平成21年(ワ)第4345号 不当利得返還等請求事件 平成21年(ワ)第6059号 立替金請求反訴事件判
主文
1 被告は,原告に対し,7万1931円及ひうち7万円に対する平成20年12月27日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告に対し,25万3675円及ひこれに対する平成21年8月20日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。3 原告のその余の請求をいすれも棄却する。
4 被告の請求を棄却する。
5 訴訟費用は,本訴及ひ反訴を通し,3分の1を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。
6 この判は,第1項及ひ第2項に限り仮に執行することかてきる。たたし,被告か30万円の担保を供するときは,第1項及ひ第2項の 仮執行を免れることかてきる。事実及ひ理由
第1 請求
1本訴 (1)被告は,原告に対し,10万5028円及ひうち10万円に対する平成21年7月25日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。
 (2)被告は,原告に対し,125万3725円及ひこれに対する平成21年8月20日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払 え。2反訴 原告は,被告に対し,16万0861円及ひこれに対する平成21年10月23日から支払済みまて年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要1 本件は,借家人の債務の保証委託契約に関して,借家人てある原告 か,保証会社てある被告に対し,不当利得の返還(本訴請求1),不 法行為に基つく損害賠償(本訴請求2)及ひ債務不履行に基つく損害 賠償(本訴請求3)を求め,被告か,原告に対し,保証人の求償権に 基つく債務の履行(反訴請求)を求めるなとした事案てある。2 前提事実(争いのない事実並ひに証拠(甲1ないし3,6,11) 及ひ弁論の全趣旨により容易に認定てきる事実)(1)原告は,昭和56年6月26日生の女性てあり,平成17年3月 18日生の子(A)かいる。(2)被告は,平成11年3月5日会社成立,資本金3億3200万円 の賃貸住宅,店舗及ひオフィス等の入居者の保証人受託業務等を目 的とする株式会社てあり,平成19年11月12日の変更より前に は,信用保証,金銭債権買取,金融業,質屋業等を目的としていた。(3)原告は,株式会社Bから,平成19年11月7日,以下の約定等 て,名古屋市(以下略)所在の△△○階○号室(以下「本件建物」 という。)を賃借し(甲1。以下「本件賃貸借契約」という。), 本件建物の引渡しを受けた。1 期間 平成19年11月7日から平成21年11月6日まて
 2 賃料及ひ共益費(以下「賃料等」という。)1か月7万8000円(賃料7万円,共益費8000円)
支払期日 毎月末日限り翌月分を支払う。
3 原告か賃料等の一部ても支払を遅延した場合,原告は遅延した金額とこれに支払日の翌日から支払をなした日まて年14%(1年 を365日とした日割計算)の割合による遅延損害金を付してBに 支払う。(4)B,原告及ひ被告は,平成19年11月7日,以下の約定を含む 「住み替えかんたんシステム」の契約(甲3。以下,この契約全体 を「本件住み替えかんたん契約」という。)を締結して,原告は, 被告に対し,本件賃貸借契約に基つく原告のBに対する債務の連帯 保証を委託し(以下「本件保証委託契約」という。),被告は,B に対し,同日,本件賃貸借契約に基つく原告のBに対する債務を連 帯保証した(以下「本件連帯保証契約」という。)。1 期間 平成19年11月7日から平成20年11月6日まて
2 初回保証委託料 4万0500円
3 原告は,被告に対し,本件保証委託契約締結後1年経過ことに,1万円の更新保証委託料(以下「経過更新料」という。)を支払う。
 4 原告か賃料の支払を1回ても滞納した場合,本件保証委託契約は,B及ひ原告の承諾の有無にかかわらす無催告て自動的に債務不 履行解除された上て,自動的に同一条件て更新される(以下「解除 更新特約」といい,この更新を「解除更新」という。)。5 解除更新の場合,原告は,被告に対し,その都度1万円の更新 保証委託料(以下「解除更新料」という。)を支払う(以下「解除 更新料特約」という。)。6 被告は,原告か2か月分以上賃料の支払を滞納したとき又は原 告か2か月以上更新保証委託料の支払を滞納した場合は,B及ひ原 告の意向にかかわらす,被告単独にて本件賃貸借契約を解除するこ とかてきる(以下「単独解除特約」という。)。7 B及ひ原告は,前記6の場合,被告かB及ひ原告の意向にかかわらす本件賃貸借契約についての契約解除権を行使することに異
議を述へない。
8 原告か本件賃貸借契約に基つき負担する債務の履行の全部又は一部を遅滞したため,被告かBから本件連帯保証契約に基つく債務 (以下「本件連帯保証債務」という。)の履行を求められたときは, 被告は原告に対して民法所定の事前の通知をすることなく,本件連 帯保証債務の履行(代位弁済)をすることかてきる。9 被告か本件連帯保証債務の履行をしたときは,原告は,被告に 対し,その弁済額,弁済に要した費用その他被告か負担した費用の 全額を速かに償還する。10 被告は,本件賃貸借契約か解除その他の事情によって消滅・終 了したときは,Bに対し,被告の費用負担をもって速かに原告を 本件建物から退去させて建物をけ渡させるように努力する。11 原告は,被告に対し,被告か前記10等に基つき本件建物の渡 し手続をとるために必要な限度において,トア施錠の解除及ひ取替 並ひに本件建物内への入室・家財道具等の動産類の搬出・保管を行 うことを予め許諾する。12 契約期間満了1か月前まてに,B又は被告からの書面による解 約の申出かない場合には,本件住み替えかんたん契約は当然に1年 間更新され,それ以降も同様とする。(5)原告は,Bないし仲介業者に対し,平成19年11月2日ころま てに,本件賃貸借契約について11月分の賃料5万6000円及ひ 共益費6400円,家財保険料2万1000円,室内殺菌消毒・消 臭セット代2万1000円,安心入居サホート代1万5750円, 事務手数料3万1500円,本件保証委託契約の初回保証委託料4 万0500円(Bないし仲介業者を通して,被告に支払われたものと認められる。)の合計19万2150円を支払った。
 (6)原告は,Bに対し,平成21年6月ころ,本件建物をけ渡した。 (7)原告は,名古屋市○区社会福祉事務所長から,平成21年5月20日,就労収入の喪失により,保護開始の定を受け,同年6月1
日,児童手当を認定された。
 3 本訴請求1について (1)原告原告は,被告に対し,以下のアないしウ(「原告主張ア」なとと いう。以下同様。)のとおり主張して,10万5028円及ひうち 10万円に対する平成21年7月25日から支払済みまて民法所定 の年5分の割合による利息の支払を求めており,後記(2)エ及ひ オの被告の相殺の抗弁に対して,以下のエ及ひオのとおり認否する なとして争っている。ア 原告は,被告に対し,平成20年中に,以下のとおり解除更新 料合計10万円を支払った。1 1月22日 1万円
2 2月29日 1万円
3 3月28日 1万円
 4 5月27日 1万円
 5 7月11日 1万円
 6 8月26日 1万円 710月6日1万円
 8 10月30日 1万円 912月1日1万円
 10 12月26日 1万円イ 解除更新料は,実質的に委託を受けた連帯保証人(被告)に対
する損害賠償の予定ないし違約金て,解除更新による平均的損害は 存在しないから,その全部か平均的損害の額を超えるし,解除更新 特約は,貸主(B)に対する賃料支払義務を,連帯保証人(被告) に対する義務にもするとともに,解除更新料特約は,上記のとおり 連帯保証人(被告)に対する損害賠償の予定等を定めるものて,義 務を加重しているし,解除更新特約は,賃借人(原告)の債務不履 行により自動的に解除されるものとして,相当期間を定めた催告及 ひ解除の意思表示を不要とし,賃借人の解除から免れる機会を喪失 させて権利の制限をしており,当事者相互の信頼関係を基礎とする 継続的契約についての信頼関係破壊の法理にも反しているし,さら に,被告は,原告に,初回保証委託料(4万0500円),経過更 新料(1年ことに1万円)及ひ求償の際の年14.6%の割合によ る遅延損害金を支払わせるのに加え,解除更新料(毎回1万円)を 支払わせるなと,解除更新特約及ひ解除更新料特約は,消費者契約 法9条1号及ひ10条に反するものて,公序良俗(民法90条)に も反しており,無効てある。ウ 被告は,前記アの解除更新料(合計10万円)を不当利得して おり,本件住み替えかんたん契約締結の時点て,解除更新特約及ひ 解除更新料特約か無効てあることを認識していたから,悪意の受益 者てあって,利息を計算すると別紙更新保証委託料計算書記載のと おりとなる。エ 後記(2)エは,否認ないし争う。
オ 後記(2)オは,争う。
 (2)被告
これに対し,被告は,以下のアないしウ(「被告主張ア」なとと いう。以下同様。)のとおり認否するなとし,エ及ひオのとおり相殺の抗弁を主張して争っている。
ア 原告主張アのうち,原告から被告に1ないし6,8及ひ10の合計8万円の支払かあったこと,1ないし6及ひ10の合計7万円の支 払か解除更新料の支払てあったことは認めるか,その余は否認する。
 原告主張ア8の1万円の支払は経過更新料の支払てあった。イ 原告主張イのうち,被告か原告から,初回保証委託料(4万0 500円),経過更新料(1年ことに1万円),解除更新料(毎回 1万円)及ひ求償の際に年14.6%の割合による遅延損害金の支 払を受けたことは認めるか,その余は否認ないし争う。遅延損害金の請求は,被告内部のシステム変更等による混乱に より,原告との間ては合意かないのに,誤って行われたものてある。 被告は,解除更新料特約を,賃料の滞納事故を繰り返す入居者に対 して自らより安い賃料の物件への転居を促す目的て導入したか,シ ステム上の問題なとも相まって所期の目的とは異なる効果問題 か生したため,平成20年12月以降廃止し,それまての約1年間 に受領した解除更新料は,順次返還又は相殺して処理している(前 記アて認めた解除更新料(7万円)についても,後記オのとおり相 殺する。)。ウ 原告主張ウは,否認ないし争う。
エ 被告は,原告か支払を遅滞した本件賃貸借契約の平成21年4月分ないし6月分の賃料等について,各月とも28日に7万800 0円すつ(合計23万4000円)をBに支払い,各月とも振込手 数料210円(合計630円)を要したのて,原告に対し,合計2 3万4630円の求償金債権を有している。オ 被告は,前記アて認めた7万円の解除更新料の返還債務と前記 エの求償金債権とを対当額て相殺する。4 本訴請求2について (1)原告
原告は,被告に対し,以下のとおり主張して,合計125万円及 ひこれに対する訴状送達の日の翌日てある平成21年8月20日か ら支払済みまて民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を 求めている。カ 被告は,原告に対し,原告の無知及ひ窮迫に乗し,法律上の原 因かないことを知りなから,解除更新料等の徴収に根拠かあるかの ように装い,また,被告か正当に原告に退去を求めることかてきる かのように装って,原告に解除更新料10万円等の理由のない支払 をさせ,さらに,毎月の支払期日前後に,約5分間に10回以上の 不在着信を残すなとの原告への執拗な請求退去の勧告等を何度 も行った。キ 原告は,被告の前記カの行為により,被告の請求退去の勧告 等か正当なものたと誤信して,幼い子をかかえなから,罪の意識に 苛まれ,経済的に苦しい中て,根拠のない部分を含め精一杯の支払 をし,被告の攻撃的な電話による督促等に悩まされ,睡眠障害う つ病に陥り,その結果,生活保護を受けさるを得なくなるなと,多 大な精神的苦痛を被った。ク 前記カ及ひキの被告の原告に対する不法行為による慰謝料とし ては110万円か相当てあり,弁護士費用としては15万円か相当 てある。(2)被告 これに対し,被告は,以下のとおり認否するなとして争っている。カ 原告主張カは,被告か原告から被告主張アの限度て支払を受け たこと,被告か原告に求償金の請求をしたり,賃料か安い物件への転居を促したことは認めるか,執拗なものてはなかったし,保証会 社てある被告としては,解除権の定めは必須なものてあり,本件住 み替えかんたん契約ては,賃貸人から解除の意思表示かされ,信頼 関係破壊の法理によりそれか有効と判断されるてあろう場合にの み限定して解除権を定めているものて,被告か,単独解除特約に基 つき,本件賃貸借契約の解除を主張して退去を求めたのは,正当な 権利行使てある。キ 原告主張キは,不知ないし否認する。
ク 原告主張クは,争う。
 5 本訴請求3について (1)原告
原告は,被告に対し,以下のとおり主張して,合計3725円及 ひこれに対する訴状送達の日の翌日てある平成21年8月20日か ら支払済みまて民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を 求めている。ケ 原告は,被告に対し,平成21年4月ころ,本件保証委託契約 に関する原告から被告への入金履歴の開示を請求したところ,本件 保証委託契約には開示手数料の規定はないのに,被告は,開示手数 料2100円を支払わなけれは開示しないとして開示を拒絶した。
 さらに,原告は,被告に対し,同年5月30日到達の内容証郵便 て入金履歴の開示を請求したか,被告か同様の理由て開示を拒絶し たため,2150円(50円は過振込)を振り込んて開示を請求し た。コ 前記ケの被告の拒絶行為は,本件保証委託契約の受任者の義務 に反するものてあり,原告は,これにより,前記ケの内容証郵便 の代金1470円並ひに振込金2150円及ひその手数料105円(合計3725円)の損害を被った。 (2)被告
これに対し,被告は,以下のとおり認否するなとして,争ってい る。ケ 原告主張ケは,認める。
コ 原告主張コは,争う。
 6 反訴請求について (1)被告
被告は,原告に対し,前記3(2)の被告主張エのとおり主張し て,被告主張オて相殺後の残金16万0861円及ひこれに対する 反訴状送達の日の翌日てある平成21年10月23日から支払済み まて民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めている。(2)原告 これに対し,原告は,前記3(1)の原告主張エのとおり認否するなとして争っている。
 第3 当裁判所の判断
1 本訴請求1について (1)原告から被告に原告主張ア1ないし6,8及ひ10の合計8万円の支払かあったことは,当事者間に争いかないか,原告主張ア7及ひ 9の支払については,これを認めるに足りる証拠かない。また,原告主張ア1ないし6及ひ10の合計7万円の支払か解除更 新料の支払てあったことは争いかないか,原告主張ア8の支払につ いては,本件保証委託契約締結から約1年後の支払てあり,その時 期からすると経過更新料の支払てあった可能性もあり,解除更新料 の支払てあったと認めるに足りる証拠はない。(2)前記前提事実のとおり,解除更新特約は,原告か賃料の支払を1回ても滞納した場合,本件保証委託契約か,B及ひ原告の承諾の有 無にかかわらす無催告て自動的に債務不履行解除された上て,自動 的に同一条件て更新されるというものてある。しかし,前記前提事実及ひ証拠(甲3)によれは,本件保証委託 契約については,「お家賃の引き落としか間に合わなかった場合に オーナー様へお家賃をお立て替えするサーヒスてす。」とされ,初 回保証委託料か4万0500円とされ(前記前提事実のとおり,原 告は被告にこれを支払っている。),契約締結後1年経過ことに, 1万円の経過更新料を支払うこととされているものて,継続的契約 てある本件賃貸借契約の借主(原告)の債務を保証するものてある。
 それにもかかわらす,上記のように,原告か賃料の支払を1回滞納 したたけて,B及ひ原告の承諾の有無にかかわらす無催告て自動的 に債務不履行解除されるというのは,原告(委託者)か初回保証委 託料4万0500円を支払って,被告(受託者)に対する債務を履 行しているのに,被告か自ら受託した保証債務を履行する前に,自 動的に債務不履行解除されることになるのてあって,らかに契約 の趣旨に反するものてあり(また,この時点において,被告との関 係て「債務不履行」というのも虚偽の論理てある。),その場合自 動的に同一条件て更新されるとされてはいるか,原告はその都度1 万円の解除更新料を支払わなけれはならないとされているものてあ るから,解除更新特約及ひ解除更新料特約は,消費者の権利を制限 しかつ消費者の義務を加重するものてあるし,信義誠実の原則(民 法1条2項)に反して消費者の利益を一方的に害するものてあって, 消費者契約法10条により,無効というへきてある。(3)被告は,賃貸住宅,店舗及ひオフィス等の入居者の保証人受託業 務等を目的とする株式会社てあり,上記目的か目的とされた平成19年11月12日より前においても,信用保証,金銭債権買取,金 融業,質屋業等を目的としていたのてあるから,少なくとも本件住 み替えかんたん契約締結の時点ては,前記(2)のとおり,それ自 体からかに本件保証委託契約の趣旨に反している解除更新特約及 ひ解除更新料特約か消費者契約法10条により無効てあることを知 っていたものと推認され,これを覆すに足りる証拠はない。それにもかかわらす,被告は,前記(1)のとおり,原告から解除 更新料(合計7万円)の支払を受け,これを不当利得していたのて あって,悪意の受益者と認められる。(4)被告は,原告に対して負担する解除更新料(合計7万円)の返還 債務と,原告に対して有する求償金債権とを対当額て相殺するとし て,原告か支払を遅滞した本件賃貸借契約の平成21年4月分ない し6月分の賃料等について,各月とも28日に7万8000円すつ (合計23万4000円)をBに支払い,各月とも振込手数料21 0円(合計630円)を要したのて,被告は,原告に対し,合計2 3万4630円の求償金債権を有している旨主張し,乙1号証及ひ 2号証を提出する。しかし,原告はこれを争っており,被告か原告に開示した「こ入金 細書」(甲5)並ひにこれと同様のものとして被告か証拠として 提出した乙1号証及ひ2号証は,いすれも相互に異なる部分かあり, 「預り金」(甲5),「余剰金」(乙1)なとという名目て,不 瞭な処理を行っていたのてあるし(乙2号証てはこれらの名目はな くなっているか,乙2号証は本件本訴の提起から1年以上経過した 第5回弁論準備手続期日(平成22年10月25日)に提出された ものてあり,それより前の処理か杜撰てあったことを否定てきるも のてはない。),このような状況にありなから,被告は,「集金代行におけるお家賃お振込み細書」と題する管理会社に対し振り込 んた入居者ことの金額か記載された振込情報の一覧表等は証拠とし て提出しないなととしている(平成22年5月6日付け被告準備書 面5)のてあって,乙1号証及ひ2号証甲5号証の記載は直ちに 採用することかてきす,他に被告の上記主張を認めるに足りる証拠 はない。(5)以上によれは,別紙(添付省略)判計算書記載のとおりの利息 計算となり,原告の本訴請求1は,7万1931円及ひうち不当利 得金7万円に対する平成20年12月27日から支払済みまて民法 所定の年5分の割合による利息の支払を求める限度て理由かあり, その余は理由かない。2 本訴請求2について (1)前記前提事実及ひ前記1の認定事実等に証拠(甲5,14ないし16,乙1,2。たたし,原告の陳述書(甲16)については,以 下の認定に反する部分を除く。)及ひ弁論の全趣旨を総合すると, 被告は,消費者契約法10条により無効てあることを知りなから, 原告に,解除更新特約及ひ解除更新料特約を含んた本件住み替えか んたん契約を締結させて,解除更新料合計7万円を支払わせ,これ に加えて,原告に,年14.6%の割合による遅延損害金を支払わ せて自らこれを取得し,さらには,前記1(4)のような不瞭な 処理を行い,Bへの家賃等の振込手数料210円のほかに,「振込 手数料」として840円,「その他・別途振込手数料」として34 96円(甲15)なとと,根拠のらかてない金銭も含め原告に過 分な支払をさせていたこと,原告か何回か支払を遅滞した後は,原 告とBとの間の信頼関係か破壊されたと認められる状況には至って いないにもかかわらす,本件建物から出て行くように働きかけていたこと,被告は,資本金3億3200万円の賃貸住宅,店舗及ひオ フィス等の入居者の保証人受託業務等を目的とする株式会社て,本 件住み替えかんたん契約の契約書(甲3)「こ入金細書」(甲 5)は被告の上記業務についての一連のシステムの中て作成された ものてあり,このような不当な請求退去の勧告を組織的に行って いたことか認められ,社会通念上許容される限度を超えたものて, 不法行為に該当するものというへきてある。また,上記証拠等によれは,これらの被告の行為によって,原告 は,被告の請求する金額(たたし,上記のとおり,過大ないし根拠 の不確なものを含む。)を支払えないこと,本件建物からの退 去の勧告に,精神的に圧力を感し,心身の不調をきたすなと,少な からぬ精神的苦痛を被ったことか認められる。しかし,原告は,原告本人尋問の申出をしておきなから,その後, 心身の状況による可能性はあるものの,原告訴訟代理人らからも連 絡か取れない状態にして放置しているのてあって,原告の陳述書(甲 16)に記載かあるからといって,反対尋問を経ないまま直ちにこ れを採用することはてきないのてあり,その余の原告主張カ及ひキ の事実については,これを認めるに足りる証拠はない。(2)以上によれは,被告の前記(1)の不法行為により,原告か被っ た精神的苦痛に対する慰謝料としては,20万円か相当てあり,弁 護士費用としては,5万円か相当てある。そうすると,原告の本訴請求2は,被告に対し,25万円及ひこ れに対する訴状送達の日の翌日てある平成21年8月20日から支 払済みまて民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め る限度て理由かあり,その余は理由かない。3 本訴請求3について
(1)原告か,被告に対し,平成21年4月ころ,本件保証委託契約に 関する原告から被告への入金履歴の開示を請求したこと,本件保証 委託契約には開示手数料の規定かないこと,被告は,原告の上記開 示請求に対し,開示手数料2100円を支払わなけれは開示しない として拒絶したこと,原告は,被告に対し,同年5月30日到達の 内容証郵便て入金履歴の開示を請求したこと,被告は,上記内容 証郵便による開示請求に対しても,上記と同様の理由て開示を拒 絶したこと,その後,原告は,被告に対し,2150円(たたし, 50円は過振込)を振り込んて開示を請求したことは当事者間に争 いかない。(2)被告は,本件保証委託契約の受任者として,委任者てある原告か ら請求かあるときは,委任事務の処理の状況を報告する義務かあり (民法645条),本件保証委託契約は有償て,原告は初回保証委 託料4万0500円を被告に支払っており,種々の詳細な規定をお いている中て,開示に関する手数料については規定していないのて あるから,原告の請求か濫用にわたるような特段の事情かある場合 を除き,被告は,原告の請求に対し,手数料なしに入金履歴等の開 示をする義務かあるというへきてある。(3)ところか,被告は,前記(1)のとおり,手数料2100円を要 求して原告の請求を拒み,しかも,原告か手数料を振り込んた後, 「こ入金細書」(甲5)によりこれを開示したものの,前記1(4) のとおり,後に内容を乙1号証,乙2号証と順次変更しているよう に,その正確性に疑問のある履歴しか開示しなかったのてあって, これは,被告の債務不履行てあり,そのため,原告は,支出せさる を得なかった内容証郵便の代金1470円並ひに振込金2150 円のうち被告か開示手数料として要求した2100円及ひその振込手数料105円(合計3675円)の損害を被ったことか認められ る。しかし,原告か誤って振り込んた50円については,不当利得 となり得る可能性はあるものの,被告の上記債務不履行と相当因果 関係のある損害とは認められない。(4)以上によれは,原告の本訴請求3は,被告に対し,3675円及 ひこれに対する訴状送達の日の翌日てある平成21年8月20日か ら支払済みまて民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を 求める限度て理由かあり,その余は理由かない。4 反訴請求について 被告は,原告か支払を遅滞した本件賃貸借契約の平成21年4月分ないし6月分の賃料等について,原告に対し,合計23万4630円 の求償金債権を有している旨主張して,その一部てある16万086 1円及ひこれに対する遅延損害金の支払を請求しているか,前記1 (4)のとおり,上記被告の主張を認めるに足りる証拠はなく,被告 の反訴請求は理由かない。5 よって,原告の本訴請求は,被告に対し,本訴請求1につき,7万 1931円及ひうち7万円に対する平成20年12月27日から支払 済みまて年5分の割合による金員の支払,本訴請求2及ひ3につき, 合計25万3675円及ひこれに対する平成21年8月20日から支 払済みまて年5分の割合による金員の支払を求める限度て理由かあり, その余はいすれも理由かなく,被告の反訴請求は理由かなく,主文の とおり判する。名古屋地方裁判所民事第8部
裁判官 長谷川恭弘
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