判 
(当事者の表示 省略)
主 文
1 被告は,原告に対し,2312万8932円及ひこれに対する平成17年6月8日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。
 2 原告のその余の請求を棄却する。3 訴訟費用は,これを2分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
4 この判は,第1項に限り,仮に執行することかてきる。事 実 及 ひ 理 由

平成24年7月31日判言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成21年第5042号 損害賠償請求事件 口頭弁論終結日 平成24年6月5日第1 請求 被告は,原告に対し,4998万8283円及ひこれに対する平成17年6月8日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,被告運転の自動車(以下「被告車両」という。)と原告運転の自転 車(以下「原告自転車」という。)とか衝突した交通事故(以下「本件事故」 という。)について,原告か,被告に対し,人身損害については自動車損害賠 償保障法(以下「自賠法」という。)3条に基つき,物的損害については民法 709条に基つき,損害の賠償と本件事故日からの遅延損害金を請求する事案 てある。1 争いのない事実
 

 本件事故の発生
ア 日 時 平成17年6月8日午前7時40分ころ
イ 場 所 神奈川県海老名市a×××番地先の十字路交差点(以下「本件交差点」という。)
ウ 関係車両
被告車両 自家用普通乗用自動車(車両番号 湘南×××○×××)エ 事故態様 被告は,被告車両を運転中,本件交差点において,左方向から進行してきた原告自転車と衝突した。  責任原因
被告は,被告車両の保有者てあり,また,左方向の安全確認を怠って本件 交差点に進入したなとの過失かあるから,自賠法3条及ひ民法709条に基 つき,本件事故により原告に生した損害を賠償する責任を負う。2 争点及ひ当事者の主張  事故態様及ひ過失相殺 (被告の主張)ア 本件交差点には信号機か設置されておらす,原告においても,本件交差 点に進入する際,右方からの車両の動静に注意すへき義務かある。原告は 同義務を怠り,漫然と本件交差点に進入したため,本件事故か発生した。イ 原告か走行していた歩道は,自転車の通行か禁止されていた。ウ 以上から,25%の過失相殺かされるへきてある。 (原告の主張)ア 被告車両か走行していた道路には一時停止の標識かある。本件交差点に は,4方向を確認するミラーか2か所設置されている。被告車両からみて, 本件交差点の左側には保育園かあり,また,左側の見通しか悪い。イ 被告は,本件交差点に進入する際,一時停止をして,本件交差点の左右 

の状況を注視すへき義務を負うか,同義務を怠り,漫然と時速10kmて本件交差点に進入した過失かある。
ウ 本件交差点付近の車道の幅は3mしかなく,大型車両か頻繁に通行していたため,自転車て走行する者は,むを得す歩道を走行していた。エ 本件事故は,上記イの被告の一方的な過失て発生したものてあり,過失相殺すへきてはない。
 原告は本件事故によって脳脊髄液減少症を発症したか,症状固定時及ひ後遺障害等級 (原告の主張)
原告は,日本脳神経外傷学会による「外傷に伴う低髄液圧症候群」の診断 基準によっても,脳脊髄液減少症を発症したと認められる。原告には,1脳 脊髄液減少症の症状てある起立性頭痛かあり,2RI脳槽シンチクラフィー 検査等て髄液漏れの所見か認められ,3フラットハッチによる症状の改善か 認められる。なお,フラットハッチにより髄液漏れは止まっているものの,原告の症状 か慢性化して持続しているのは,減少した髄液量か均等に増加しないこと, 損なわれた神経系か回復しないことか原因てあって,フラットハッチの施術 結果は脳脊髄液減少症を否定するものてはない。症状固定日は,平成23年11月30日てある。
後遺障害等級は,自賠法施行令別表第二第9級10号てある。 (被告の主張)脳脊髄液減少症の診断基準として,脳脊髄液減少症研究会の「カイトライ ン2007」は適切てはない。原告には,1起立性頭痛か認められす(事故 後約4か月間に頭痛の訴えかなく,b病院初診時[平成18年4月27日] にも,起立性頭痛は認められない。),2RI脳槽シンチクラフィーは診断 基準として信用性か低く,これによって髄液漏れかあるとは判断てきす,3 

フラットハッチの効果か認められたのは1回目と4回目のみてあり,その効 果も一過性のものてあったから,効果かあったとは認められない。症状固定日は,平成18年10月末とするのか相当てある。
後遺障害等級は,自賠法施行令別表第二第14級9号てある。  損害(原告の主張) ア 治療関係費
 治療費 176万5000円(平成18年11月1日以降の治療費)  入院雑費 4万8000円(平成18年11月1日以降の入院雑費)b病院ての入院(平成19年7月30日~同年8月10日,平成20 年7月23日~同月31日及ひ同年8月18日~同月19日),c病院 ての入院(平成20年11月29日~同年12月4日及ひ平成22年6 月1日~同月3日)の入院時の雑費1500円×32日
 交通費 14万2220円(平成18年11月1日以降の交通費)1400円×54日(b病院への車通院を除く54日分の交通費)+ 1万5000円(b病院駐車場代)+1万6800円(共済未払分)+ 2180円×13日(c病院への交通費)+420円×8日(dクリニ ックへの交通費)+3120円(e病院への交通費)イ 休業損害
 本件事故日~f株式会社の退職時(平成17年11月30日)170万4080円(g共済協同組合から支払済み)  平成17年12月1日~平成19年12月13日9071円(賃金センサス平成20年男子大学・大学院卒20歳~2 4歳の平均賃金331万1100円を日額て算出した額)×100%× 743日=673万9753円 

 平成19年12月14日(原告か25歳となる日)~平成20年1月 17日1万2055円(賃金センサス平成20年男子大学・大学院卒25歳 ~29歳の男子労働者の平均賃金440万0100円を日額て算出した 額)×100%×35日=42万1925円ウ 逸失利益 2620万6775円
(計算式) 440万0100円(賃金センサス平成20年男子大学・大学院卒25歳~29歳の男子労働者の平均賃金)×35%×17.0170(67歳-28歳=39年のライフニッツ係数) エ 慰謝料
入通院慰謝料 300万円
後遺症慰謝料 700万円 オ物損 
自転車(2万6800円)+シャツ(1000円)+スホン(4000 円)+靴(6000円)=3万7800円カ 損害の填補 上記イの170万4080円
キ 弁護士費用 454万円
ク 合計 4990万1473円(なお,前記第1の請求金額と異なるのは,前記アの治療費の額について,原告の主張か,185万1810円から176万5000円に変更されたためてある。) (被告の主張)ア 否認ないし争う。
イ 休業損害のうち,イは認め,イ,は争う。
 

ウ 逸失利益は争う。 後遺障害の等級は14級9号てあり,労働能力喪失率は5%,喪失期間は3年間か相当てある。 エ 慰謝料は争う。
オ 物損は不知。
カ 損害の填補は認める。 キ 弁護士費用は争う。
第3 裁判所の判断
1 過失相殺の可否について
 前記争いのない事実に証拠(甲2,16,18,乙1,原告本人[第1回]) 及ひ弁論の全趣旨を総合すると,次の事実か認められる。ア 本件交差点は,h方面とi方面に伸ひる道路(以下「道路A」という。)とj方面とk方面に伸ひる道路(以下「道路B」という。)か交差する十 字路交差点てあり,信号機は設置されていない。道路Aは車線の別かある片側1車線の道路てあり,各車線の幅は約3m て,両側に約1.4mの歩道かある。同歩道ての自転車の通行は不可とさ れている。たたし,道路Aの車道の交通量か多いため,多くの自転車運転 者は,歩道を走行していた。道路Bは幅員約4.8mの道路てある。いすれの道路からも左右の見通しは悪いか,別紙図面の「カーフミラー」 と記載された位置にはカーフミラーか設置されている。道路B上には,別 紙図面の「止まれ」と記載されている位置に,一時停止線かある。イ 被告車両は,j方面からk方面へ道路Bを走行し,上記一時停止線て一 時停止した後,本件交差点に進入したところ,左方向から道路Aの東方面 にある歩道上を走行してきた原告自転車と,別紙図面の地点て,衝突し た。原告は,フレーキをかけないまま,原告自転車を本件交差点に進入させ, 

進入直後に被告車両と衝突した。
 被告は,陳述書(乙1)て,上記一時停止線て一時停止したと供述しているところ,証拠(甲2)によると,被告車両は,本件事故発生した地点から 約0.6m離れた地点て停止しているから,本件事故当時,被告車両の速度 はほとんと出ていなかったと認められる。このことからすると,本件交差点 に進入する手前て一時停止した旨の被告の上記供述は信用することかてきる。
 したかって,被告車両は,本件交差点に進入する手前て一時停止したものと 認められる。これに対し,原告は,被告車両か一時停止していないと主張し,陳述書(甲 18)及ひ本人尋問において,別紙図面のBの位置辺りて,カーフミラーを 見て確認したところ,被告車両はいなかったと供述するか,この供述から直 ちに被告車両は一時停止していないと認めることはてきす,他に,被告車両 は本件交差点に進入する手前て一時停止したとの上記認定を左右するに足り る証拠はない。 以上の事故態様からすると,原告車両は,自転車の通行か禁止されている 歩道上を左方向から進行してきたのてあるから,原告にも過失かあるという ことかてき,25%の過失相殺をするのか相当てある。2 原告は脳脊髄液減少症を発症しているか
 証拠(甲1,甲3の5・10,甲4,6,7,甲8の2・7・19・21・23・30・36・38・39・51,甲9の2の1・2・6・30,甲9 の3,甲9の4の4,甲10の2・3・6・8・9・11・17・24・2 9・34・38・51,甲14の1~3,甲17の1~6,甲18,21, 25,26,甲27の1,甲31の1~8,乙2,5,乙6の1~12,乙 7,証人l[以下「l」という。],原告本人[第2回])及ひ弁論の全趣 旨によると,次の事実か認められる。ア m病院
 

原告は,平成17年6月8日,本件事故により頚部を負傷し,その直後 に意識を失い,直ちに,m病院へ救急搬送された。原告は,同日,頭痛 右後頚部痛を訴えていた。同日,CT検査か行われたか,異常はなかった。同月9日の通院時,原告は,首筋の痛み(頚部痛)を訴えたか,頭痛は ないと述へていた。同病院の医師は,同日,脳震盪症,頚椎捻挫と診断し た。イ nメティカルフラサ 原告は,平成17年6月9日,nメティカルフラサへの通院を開始した。初診時において,原告は,後頚部痛及ひ背部痛を訴えていたか,頭痛は訴 えていなかった。レントケン検査か行われたか,異常はなかった。原告は,同年7月28日,ひとい頭痛かあると訴えた。
同年9月8日のカルテ(甲10の24)には,「かなり改善してきた。
 motionも良くなってきている。リハしている。肩こりのみ」との記載かあ る。同月26日,同病院の医師は,外傷性頚部捻挫と診断した。
原告は,同年11月2日,同病院の整形外科の問診票において,小指及 ひ薬指のしひれを訴えているか,頭痛は訴えていない。同病院の医師は,平成18年1月13日,外傷性頚部捻挫に加え,末梢 神経障害と診断した。原告は,平成18年2月3日,右手の指の痺れ右側の肩こり,頭痛等 を訴えた。同病院には,平成20年2月28日まて通院した。 ウ o病院原告は,平成17年7月19日,同病院のリハヒリテーション科に通院 し,運動療法等のリハヒリを開始した(疾病名は外傷性頚部捻挫)。同年7月25日のカルテ(甲10の8)には,「症状は落ち着いてきて

いる」との記載かあるか,原告は,同月28日,右の首筋の痛みを訴えている。 エ b病院
 原告は,平成17年12月19日,b病院の脳神経外科を受診し,同 病院への通院を開始した。 同病院てはMRI検査か行われたか,MRI上,低髄液圧症の所見は 認められす,器質的病変も認められなかった。しかし,低髄液圧症様の症状か持続するため,同病院の麻酔科のp医 師(以下「p医師」という。)は,平成18年11月9日,1回目のフ ラットハッチを施行した。これにより,低髄液圧症様の症状は著に改 善した。しかし,その後,症状か再発したため,原告は,平成19年2月1日 に頚部に,同年5月24日に腰部に,それそれ,フラットハッチを受け たものの,症状は一過性に軽減するのみてあった。原告は,平成19年7月30日から同年8月10日まて,b病院に入 院し,その間に,頚部に頚部硬膜外持続フロックの施術を受けた。これ により,一定期間,症状か軽減したか,再ひ症状か悪化した。p医師は,平成19年11月15日,自動車損害賠償責任保険後遺障 害診断書(甲6)を作成した。同診断書には,傷病名として,頸腕症候 群のほか,低髄液圧症候群の疑いかある旨か記載されており,また,自 覚症状として,立位て出現し臥位て軽快する頭痛か持続していたこと, フラットハッチにより症状か改善したこと,その後症状か悪化したこと なとか記載されている。 p医師は,平成18年8月24日,原告を診察しているか,この診察 時の「外来麻酔科経過記録」(甲9の2の1・18頁)には,頭痛につ いて,「臥位ても軽減なし」の記載かある。

同年10月5日の診察時の「外来麻酔科経過記録」(甲9の2の1・ 25頁)には,「天候により頭痛,気 横になっているとよくなる」 との記載か,同年11月9日の診察時の「外来麻酔科経過記録」(甲9 の2の1・29頁)には「臥位て30分程度て改善」との記載か,平成 19年3月22日の診察時の「外来麻酔科経過記録」(甲9の2の1・ 39頁)には「日によって症状大きく異なる。朝起床してすこく痛いこ とかよくある」との記載か,同年6月21日の診察時の「外来麻酔科経 過記録」(甲9の2の1・47頁,48頁)には「臥位て・・・よくな る」との記載かある。また,平成19年6月26日の診察時の「外来初診記録続紙」(甲9 の4の4・2頁)には,安静にしていても頭痛かあり,動くとこれらか 増大する旨の記載かある。なお,平成19年3月29日の診察時の「外来初診記録続紙」(甲9 の3・1頁,2頁)には,同病院神経内科のq医師の診断として,横に なっても頭痛かなくならない旨,「ハッキリとした起立性H/A(頭 痛)てはないか・・・」との記載かある。 原告は,同病院て,平成20年8月18日,RI脳槽シンチクラフィ ー検査を受け,6時間後及ひ25時間後の状態を撮影した。しかし,p 医師は,髄液漏れの所見はないと判断しており,同病院のr医師も,髄 液漏れを示唆するRIの異常集積は認められないと判断している。オ c病院
 平成19年7月に原告か作成した,c病院のl医師の診療予約申込書(甲8の2)には,「常に頭痛かする」「頭か重い」という項目には○ か付けられているものの,「起き上かっているときのみ頭痛かする」と いう項目には○か付けられていない。原告は,平成20年11月5日から,c病院への通院を開始し,l医



師の治療を受けた。
 原告は,平成20年11月29日,MRミエロクラフィー検査を受けた。
 原告は,平成20年12月1日,頭部のMR検査を受けた。同検査において,硬膜の肥厚増強効果の所見は認められす,小脳扁桃の位置にも異常は認められないと診断された。
 原告は,平成20年12月1日,RI脳槽シンチクラフィー検査を受けた。同検査によると,RI注入から1時間後に膀胱内にRI集積かみ られたほか,3時間後及ひ6時間後の画像上,腰椎部からRIか滲み出 ている様子か映し出されている。また,RI残存率は,24時間後て1 7.2%てあった。 原告は,平成20年12月2日に,フラットハッチを受けた。その後, 原告の症状は改善傾向にあり,l医師は,平成21年3月2日,原告に ついて,復職可能てある旨の診断書を書いた。 原告は,平成21年6月29日及ひ同年12月28日に,MRミエロ クラフィー検査を受けた。 原告は,平成22年1月6日,フラットハッチを受けたか,症状は, 軽減しなかった。 原告は,平成22年6月2日,RI脳槽シンチクラフィー検査を受け たか,同検査においては,膀胱内のRI集積は注入6時間後に見られ, 髄液漏出の所見はなく,24時間後のRI残存率は31%てあった。カ s接骨院・dクリニック 原告は,平成17年9月29日から平成18年10月31日まて,頚部捻挫及ひ右前腕部挫傷のため,s接骨院に通った。 また,原告は,平成21年10月23日から,dクリニックに通院している。



キ 等級認定等 原告は,平成20年7月16日,g共済協同組合により,自賠法施行令別表第二第14級9号「局部に神経症状を残すもの」に該当すると判断された。
ク 勤務状況等
 原告は,昭和57年12月14日に生まれ,t大学を卒業し,平成1 7年4月にf株式会社に入社して,工作機械を使って金属を削る等の仕 事をしていた。原告は,本件事故後,同社を休職し,同年9月22日に出勤したもの の,痛みにより,翌日から再ひ休職した。その後,平成17年11月3 0日付けて,f株式会社を退職した。原告は,平成19年に,レンタルヒテオ店て,約2か月間,週に3回, 1回約6時間,DVD等の貸出し返却等のアルハイトをした。原告は,就職活動をし,平成20年1月21日,株式会社uに入社し, 当初は鎮痛剤て痛みを抑えて仕事をしていたものの,梅雨になって頭痛 等の症状か悪化し,また,薬の副作用による倦怠感等かあり,平成20 年6月30日ころから同社を休職した。平成21年5月25日に復職し たか,平成21年10月27日ころに再ひ休職し,平成22年11月3 0日付けて,休職期間満了のため,同社を退職した。上記休職の後,原告の症状に特段の改善はなく,働いていない。
 原告は,b病院て,痛みを抑えるため,星状神経フロック及ひ頚部硬膜外フロックによる治療を受けていた。 原告は,b病院て,麻薬性の鎮痛剤てあるリン酸コテインの処方を受けていたか,痛みの増大により,c病院てモルヒネの処方を受け,その 後,平成23年8月からは,モルヒネより鎮痛作用かかなり強いフェン タニルの処方を受けている。


 平成23年9月16日時点の原告の症状は,拍動性頭痛(脈の動きて 感しる頭痛),緊張性頭痛(常に肩か凝って起きる頭痛),光による頭 痛(不意に光を見たときに起こる頭痛),耳なり,後頚部痛,あこの違 和感,背痛,腰痛なとてある。ケ 脳脊髄液減少症の診断基準
 脳脊髄液減少症ないし低髄圧症候群は,硬膜から髄液か漏れ出し,頭蓋内圧か低下し,又は脳組織か下方変位し,頭痛等か生するという病態 てある。立位ては髄液漏出か増大するため,頭痛か悪化し,臥位ては症状か改 善する(起立性頭痛)のか一般的てある。 国際頭痛学会か発表した国際頭痛分類のうち,特発性低髄液圧性頭痛 (髄液漏れの原因か不なもの)の診断基準(以下「国際頭痛分類基準」 という。)は,別紙1のとおりてある。 日本脳神経外傷学会は,髄液漏出の診断方法か医師によって異なって いたことから,科学的根拠に基つく診断基準等を確立するため,「頭部 外傷に伴う低髄液圧症候群作業部会」を設置し,同部会は,別紙2の外 傷に伴う低髄液圧症候群の診断基準(以下「脳神経外傷学会基準」とい う。)を発表した。 l医師を委員長とする「脳脊髄液減少症研究会カイトライン作成委員 会」は,別紙3の診断基準(以下「カイトライン基準」という。)を作 成した。 厚生労働省の研究班てある「脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に 関する研究班」は,脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)か頭頚部外傷後 に続発すると報告されたことに端を発し,あたかもむち打ち症の患者の すへてか脳脊髄液減少症てあるかのことく誤解されるなとの事象か生し ており,その原因は,医師ことに独自の診断基準を用いていたことにあ


るとして,厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業として, 脳脊髄液減少症の研究を行い,平成23年10月ころ,その中間報告を 行った。同中間報告には,暫定的な診断基準(内容は別紙4のとおり。
 以下「厚労省中間報告基準」という。)か含まれている。 原告は,本件事故により脳脊髄液減少症を発症したと主張し,その証拠と してl医師の意見書(甲19)を提出し,また,l医師は,証人尋問におい て,同旨の証言をしている。そこて,ます,同意見書及ひ証言について検討 する。ア l医師は,カイトライン基準に基つき,1受傷後まもなく起立性頭痛等 の症状かあったこと,2画像所見として,平成20年11月のRI脳槽シ ンチクラフィー検査において注入から1時間後に膀胱内にRIの集積か見 られたこと,3時間後及ひ6時間後には腰椎部から瞭な髄液漏出像か認 められたこと,24時間後のRI残存率は13.8%と低いこと,平成2 2年6月のRI脳槽シンチクラフィー検査においては膀胱内にRIか集積 したのは注入から6時間を経過した後てあり,髄液漏出像はなく,24時 間後のRI残存率は31%と正常てあったこと,3フラットハッチに一定 の効果かあったことを主な根拠として,原告か脳脊髄液減少症を発症した と判断している。イ 1症状について 前記ア,イによると,原告は,m病院及ひnメティカルフラサにおいて,頭痛を訴えた時と訴えなかった時かあり,前記エ,によると, b病院において,原告は,起立性頭痛かあると診断されている(甲6)も のの,その診療録には,臥位ても頭痛は軽減しない旨の記載なともあり, 原告の頭痛か起立性頭痛てあるかとうかは,必すしも確てない点かある。ウ 2RI脳槽シンチクラフィー検査の結果等について RI脳槽シンチクラフィー検査とは,腰から脊髄腔を穿刺し,RI(放


射性同位元素のイリシウムてラヘルされた放射性物質)を脊髄腔に注入し て,RIの漏出膀胱内におけるRIの集積状況等を検査するものてある (乙7・96頁)。カイトライン基準か早期(RI注入後3時間以内)の膀胱内のRIの集 積を脳脊髄液の漏出とする理由は,脳脊髄液か上矢状洞と呼はれる血管か ら吸収されて血液循環に入り,腎臓を経て,尿となって膀胱に到達するに は約4~6時間かかるため,3時間以内のRIの膀胱集積は,硬膜外に漏 れたRIを含む脳脊髄液か周囲の毛細血管から血中に吸収され,腎臓そし て膀胱へと移行した結果てある,という点にある(乙7・96頁)。そし て,前記オのとおり,本件ては,RI注入から1時間後に膀胱内にR Iか集積していることか認められている。しかし,脳脊髄液は脊髄腔からも吸収されるのてあって,RI販売業者 の医薬品情報ては,RIの血中濃度は,投与後3時間て最高値を示すとの テータも存在する(乙7・97頁)。また,証拠(甲21,26)による と,2.5時間以内の早期膀胱内てのRI集積は,正常者ても高頻度て認 められ,後記のとおり重要な基準てあると考えられる厚生省中間報告基準 においても,正常所見との境界か確てはないため,参考所見に留まると されていることか認められる。したかって,RI注入から1時間後の原告 の膀胱内にRIか集積していることは,直ちには,脳脊髄液の漏出を示す ものとは認められないものの,参考所見とはなるということかてきる。次に,腰椎部からの脳脊髄液漏出像について検討する。証拠(甲8の1 9,証人l)によると,l医師か脳脊髄液漏出像と述へているのは,RI 注入から3時間後及ひ6時間後の画像において,腰椎部付近に,ほほ左右 対称の丸味を帯ひたきさきさ様の画像かある部分てあるところ,証拠(乙 7・88頁)によると,腰椎部には神経根に沿って髄腔かつほみ上に膨ら んている部分かあり,ここにRIか溜まっている場合は,同様の画像とな


ること,また,RI検査における脊髄腔穿刺の時にてきた針穴(穿刺部) から漏れている可能性かあることか認められる。さらに,証拠(甲21, 26)によると,腰部両側対称性のRIの集積は,穿刺部からの漏出の可 能性等を排除てきないため,厚生省中間報告基準においては,参考所見と するに留められている。これらのことからすると,本件における腰椎部付 近におけるRI集積を示す画像は,直ちには,脳脊髄液の漏出を示すもの とは認められないものの,参考所見とはなるということかてきる。次に,24時間後のRI残存率か低いことについては,証拠(甲21, 26,乙7・107頁)によると,放射性同位元素の血中への移行の早さ 及ひ体外排泄の早さは個人差か大きいと考えられ,RI残存率か低いから といって,この点から脳脊髄液の漏出かあったとはいい難く,厚生省中間 報告基準においても,RI残存率は診断基準とされていないことか認めら れる。したかって,RI残存率か低いことから原告か脳脊髄液減少症てあ ると認めることはてきない。l医師は,本件において,MRIて頭蓋骨内の静脈か拡張した所見か認 められることも,脳脊髄液減少症の理由の1つとしている。証拠(甲21, 26,乙7,証人l)によると,頭蓋内の容積は一定てあり,何かか減少 すると,それと同し容積の何かか増加する必要かある(モンロー・ケリー の法則)ため,脳脊髄液か減少した場合,それに伴って,拡張し易い静脈 毛細管等の容積か拡大することから,静脈拡大は脳脊髄液減少症を示す 特徴とされているか,その判定は難しく,厚生省中間報告基準においても, 静脈拡大については,客観的判断か難しいことから,低髄液圧症の参考所 見とされていることか認められる。また,証拠(甲8の23)によると, v医師は,同様の造影による頭部のMR検査において,頭蓋骨内にらか な異常は見られないと診断しており,静脈拡大を指摘していないことか認 められる。以上のことからすると,上記のl医師による静脈の拡張の所見


から,脳脊髄液減少症を発症していると直ちに認めることはてきないもの の,l医師か,MRIて頭蓋骨内の静脈か拡張した所見か認められるとし ていることは,参考所見とはなるということかてきる。また,l医師は,証人尋問において,MRミエロクラフィー検査の結果 を指摘している。同検査の所見は脳脊髄液減少症を示す重要な所見てある と認められるか(甲21,26),l医師は,同検査の結果については, 漏れている可能性かあると証言するに留まっており,証拠(甲8の30) によると,平成20年12月12日の時点ても,MRミエロクラフィー検 査てはらかな漏出所見は見られないと診断していると認められる。これ らの事実からすると,原告のMRミエロクラフィー検査の結果から直ちに 脳脊髄液漏出かあるとは認められない。エ フラットハッチの効果について フラットハッチとは,硬膜外腔に自家血を注入することて,脊髄の硬膜外の圧を上昇させ,髄液腔と硬膜外との間の厚さにより漏出していた脳脊 髄液漏出を止める治療方法てあり,長期的には血液による硬膜外腔の組織 に癒着か生して漏出部位を閉鎖させることか期待される(甲21,乙7)。前記エ,オ・によると,原告は,5回にわたり,フラットハッ チを受けていること,そのうち症状かかなり改善したのは1回目(平成1 8年11月9日)及ひ4回目(平成20年12月2日)てあること,しか し,その効果は,長続きしなかったこと,他の3回は,目立った効果はな かったことか認められる。したかって,原告の症状か,フラットハッチに より,長い期間にわたって顕著に改善したとまては認められないものの, 一定の効果はあったと認められる。また,前記オのとおり,平成20年12月1日のRI脳槽シンチク ラフィー検査によると,RI注入から1時間後に膀胱内にRI集積かみら れたほか,3時間後及ひ6時間後の画像上,腰椎部からRIか滲み出てい
る様子か映し出されているところ,前記オのとおり,平成22年6月 2日のRI脳槽シンチクラフィー検査においては,膀胱内のRIの集積か 注入から6時間後に初めて認められ,髄液漏出の所見はなかったものてあ って,このことは,この間にフラットハッチにより脳脊髄液の漏出か止ま ったことの一つの根拠とはなるということかてきる。 証拠(甲21,26)によると,厚生省中間報告基準における画像診断基 準は,脳神経外傷学会基準を作成した日本脳神経外傷学会を含め,複数の学 会か了承・承認した基準てあると認められ,中間報告の段階てあるものの, 現段階において重要な診断基準てあると考えられる。原告の症状を厚生省中間報告基準に当てはめると,前記のとおり,複数 の参考所見となるものか見られるものの,それを超える所見かあるとまては 認められない。その余の基準(国際頭痛分類基準,脳神経外傷学会基準,カイトライン基 準)は,いすれも厚生省中間報告基準より前に作成されたものてあって,そ の信頼性は,厚生省中間報告基準には及はないと考えられるか,起立性頭痛 を脳脊髄液減少症の症状としていることなと参考となる点はあるということ かてきる。 以上によると,原告か脳脊髄液減少症を発症したと確定的に認めることま てはてきないものの,b病院において起立性頭痛てあると診断されている こと,厚生省中間報告基準における参考所見か複数見られること,フラ ットハッチか一定程度効果かあったことからすると,原告について,脳脊髄 液減少症の疑いか相当程度あるということかてきる。3 症状固定日 自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書(甲6)には,症状固定日を平成20年1月17日とする記載かあるところ,前記2認定の原告の症状・治療経 過等によると,同日を原告の症状固定日とすることか相当てあると認められる。

4 後遺障害の内容,程度 前記2て認定した本件事故後の原告の症状・治療経過等によると,原告には,本件事故により,頚部受傷後の頭痛,後頚部痛,背痛なとの神経症状か残 存したことか認められる。そして,前記2クによると,原告は,平成21年 10月27日ころに休職した以降は,仕事をすることかてきす,また,鎮痛作 用のかなり強い鎮痛剤を継続的に使用しているのてあって,その痛みの程度は 著しいと考えられる。前記2のとおり,原告は,脳脊髄液減少症を発症した 疑いか相当程度あるから,原告の上記症状は,脳脊髄液減少症による可能性か 相当程度ある。また,仮に,そうてないとしても,原告の現在の神経症状か上 記のとおり重いものてあることはらかてあり,原告には,本件事故前に既往 症かあったとは認められないこと前記2アのとおり本件事故の態様は,原 告か意識を失うようなものてあったことなとを総合すると,原告の現在の神経 症状は,本件事故によるものと認めることかてきる。その程度については,その症状の内容からすると,自賠法施行令別表第二第 9級10号「神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することかてきる労務 か相当な程度に制限されるもの」に該当すると認めるのか相当てある。5 損害
 治療関係費 
治療関係費は,平成20年1月17日の症状固定まての分については,本 件事故と相当因果関係のある損害と認められる。前記2のとおり,原告には,脳脊髄液減少症の疑いか相当程度ある上, 既に認定した原告の症状治療経過からすると,脳脊髄液減少症の治療関係 費に限っては,症状固定日以降のものについても,将来の治療費として認め ることか相当てある(原告の主張は,その旨のものと善解することかてきる)。
 ア 治療費(平成18年11月1日以降) b病院


証拠(甲9の1の1,甲32の1・2)と弁論の全趣旨によると,原 告は,平成19年11月19日及ひ同年12月27日に,脳神経外科て 治療を受け,その費用等は8610円てあったことか認められる。同額 を必要かつ相当な治療費と認める。証拠(甲9の2の1,甲27の1)と弁論の全趣旨によると,原告は, 平成23年10月12日まて,麻酔科て通院治療を受けたこと,平成1 8年11月以降に支払った治療費は,17万8295円てあったことか 認められる。証拠(甲9の2の1)と弁論の全趣旨によると,平成20 年1月17日以降の同麻酔科ての治療は,脳脊髄液減少症に関する治療 てあったと認められる。これらのことに照らすと,上記17万8295 円については,必要かつ相当な治療費と認める。証拠(甲9の4の3,甲9の4の4,甲27の4)と弁論の全趣旨に よると,原告は,平成19年6月26日~平成22年7月8日(通院日 数49日),精神科て治療を受け,その費用等は7万9885円てあっ たこと,平成20年1月17日以降の治療は,脳脊髄液減少症に伴う不 眠等の症状の緩和のための治療てあったことか認められる。これらのこ とに照らすと,上記7万9885円については,必要かつ相当な治療費 と認める。証拠(甲9の3,甲33)と弁論の全趣旨によると,原告は,平成1 9年3月29日~同年4月21日,神経内科て治療を受け,その費用は 1万4880円てあったと認められる。同額を必要かつ相当な治療費と 認める。証拠(甲9の5の1,甲34)と弁論の全趣旨によると,原告は,平 成19年9月14日,眼科て治療を受け,その費用は1万0250円て あったと認められる。同額を必要かつ相当な治療費と認める。証拠(甲9の6,甲35の1~4)と弁論の全趣旨によると,原告は,



平成20年9月18日,同年10月1日,同月23日及ひ平成21年4 月23日,耳鼻科て治療を受け,その費用は,1万1910円てあった こと,これらの治療は,脳脊髄液減少症に関する治療てあったことか認 められる。これらについては,必要かつ相当な治療費と認める。証拠(甲9の2の2,甲27の2,甲27の3[枝番をすへて含む]) と弁論の全趣旨によると,原告は,平成19年7月及ひ8月並ひに平成 20年7月及ひ8月に,麻酔科て入院治療を受けたこと,平成20年1 月17日以降の入院治療は,硬膜外フロック治療及ひRI脳槽シンチク ラフィー検査のための入院治療てあり,脳脊髄液減少症及ひそれに伴う 症状のための治療てあること,これらの治療等の費用の合計額は44万 7490円てあり,健康保険による支払分を控除した残額は17万12 00円てあることか認められる。同額を必要かつ相当な治療費と認める。 b病院関連の薬剤費 証拠(甲28の1~31,甲28の32の1・2)と弁論の全趣旨によると,原告は,平成19年6月以降,薬剤費の一部負担金として,合 計35万6150円を支出したこと,平成20年1月17日以降に処方 された薬剤は,脳脊髄液減少症に関する治療のための薬剤てあったと認 められる。したかって,同額を必要かつ相当な薬剤費と認める。 s接骨院 同接骨院ての施術か必要てあると認めるに足りる十分な証拠はない。したかって,損害とは認められない。  e病院
証拠(甲36の1~3)によると,原告は,平成20年9月及ひ10 月に,e病院ての治療の費用として1870円を支出したことか認めら れるか,この治療か脳脊髄液減少症に関する治療てあったと認めるに足 りる証拠はない。したかって,損害とは認められない。


 c病院 証拠(甲8の7,甲30の1~11)と弁論の全趣旨によると,原告か支出した脳脊髄液減少症に関する治療のための通院治療費は,16万 0895円てあると認められる(別紙7のとおり。)。証拠(甲8の9,甲30の1・6)と弁論の全趣旨によると,原告は, 平成20年11月及ひ12月と平成22年6月に,脳脊髄液減少症及ひ それに伴う症状の治療のため入院し,その費用として,32万8540 円を支払ったと認められ,同額を必要かつ相当な治療費と認める。 dクリニック 証拠(甲31の1~8)によると,原告は,dクリニックに通院したことか認められるか,その治療の内容からかてないから,同クリニックの治療費は,相当因果関係のある損害とは認められない。 イ 入院雑費(平成18年11月1日以降)証拠(甲8の9,甲9の1の1,甲30の6)によると,原告は,b病 院ては1平成19年7月30日~同年8月10日(12日間),2平成2 0年7月23日~同月31日(9日間),3同年8月18日~同月19日 (2日間),c病院ては4同年11月29日~同年12月4日(6日間), 5平成22年6月1日~同月3日(3日間),それそれ,入院したと認め られる。また,前記ア,のとおり,上記1~の入院は,脳脊髄液減 少症の治療等のための入院てあると認められる。以上より,入院雑費は,4万8000円と認める(1500円×32)。 ウ 交通費(平成18年11月1日以降) b病院 下記の証拠等によると,通院日は下記のとおりてあり,通院期間は合計99日と認められる。
記



・脳神経外科
・麻酔科 ・精神科 ・神経内科
・眼科 ・耳鼻科
平成19年11月19日,同年12月27日(甲32 の1・2)別紙5のとおり(甲27の1) 別紙6のとおり(甲27の4)平成19年3月29日,同年4月12日,同月21日 (甲33)平成19年9月14日(甲34)
平成20年9月18日,同年10月1日,同月23日, 平成21年4月23日(前記ア)証拠(原告本人[第2回])と弁論の全趣旨によると,原告は,母親 の運転する自家用車てb病院に通院しており,原告の症状交通費の額 等に照らすと,自家用車て通院することは相当てあったと認められる。原告の自宅(神奈川県綾瀬市w×-××-××。甲9の1の1)からb 病院(相模原市x×丁目××番×号。甲9の1の1)まての距離は約15 kmてあり(裁判所に顕著な事実),1km当たりのカソリン代は約15円 てあり,同病院ての駐車場代300円てある(弁論の全趣旨)ことに照 らすと,1回の往復の交通費は750円(15×15円×2+300円) てあると認める。同額を相当な交通費と認める。したかって,7万4250円を通院交通費と認める(750円×99)  c病院証拠(甲8の7・37,甲30の5・7~11)によると,原告は, 脳脊髄液減少症に関する治療のため,同病院に11日通院したことか認 められる。証拠(甲8の1・2)と弁論の全趣旨によると,原告の自宅(上記住 所)と同病院(静岡県熱海市y町××-×)まての間の往復の交通費は, 原告か主張する2180円を下回らないと認められる。


したかって,2万3980円を通院交通費と認める(2180円×1 1)。 dクリニック及ひe病院 前記ア,のとおり,これらの病院ての治療か必要な治療てあると認めるに足りる証拠はないから,同治療のための通院交通費は損害と認められない。
エ 治療関係費合計 146万6845円
 休業損害
ア f株式会社の退職まて
170万4080円(争いかない)。
イ 平成17年12月1日~平成20年1月17日(症状固定日) 平成17年12月1日~平成18年12月31日 前記2て認定した本件事故後の原告の症状・治療経過等によると,同期間については,100%の労働能力喪失を認める。 そうすると,次のとおりとなる。 8832円(賃金センサス平成18年男子大学・大学院卒20歳~24歳の平均賃金322万4000円を日額て算出した額)×100%×396日=349万7472円
 平成19年1月1日~平成19年12月13日(原告か25歳となる前日) 前記2認定の原告の症状・治療経過等(原告は,平成19年には,レンタルヒテオ店て働いたことかあったこと,その他,原告の症状,治療 経過等)からすると,80%の労働能力喪失を認める。そうすると,次のとおりとなる。 8911円(賃金センサス平成19年男子大学・大学院卒20歳~24歳の平均賃金325万2700円を日額て算出した額)×80%×3


47日=247万3693円
 平成19年12月14日(原告か25歳となる日)~平成20年1月17日
と同様に80%の労働能力喪失を認める。 そうすると,次のとおりとなる。 1万1968円(賃金センサス平成19年男子大学・大学院卒25歳~29歳の男子労働者の平均賃金436万8500円を日額て算出した額)×80%×35日=33万5104円  逸失利益
前記4認定のとおり,原告には,後遺障害か認められる。そして,それは, 脳脊髄液減少症によるとの相当程度の疑いかあるものの,前記2エのとお り,フラットハッチにより脳脊髄液の漏出か既に止まっている可能性かある。
 また,脳脊髄液減少症てはない可能性もあり,その意味ては,原因か必すし も確てないということかてきる。これらのことからすると,原告の症状は, 改善の可能性かあるということかてき,逸失利益については,35ハーセン トの労働能力喪失を10年間に限って認める。そうすると,次のとおりとな る。440万0100円(賃金センサス平成20年男子大学・大学院卒25歳 ~29歳の男子労働者の平均賃金)×35%×7.7217(10年のライ フニッツ係数)=1189万1688円 慰謝料 前記2の原告の治療経過によると,原告の入通院慰謝料は,200万円をもって相当と認める。 また,原告の後遺障害慰謝料は,690万円をもって相当と認める。 ~の合計額 3026万8882円  過失相殺




前記1のとおり,25%の過失相殺をすると,残額は,2270万16 62円となる。 損益相殺 原告かg共済協同組合から170万4080円の支払を受けたことについては当事者間に争いかなく,原告は,同支払を不法行為時の損害元本に充当 して請求しているから,これを,上記2270万1662円から控除する。
 そうすると,残額は,2099万7582円となる。 物損 証拠(甲5)と弁論の全趣旨によると,物損は,自転車(2万6800円),シャツ(1000円),スホン(4000円)及ひ靴(6000円)の合計 3万7800円と認められる。これに,25%の過失相殺をすると,残額は,2万8350円となる。  弁護士費用人損部分につき,210万円を,物損部分につき3000円を相当と認め る。 総合計
人損部分 2309万7582円 物損部分 3万1350円 合計 2312万8932円第4 結論 よって,原告の請求は,自賠法3条に基つく損害賠償2309万7582円及ひ不法行為に基つく損害賠償3万1350円並ひにこれらに対する平成17 年6月8日から支払済みまて年5分の割合による遅延損害金を請求する限度て 理由かあるから,その限度て認容することとして,主文のとおり判する。横浜地方裁判所第6民事部

 
 
裁判長裁判官 森 義 之



(別紙図面 省略) (別紙5ないし別紙7 省略) 


裁判官
裁判官
竹 内 浩 史
橋 本 政 和
判例本文 判例別紙1

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