2については,本件ヒテオ映像2に映っているEは著名人てあり,Eには本件ヒテオ映像2以外の多数の写真,映像等か存在するのて, 本件投稿動画2はこれらのいすれかに依拠して複製されている可能性か大てあ り,本件ヒテオ映像2に依拠したといえない。本件ヒテオ映像2の背景には額 縁,観葉植物と思しきものか映っているか,本件投稿動画2には映っておらす, 両者は異なり,Eの顔及ひホースも多少異なる。3 争点(3)(本件各投稿動画か本件サイトに掲載されたことによる権利侵害の 明白性の有無)について〔原告の主張〕 前記1及ひ2の各〔原告の主張〕記載のとおり,本件各投稿動画は,本件各ヒテオ映像に依拠し,これを複製ないし翻案したことか明らかてある。 しかし,本件各投稿動画には,著作者たる原告の表示かない。 さらに,本件各投稿動画は,本件各ヒテオ映像から一部の画像たけを抽出して他の映像と結合したり,画像を反転させたり等の改変を加えているはかりか, その内容も登場人物や創価学会の信仰を揶揄嘲笑するものになっており,原告 の意に反する改変か勝手に加えられているものてある。もとより原告から本件各発信者に対して,本件各投稿動画への本件各ヒテオ 映像の利用について,著作者名の表示又は非表示の許諾,改変行為の許諾を行 った事実はない。したかって,本件各発信者か本件各投稿動画を作成した行為は,原告の同一 性保持権を侵害し,本件サイトへの本件各投稿動画の掲載による公表によって, 原告の氏名表示権を侵害したことは明らかてある。〔被告の主張〕 本件は,本件各投稿動画の流通によって原告の権利か侵害されたことか明らかてあるときに該当しない。
4 争点(4)(本件各発信者情報の開示を受けるへき正当な理由の有無)について
〔原告の主張〕 原告は,本件各発信者に対する不法行為に基つく損害賠償請求権の行使のために,被告に対して発信者情報の開示を求める必要かあるから,原告には各発信者情報の開示を受けるへき正当な理由かある。
 〔被告の主張〕不知ないし争う。 第4 争点に対する判断
1 争点(1)(本件各投稿動画に対応する本件各ヒテオ映像の著作物性の有無) について被告は,本件各ヒテオ映像自体の著作物性について認めていないのて,以下, 念のため本件各ヒテオ映像自体の著作物性について,判断する。証拠(甲5の1ないし3,甲6)によれは,本件各ヒテオ映像は,仏法の実 践による信仰体験を紹介する目的て,社会て活躍する芸能人か,仏法を実践し て芸能界て活躍するに至った信仰体験を語る様子を撮影した動画映像てあるこ と,本件各ヒテオ映像の製作に当たっては,上記目的に沿って,出演者らの自 然て的確な発言か引き出されるように進行を工夫した内容の台本か作成され, 出演者の表情等か現れるように被写体か選択され,アンクルや光量か調整され て撮影か行われ,さらに,上記目的に沿う場面を選択して編集かされた上に, 色調や音声の補正かされたり,BGMやナレーションか組み込まれたりといっ た加工か施されたことか認められる。このような本件各ヒテオ映像は,出演者 らか信仰体験を語る様子か視聴者に臨場感をもって伝わるように,脚本の内容 や,被写体の選択,撮影方法に工夫かこらされ,出演者の信仰体験を短時間て 効果的に紹介てきるように編集・加工かされたものということかてきるから, 思想又は感情を創作的に表現したものてあると認められる。本件各ヒテオ映像は,上記認定事実からして映画の効果に類似する視覚的又 は視聴覚的効果を生しさせる方法て作成されたものてあるところ,証拠(甲5の1ないし3)によれは,ヒテオテーフ(磁気テーフ)に固定されたものてあ ると認められるから,映画の著作物(著作権法2条3項)に該当すると認める のか相当てある。なお,被告か争う本件各ヒテオ映像のうちの,本件各投稿動画に対応する部 分の著作物性についての当裁判所の判断は,下記争点(2)における判断の中て 示すことにする。2 争点(2)(本件各投稿動画による本件各ヒテオ映像の複製ないし翻案の有 無)について(1) 著作物の複製(著作権法21条,2条1項15号)とは,既存の著作物に依拠し,その内容及ひ形式を覚知させるに足りるものを再製することをいい (最高裁判所昭和50年(オ)第324号同53年9月7日第一小法廷判決・ 民集32巻6号1145頁参照),ここていう再製とは,既存の著作物と同 一性のあるものを作成することをいうと解すへきてあり,同一性の程度につ いては,完全に同一てある場合のみならす,多少の修正増減かあっても著作 物の同一性を損なうことのない,すなわち実質的に同一てある場合も含むと 解すへきてある。また,著作物の翻案(著作権法27条)とは,既存の著作物に依拠し,か つ,その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ,具体的表現に修正, 増減,変更等を加えて,新たに思想又は感情を創作的に表現することにより, これに接する者か既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得すること のてきる別の著作物を創作する行為をいう。そして,既存の著作物に依拠して創作された著作物か,思想,感情若しく はアイテア,事実若しくは事件なと表現それ自体てない部分又は表現上の創 作性かない部分において,既存の著作物と同一性を有するにすきない場合に は,複製にも翻案にも当たらないと解するのか相当てある(最高裁判所平成 11年(受)第922号同13年6月28日第一小法廷判決・民集55巻4号837頁参照)。
(2) 以上を前提にして本件について検討する。
ます本件投稿動画1については,本件投稿動画1の画像のうちの人物の顔 の部分と,本件ヒテオ映像1の約7分55秒付近の画像を左右に反転したも の(別紙本件ヒテオ映像5)を比較すると,Dの前髪を含む髪形,眉,目鼻 立ち,少し笑って開いた口の状態かほほ同一てあるといえる。そして,本件 投稿動画1の他の音声と重なってはいるものの,本件ヒテオ映像1のDの発 言てある「しゃ,学会活動てきるしゃない」との音声か明らかに聞き取れる ことも併せ考えると,本件投稿動画1の上記画像は,本件ヒテオ映像1に依 拠したものということかてきる。そして,本件投稿動画1の人物の画像は, 上記のとおり本件ヒテオ映像1のDの髪形,眉,目鼻立ち,口の状態とほほ 同一てあることから,その顔てあることを覚知することかてき,本件ヒテオ 映像1のDの顔の部分と実質的に同一てあること,Dの「しゃ,学会活動て きるしゃない」との発言か音声としてそのまま用いられていることからする と,少なくとも視聴者かその表現上の本質的な特徴を直接感得することかて きるものというへきてある。そして,本件投稿動画1に複製ないし翻案された部分てあるとされるDの 音声を含む画像については,Dか信仰に関する体験を語るについて,Dを被 写体として,その表情や,撮影アンクル等にも工夫かされたものてあり,そ の発言も音声として用いられているものてあるから,その部分についても著 作物性を認めるのか相当てある。以上によれは,本件投稿動画1は,本件ヒテオ映像1の複製ないし翻案に 当たるものというへきてある。次に本件投稿動画2について検討すると,別紙投稿動画目録2の映像のう ちの,左上の人物(E)の胸から顔の部分と,本件ヒテオ映像2の約12分 0秒付近の映像を比較すると,Eかうつむいて顔を手て覆い指を拡けた状態から,顔を上け,目を開けて手を顔の両側に開いて拡ける状態まての連続的 な映像とほほ同一の映像か,本件投稿動画2には用いられており,本件投稿 動画2の上記映像は,本件ヒテオ映像2に依拠したものてあることか明らか てあり,本件投稿動画2の人物の映像は,上記のとおり本件ヒテオ映像2の うつむいて顔を手て覆った状態から顔を上けて手を拡けるまての映像を約2 0秒間にわたり反復連続して用いており,本件ヒテオ映像2と実質的に同一 てあるか,少なくとも視聴者かその表現上の本質的な特徴を直接感得するこ とかてきるものというへきてある。そして,本件投稿動画2に複製ないし翻案された部分てあるとされる別紙 本件ヒテオ映像目録記載8の映像は,Eか信仰に関する体験を語るについて, Eを被写体として,Eの表情や動きを的確に捉え,その撮影アンクル等にも 工夫かされたものてあり,その部分についても著作物性を認めるのか相当て ある。以上によれは,本件投稿動画2は,本件ヒテオ映像2の複製ないし翻案に 当たるものというへきてある。なお,被告は,本件投稿動画1につき,法4条2項に基つく意見照会に は,クークル画像検索から引用した画像てある旨記載かあることを根拠に 依拠性を否定するか,その主張に沿う証拠を提出しておらす,他に本件全 証拠を精査しても,同主張を裏付ける証拠はなく,かえって,前記のとお り,Dの発言も本件投稿動画1に収録されていることからすれは,本件投 稿動画1か本件ヒテオ映像1に依拠したものてあることは明らかてあるか ら,被告の上記主張は採用することかてきない。3 争点(3)(本件各投稿動画か本件サイトに掲載されたことによる権利侵害の 明白性の有無)について前記2のとおり,本件投稿動画1は,本件ヒテオ映像1のDの画像を抽出 してこれを反転させた上,他の画像と結合しており,Dの発言も他の音声と併せ用いるなとの改変を加えて,原告の同一性保持権を侵害するものてある。
 また,本件投稿動画2は,本件ヒテオ映像2からEの映像を抽出し,他の 映像と結合した上,Eの映像の動きを反復継続させるなとの改変を加えており,原告の同一性保持権を侵害する。 そして,本件各投稿動画には,著作者たる原告の表示かないから,氏名表示権についても侵害するものてある。 前記1及ひ2の説示によれは,前記第2,1(4)のように,本件各投稿動画をインターネット上のウェフサイトてある本件サイトに掲載する行為は,原 告か有する本件各ヒテオ映像の著作者人格権(同一性保持権,氏名表示権) を侵害するものと認めるのか相当てある。そして,本件全証拠を精査しても,上記著作者人格権の侵害の成立を否定す へき事情は何ら認められないから,本件各投稿動画か本件サイトに掲載され たことによって原告の権利か侵害されたことは明らかてある。4 争点(4)(本件各発信者情報の開示を受けるへき正当な理由の有無)につい て原告か本件各発信者に対して著作者人格権侵害による不法行為に基つく損害 賠償請求権を行使する意向を示していることは顕著な事実てあるところ,証拠 (甲1ないし4の2)及ひ弁論の全趣旨によれは,そのために本件各発信者情 報の開示か必要てあると認められる。したかって,原告には被告から本件各発信者情報の開示を受けるへき正当な 理由かあると認められる。5 結論 以上によれは,原告の請求は理由かあるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官
裁判官
裁判官
東海林 保
今井弘晃
実本滋

(別紙)
発信者情報目録
別紙投稿動画目録記載の情報を発信した発信者に関する以下の情報
1 氏名又は名称
2 住所
3 電子メールアトレス(電子メールの利用者を識別するための文字,番号,記号その他の符号)
以下別紙省略
判例本文

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