主文
1 被告は,原告に対し,20万2500円及ひこれに対する平成17年10月1日から完済まて年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の本訴請求を棄却する。
3 原告は,被告に対し,96万円及ひこれに対する平成21年9月2日から完済まて年5分の割合による金員を支払え。
4 被告のその余の反訴請求を棄却する。
5 訴訟費用は,本訴及ひ反訴を通してこれを5分し,その4を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
6 この判決は,主文1項及ひ3項に限り,仮に執行することかてきる。第1 当事者の求めた裁判
1 原告
(1) 本訴の請求の趣旨
事実
被告は,原告に対し,378万円及ひこれに対する平成17年10月1日 から完済まて年5分の割合による金員を支払え。(2) 被告の反訴請求を棄却する。
(3) 訴訟費用は,本訴及ひ反訴を通して被告の負担とする。
 (4) 仮執行宣言2 被告
(1) 反訴請求の趣旨
原告は,被告に対し,194万5650円及ひこれに対する平成21年9 月2日から完済まて年5分の割合による金員を支払え。(2) 原告の本訴請求を棄却する。
(3) 訴訟費用は,本訴及ひ反訴を通して原告の負担とする。
 (4) 仮執行宣言第2 当事者の主張
【本訴請求原因】
1 被告は,平成17年5月,北海道伊達市a町b番c宅地329平方メートル及ひその地上の木造2階建居宅(家屋番号b番c,1階57.96平方メート ル,2階26.49平方メートル。以下「本件建物」という。)を購入し,その 所有権を取得した。本件建物は,築後かなりの年数を経た建物てあり,長期間空き家のまま放置 されていたこともあって,そのままては居住することか困難と感した被告は, 平成17年5月,知り合いのAから紹介された原告に対し,本件建物の外壁塗 装と内装の改装工事(以下,平成17年5月に注文かあった改装工事を「前回工 事」といい,前回工事を終えた後の翌6月に注文かされた工事を「本件工事」と いう。)を依頼した。原告は,平成17年5月中に前回工事を行い,被告からその代金128万1 000円の支払を受け,その後さらに,次の2ないし6のとおり,本件建物の リフォーム工事として本件工事を行った。2 ハルコニー設置工事の受注及ひ施工
(1) 原告(請負人)は,平成17年6月,被告(注文者)との間て,報酬を確定金額て定めすこれを出来高払として,本件建物の2階南側(1階南側屋根 の上)にハルコニーを設置する工事の注文を受け請負契約を締結した。なお, 原告は,受注の際,被告に対し,ハルコニーへの出入りには踏み台か必要に なることを説明し(甲7),被告は,そのことを了解した上て,ハルコニー 設置工事を注文した。(2) 原告は,株式会社坪井製作所に下請に出してこれを施工し(以下,原告施 工のハルコニーを「本件ハルコニー」という。),本件ハルコニーを被告に引 き渡した。この工事に要した費用は39万4000円てあったから(甲5),これか相当な報酬額てある。
3 サンルーム設置工事の受注及ひ施工
(1) 原告(請負人)は,平成17年6月,被告(注文者)との間て,工事代金 を確定金額て定めすこれを出来高払とする合意の下,本件建物1階南側外壁 に沿ってサンルームを設置する工事の請負契約を締結した。(2) 原告は,平成17年7月上旬ころには,株式会社坪井製作所,北営工業株 式会社及ひ有限会社吉田左官工業所に下請に出してこれを施工し(以下,原 告施工のサンルームを「本件サンルーム」という。),本件サンルームを被告 に引き渡した。この工事に要した費用は107万5100円てあったから(甲5),これ か相当な報酬額てある。4 物置設置工事の受注及ひ施工
(1) 原告(請負人)は,平成17年7月上旬,被告(注文者)との間て,工事代金を確定金額て定めすこれを出来高払とする合意の下,本件建物1階西側から北側の外壁に沿って物置を設置する工事の請負契約を締結した。(2) 原告は,有限会社日和建工に下請に出してこれを施工した(以下,原告施工の物置を「本件物置」という。)。
 この工事に要した費用は96万7475円てあったから(甲5),これか相当な報酬額てある。
5 床下防湿工事の受注及ひ施工
(1) 原告(請負人)は,平成17年6月下旬,被告(注文者)との間て,工事 代金を確定金額て定めすこれを出来高払とする合意の下,床下の防湿工事と しての床下への炭敷き工事と換気口設置工事の請負契約を締結した。(2) 原告は,北営工業株式会社なとに下請に出すなとしてこれを施工した。こ の工事に要した費用は26万5000円てあったから(甲5),これか相当 な報酬額てある。6 台所改修工事及ひ内装工事の受注及ひ施工(一部未施工)
(1) 原告(請負人)は,平成17年6月,被告(注文者)との間て,工事代金 を確定金額て定めすこれを出来高払とする合意の下,台所改修工事(洗面台 設置工事,配電設備工事,給排水工事を含む。以下においても同し。)の請負契約を締結した。
(2) 原告は,株式会社吉野電気商会,株式会社荒川設備,株式会社坪井製作所,株式会社共生,B工務店に下請けに出してこれらを施工したか,平成17年 7月16日ころ,床下に水か溜まっているとして,被告か工事の中止を要求 したため,一部か未施工のまま工事か中止された。既施工部分は原告の利益となるのて,原告は,その出来高に応した報酬の 支払を求めることかてきるところ,施工済みの工事の内容は,別表「原告主 張の工事内容」欄のとおりてあり,その出来高は,別表「金額」欄のとおり てあって,台所改修工事か30万7200円,内装工事か89万1980円 てある。7 まとめ よって,原告は,請負契約に基つき,上記2ないし6の工事(以下「本件各工事」という。)の報酬の一部378万円及ひこれに対する催告(平成17年9 月にされた)の後てある平成17年10月1日から完済まて民法所定年5分の 割合による遅延損害金の支払を求める。【本訴請求原因に対する認否】
1 請求原因1の事実は認める。
 2 ハルコニー設置工事について被告は,乙第4号証に記載のような,この建物にもともと付いていたと思わ れる物干し台(2階の非常口から出入りてきる物干し台)の設置を求めたのて あって,本件ハルコニーの設置を注文した事実はない。被告は,2階中廊下の非常口を床レヘルまて下け,非常口を開けれはそのまま歩いて出られる物干し台か設置されるものと期待していたか,本件ハルコニ ーはこれとは異なり,2階東側の和室の腰高の窓(高さ93センチメートル) から出入りするしかなく,出入りか極めて困難なものてあった。本件ハルコニーは,原告か注文したものと全く異なるたけてなく,物干し台 として普通に使用てきるものてもない。3 サンルーム設置工事について 被告は,1階居間の南側窓の外に木製の「ヘランタ(カラス囲いのない開放されたもの)」の設置を注文したのてあって,本件サンルームの設置を注文し た事実はない。本件サンルームは居間に接続して設置された温室てあり,これ かあるため,夏なとは居間の窓を開けても室内か40度以上になるのてあり, 本件サンルームは有害無益てある。4 物置設置工事について 本件物置は,風呂の窓を室内に含む形て築造されているため,風呂場の湿気か内部にこもるという欠陥かあるし,そもそも,被告は,100万円もの費用かかかる物置の設置を注文したことはない。
 5 床下防湿工事について被告か床下防湿工事を注文した事実は認める。
本件建物は,1脱衣場の点検口床下に敷いてあったタンホールか水浸してあ った,21階西側和室(6畳)の押入の床に大量のカヒか発生していた,31 階居間のフローリンクのカーヘットの下には一面に黒カヒか発生していた,4 1階の二つの和室には畳の上にカーヘットか敷かれていたか,いすれもカーヘ ットの下にカヒか発生し,畳かカヒたらけてあったことから,床下防湿工事は 不可欠と考えられた。そのため,被告は床下防湿工事を注文したのてある。ところて,本件建物の床下に水か溜まる現象は,基礎外側の地表面よりも基 礎内側の床下の地表面の方か低いことか原因てあり,ますは床下に土やコンク リートを入れて地表面の高さを同一にし,その上て防湿対策を講しる必要かあった。
 ところか,原告は,床下にヒニールを敷き,その上に炭を敷くたけて,根本的な防湿対策を講しようとしなかった。原告か施工した床下防湿工事は何ら防 湿効果のないものてあった。平成17年7月16日,畳の入替えに来た業者か床板を外したところ,床下 のヒニールの上には,水道からの漏水てはないかと思われるくらい水か溜まっ ている状況てあった。被告は,すくに水道業者に調へてもらったか水道からの 漏水てはなかったため,原告に連絡して対処を要求した。ところか,原告は, 何も対応してくれなかった。床下の防湿対策は,被告か本件建物て居住するための最重要課題てあり,一 級建築士の資格を有する原告は,その重要性に気付かないということはありえ ない。ところか,原告は,その重要性か分かっていなから,被告に適切な助言 もせす,適切な対策を講しないまま適当にリフォーム工事を終えようとしてい たのてある。6 台所改修工事及ひ内装工事について これら工事に関する認否は,別表「被告の認否」欄のとおりてある。なお,被告か原告に注文したのは,台所の流し台の改修(別表の1),洗面台の設置 (同4),必要な配電設備(同6),1階居間のクロスの貼替え,階段の修理 (同9,10,30),便所のクッションフロア(同11)の貼替え,1階居 間の床板の張替え(同12),台所の窓カラスの取替え(同22),木製建具 の取替え(同29),台所の網戸の取替えてあり,それ以外の工事は注文して いない。【本訴抗弁-相殺】
1 被告は,原告か行った床下防湿工事に必要な炭として,23万円て竹炭を購入し,これを原告に渡し,床下に敷いてもらったか,本訴請求原因に対する認 否5に記載のとおり,原告かした床下防湿工事は何ら防湿効果かないものてあり,原告の誤った判断により,被告は,23万円の不要な出費をし,同額の損害を被った。
2 仮に,本件各工事に係る何らかの報酬債権かあるとしても,被告は,訴訟上,本件各工事の報酬債権と上記23万円の損害賠償債権と対当額て相殺する旨の意思表示をした。
 【本訴抗弁に対する認否】
1 原告か当初提案した床下防湿対策は,換気口設置工事(換気口周囲の土砂を 取り除いて換気口を設置する工事)てあったか,被告か床下に炭を敷くことを 強く求め,独断て竹炭を購入してきたため,炭敷きかとれほとの防湿効果かあ るのか疑問てあったか,被告の指示に従ってこれを敷いたのてある。竹炭購入 代金は,被告自身の判断によるものてある。2 同2は争う。
 【反訴請求原因】
1 本件物置の撤去か必要なこと(乙16)
(1) 本件物置は,本件建物の外壁に接続し,基礎もある23.47平方メートルの規模のものてあり,建築基準法の適用かある(物置につき建築基準法の 適用除外となるのは,既存建物から独立している場合て,床面積か10平方 メートル以下の場合のみてある-建築基準法施行令40条,平成12年建設 省告示第1347号1条1項)。また,本件物置は本件建物に緊結されているため,本件物置増築後の建築 物の構造方法か「耐久性等関係規定に適合し,かつ,自重,積載荷重,積雪 荷重,風圧,土圧及ひ水圧並ひに地震その他の震動及ひ衝撃による当該建築 物の倒壊及ひ崩落並ひに屋根ふき材,外装材及ひ屋外に面する帳壁の脱落の おそれかないものとして国土交通大臣か定める基準に適合する構造方法」に 該当する必要かある(建築基準法施行令137条の2第1号イ)。ところか,本件建物は,有効な大量壁の設置かないため,本件建物を補強しないまま本件物置を増築しても,建物倒壊の危険性を著しく増大させるたけてあり,本件物置設置工事は違法てある。
(2) さらに,本件物置それ自体も,基礎か束基礎てあって平成12年建設省告示第1347号に反しており,室内側の防火被覆かなく平成12年建設省告示第1362号に反しており,建築基準法に違反している。
(3) したかって,本件物置は,撤去か必要てあるところ,その撤去には,34 万6500円か必要てある(乙20)。原告は,法令を遵守し,安全性を確 保した構造物を建築すへき契約上の義務を負うのにこれを怠ったから,その撤去費用を賠償すへき責任を負う。
2 本件サンルームの撤去か必要なこと(乙16)
(1) 本件サンルームも本件建物の外壁に緊結されており,本件物置と同様,そ の設置工事は,建築基準法施行令137条の2第1号イに違反する違法な工 事てある。(2) また,本件サンルームは,単独ての構造安全性を有しておらす,国土交通 省告示第410号第6に違反している。(3) 本件サンルームの基礎(ヘタ基礎)は深さか30センチメートルしかなく, 伊達市の凍結深度か50センチメートルてあることから,基礎か凍結して損 壊する危険かあり(平成12年建設省告示第1347号1条3項4違反), 本件建物の屋根からの落雪てカラスか損傷する危険もあり,撤去か必要てあ る。(4) 本件サンルームの撤去には42万2100円か必要てある(乙20)。原 告は,既存建物を補強しないまま,本件サンルームの設置工事を行い,本件 建物倒壊の危険性を著しく増大させた違法な工事を行ったから,その撤去費 用を賠償すへき責任を負う。3 本件ハルコニーの撤去か必要なこと 本件建物の2階床梁に対する荷重を増大させ,既存建物の構造安全性を低下させるものてあって,建築基準法20条1項に違反しており,使用か困難てあ ることからも撤去か必要てある。本件ハルコニーの撤去には,13万6500円か必要てある(乙20)。
 4 調査費用の発生被告は,本件物置,本件サンルーム,本件ハルコニー各設置工事による本件 建物に対する構造安全性の検証のため,ハウスサホート有限会社一級建築士事 務所に調査を依頼し,その調査費用として合計113万6100円を支払った か(乙17,18,19),これは原告の違法な工事に起因して被告に生した 損害てある。5 まとめ 上記1ないし3の撤去工事は,一度に全部行えは80万9550円て済むから(乙16の18頁),被告は,反訴請求として,原告に対し,本件物置,本 件サンルーム及ひ本件ハルコニーの撤去費用80万9550円及ひ上記4の調 査費用113万6100円の合計194万5650円の損害賠償金の支払及ひ これに対する反訴状送達の日の翌日以降の民法所定年5分の割合による遅延損 害金の支払を求める。【反訴請求原因に対する認否】
1 本件物置,本件サンルーム及ひ本件ハルコニーの設置工事は,いすれも,被告の注文に基つき,注文に従って施工されたものてあり,その施工は,請負契約における債務の本旨に従ってされたものてあって,何ら債務不履行てはない。
 2 また,被告は,それら工事をてきるたけ安い費用て行うことを強く希望して いたのてあって,それら工事施工後の建築物全体につき構造計算を行うことや 本件建物の耐力壁の補強工事を行うことは,非常に多額の費用を要することか ら,被告の意図に反することか明らかてあり,構造計算や本件建物の補強工事 を行わすに本件物置,本件サンルーム及ひ本件ハルコニーの設置工事を行ったとしても,原告に何らかの義務違反か生しるとはいえない。
3 したかって,被告の反訴請求は法的根拠を欠くものというへきてある。
 理由第1 事実経過について
乙第1,第4ないし第9号証,第13号証,第16号証及ひ原告及ひ被告各 本人尋問の結果並ひに弁論の全趣旨(専門委員を同行した平成21年6月24 日の進行協議期日における本件建物の検分状況を含む。)によれは,以下の事実 か認められる。1 本件工事を依頼するに至った経緯等
(1) 被告は,昭和17年2月20日生まれの女性て,北海道職員として長年勤務しており,単身て札幌市内の公団住宅に居住していたか(長女かいるか静 岡県に居住している。),化学物質過敏症と診断されていたことから,60歳 て定年退職をしたことを機に伊達市て住むことを決意し,適当な不動産を探 していた。被告は,平成17年5月,Aから勧められ,本件建物及ひその敷地を86 0万円て買い受けた。(2) 本件建物は,昭和41年に建築された建物てあり,被告は,Aから,建築 確認のため作成された一枚の古い図面(乙4。以下「確認図面」という。)の 交付を受けた。確認図面に記載された平面図と立面図は別紙図面1のとおり てある。本件建物の間取りは,確認図面と同様てある。1階には,玄関横の四畳半 の和室,居間兼台所及ひ六畳の和室の3室に脱衣場と風呂かあり,2階には, 押入と中廊下を挟んて2つの和室かある。(3) 本件建物は,老朽化している上,何年か空き家のままてあったため,外壁 塗装や内装を改装する必要かあり,被告は,平成17年5月中に,Aから紹 介された原告に,それら改装工事(前回工事)を注文した。原告は,一級建築士の資格を有するか,建設会社に勤務する会社員にすきす,個人て建設業を営んているわけてもなかったため,前回工事をすへて下 請業者に発注してその施工をさせた。前回工事に際し,原告は,被告から口頭て簡単な注文を聞いたたけて施工 を引き受け,施工箇所ことの費用を積算した見積書を発行することもせす, とのような施工を行うかを図面て説明することもしないまま施工を行い(そ のため,前回工事の施工内容の詳細は必すしも明らかてはない。),施工後, 被告に128万1000円の請負代金を請求した。被告は,見積書も図面も示されないことに特段の疑問も抱かす,平成17 年6月8日,Aの自宅て,原告にその支払をし,その後の同月24日,本件 建物内に荷物を運ひ入れた。(4) 前回工事たけては,必すしも,本件建物か居住に適した状態にはなってい なかった。最大の問題は床下の湿気てあった。本件建物1階3室の床や畳の上にはカ ーヘットか敷かれていたか,床下の湿気か室内にまて上かってきており,カ ーヘットを剥かすと床板も畳もカヒたらけの状態てあり,脱衣場の点検口か ら覗くと,床下地表面に置かれたタンホールか水浸しになっており,早急に 床下防湿対策を講しる必要かあった。それ以外にも,被告の家財道具や荷物を収納するための物置を広くする必 要かあったし,窓の木枠に腐食している部分かあって窓の開閉かしにくい, 階段か痛んている等の不具合かあった。また,被告は,1階居間の南側には,外の風に触れるための縁台のような もの(被告かいう「ヘランタ」)を設置した方か良いと感していたし,2階 には確認図面に記載されたような物干し台(本件建物には設置されていなか った。)かある方か便利と考えた。(5) そのため,被告は,平成17年6月24日の前後ころあるいはそれ以前に, 原告に対し,1床下の防湿工事を行うこと,2物置を改築すること,31階の居間南側に「ヘランタ」を設置すること,4確認図面に記載されたのと同 様の物干し台を設置すること,5窓枠及ひ階段の補修,6台所の流し台ステ ンレス部分と窓カラスの取替え,71階居間の床板と和室の畳の取替え,8 洗面台の設置,9便所のクッションフロアの張替え,10配電設備の取替えと いった工事を注文した。(6) 被告は,確認図面に記載されているように,2階中廊下の非常口から出入 りする物干し台の設置を注文したつもりてあり,非常口を掃き出し窓に改造 した上て,そこを出入り口とする物干し台か設置されるものと思っていた。しかし,確認図面と本件建物の現状は異なっており,本件建物の1階の屋 根は,別紙図面2のとおり,2階窓枠のすく下に迫っているため,屋根の一 部を破壊しない限り,確認図面に記載されたのと同様の物干し台を設置する なと不可能てあった。(7) 被告か設置を希望した「ヘランタ」とは,縁側とかテラスの類の1階居間 の床と同一平面を成す,カラス囲いのない構造物てある。2 原告による代金請求と支払拒否 原告は,本件工事についても,前回工事と同様,被告と細かな打合せをすることなく,施工内容の概略を説明する図面なとも作成交付することなく,さら には施工内容,材料費,工賃を記載した見積書を作成交付することもないまま, 平成17年7月10日ころまての間に,本件物置,本件サンルーム,本件ハル コニーの設置工事,内装工事等を下請業者に発注して施工し,同年7月11日 付けの483万円の見積書(乙6)を被告に交付した。被告は,請求金額か予想外に高額なものてあったことに驚いた。被告は,今 回は金を支払わなかった。3 床下防湿工事について
(1) 本件建物の基礎は,別紙図面2のとおり,外周たけか布基礎となっており,内部は束基礎となっていて,床下に地盤の土砂か露出している。しかも,床下地表面か周辺地表面より概ね30センチメートル程度も低くなっている。
 床下地表面と周辺地表面(例えは南側の庭や東側玄関先の道路)にこれた け段差かあれは,建築業者や建築士か本件建物に入れはすくに気付くことて あり,床を一部外して床下地表面を目視すれは容易に確認てきることてあっ た(たたし,この事実は書証からは全く分からない。平成21年3月4日の 第6回口頭弁論期日における床下防湿工事に関する専門委員の意見も,この事実か分からないまま述へられたものてある。)。
(2) 上記のような地盤の段差かあるため,床下地表面は水か浮き出やすい状態にあり,この状態を改善する必要かあった。
 抜本的な防湿対策は床下地表面をコンクリートて覆うことてある。たたし,そこまてしなくとも,床下地表面を周囲と同し高さまて土砂て埋め,水か地 表面に浮き出ないようにした上て,地表面を防湿ヒニールシートて覆うこと ても相応の防湿効果は得られる。(3) ところか,床下防湿工事として原告か行ったのは,床下通風口周辺の土砂 を取り払い,通風口の(柵状の)金属枠を取り替え,床下地表面をヒニール シートて覆うというたけてあった。このようなことをしても,床下地表面に 水か浮き出すことを食い止めることかてきないし,そうなった場合,ヒニー ルシートも水浸しになるのて,防湿対策としては極めて不十分てあった(乙 1の番号21ないし24の写真)。なお,被告は,防湿対策として床下に竹炭を置くことを主張し,自らの判 断て23万円を出費して竹炭を購入してきた。そのため,原告は,ヒニール シートの上に竹炭を置いた。4 工事中止の経緯 被告は,平成17年7月16日,畳の入替えに来た業者か床板を外した際,床下のヒニールシートか,水道からの漏水てはないかと思われるくらい水浸し になっていることに気付き,すくに水道業者に調へてもらったか水道からの漏水てはなかったため,原告に連絡して対応を要求した。しかし,原告は対応し ようとしなかった。そこて,被告は,伊達市役所の建築課,一級建築士事務所 協会伊達支部長に相談に行った。被告は,その後,Aや一級建築士事務所協会伊達支部長を交えて,原告と善 処方を話し合ったか,もはや原告に工事を行わせるつもりはなく,平成17年 7月16日に中断した本件工事か再開されることはなかった。原告は,出来高か409万5000円てある旨を記載した平成17年9月1 日付け見積書(乙5)を被告に送付したか,被告は,その支払にも応しなかっ た。5 本件物置設置工事について 本件物置は床面積か23.47平方メートルてあるため,本件建物の増築には建築確認申請か必要てある。 しかしなから,本件物置は,その基礎か束基礎てあって建築基準法20条4号に違反しているし,防火被覆かない点ても建築基準法22条,23条に違反 しており,構造安全基準を充足しない違法な建築物てある。また,本件物置は,風呂の窓を覆うように設置されているため(乙1の番号 20の写真,乙8の番号10の写真),内部に風呂場の湿気かこもり,カヒや 結露か発生しやすい構造となっており,物置として必要な性能を欠いている。したかって,本件物置は,被告の注文に基ついて建築されたものの,著しい 瑕疵かある。そして,その違法状態を解消し瑕疵を是正するためには,一旦こ れを撤去し,10平方メートル未満て,かつ,風呂場の窓を覆わない形て設置 し直す必要かある。6 本件ハルコニー設置工事について 被告か希望する物干し台の設置は不可能てあったか,原告は,その説明はせす,ともかく物干し台を設置することにし,2階東側四畳半の和室の窓から出 入りするよう物干し台を設置することにした。そのため,物干し台の大きさも,確認図面に記載されたものより大きなものとなった。その結果,出来上かった ものか本件ハルコニーてある。本件ハルコニーに出入りする窓枠は上下約90センチメートルて,畳から9 5センチの高さにあるか,被告の身長は150センチ程度てあるから,非常に 高い階段状の踏み台を付けないと被告か本件ハルコニーに出ることかてきない (乙第1号証の番号34,35の写真)。ところか,高い踏み台を置くと,今 度は,深くかかまないとハルコニーに出ることかてきないし,本件ハルコニー に出た場合,今度は和室に降りるにはさらに困難な体勢を強いられる。すなわ ち,普段の生活て,被告か本件ハルコニーを物干し台として使用することは, 事実上不可能てある。7 台所の現状について(乙1番号1ないし8の写真) 流し台に設置されたステンレス部分は明らかに中古品てあって,流し台のステンレスは新調されていない。 洗面台は,流し台の横に洗面台か設置されている。被告は,ふけや髪の毛か流し台に及ふおそれかあるため,その設置場所に不満を抱いているか,脱衣場 に置くことか不可能なため(脱衣場の三か所の扉の開閉の関係て,脱衣場には 洗面台を置くことかてきない。),洗面台は他に置く場所かない。台所の電気工事や給排水工事は完了しておらす,流し台や洗面台て電気と水 道か使用てきる状況にはない。流し台の上部には窓かあり,窓枠の上部には戸棚か設置されていたか,戸棚 の最下部は床から180センチほとの高さにある(乙8の番号14の写真)。 すなわち,被告か到底手か届かない場所に戸棚か取り付けられている。8 窓枠の取替えについて 本件建物の窓は,もともと,木製の窓枠に4本の溝を作り,引き違い戸の外窓と内窓を設置するという二重窓構造てあったか,その後,木製の窓枠の外側 からアルミサッシ窓か取り付けられ,被告か本件建物を購入した時点ては,結果として三重窓となっていた。 結露の影響て木枠下部の溝部分か腐食していたか,本件工事ては,腐食部分の補修はされす,溝部分の上に板を張って腐食部分を隠し,木枠の内側(部屋 側)にフラスチック樹脂製の枠を取り付け,その枠を利用してフラスチック樹 脂製の内窓か設置された(乙1の番号28,29の写真,乙8の番号18ない し21の写真)。被告は,化学物質過敏症てあったため,てきるたけ木を使用して内装工事を 行うことを希望しており,窓枠についても,もともとの木枠の腐食部分を補修 し,補修した木枠に既存の木製窓を嵌めて使うつもりてあった。そして,その ような窓の改修工事を注文したつもりてあったか,希望に反してフラスチック 樹脂製の内窓か設置されたものてある。第2 床下防湿工事(被告の相殺主張)について
1 前記の事実か認められるところ,原告かした床下防湿対策は,床下通風口の 確保と枠の取替え及ひヒニールシートの敷設てあり,このようなことは,本件 建物の床下防湿対策として無意味てあるから,原告は,債務の本旨に従った床 下防湿工事を何ら施工していないというほかなく,床下防湿工事に関する原告 の代金請求は理由かない。2 竹炭の敷設か防湿にとれほとの効果かあるのかは不明てあり,被告か床下に 竹炭を置こうとした理由も不明てあるか,原告の何らかの義務違反行為によっ て被告か竹炭の購入を余儀なくされたとの事実関係を証拠によって認定するこ ともてきないから(竹炭の購入か自発的てあったことは被告も陳述書-乙13 -2頁目において認めている。),被告か原告に対し竹炭の購入費の賠償を求め る根拠も肯定することはてきす,被告の相殺の主張は理由かない。第3 本件ハルコニー設置工事について
1 前記認定のとおり,本件ハルコニーは実用に耐えないことか明らかてあって, 被告かこのようなハルコニーの設置を注文したとか,事後にその設置を了解したとは到底考えられない。したかって,被告か陳述書(乙13)や本人尋問に おいて供述するとおり,被告か注文したのは確認図面に記載されたのと同様の 物干し台てあったと考えられるのてある。2 被告か注文した物干し台を設置しようと思えは,多額の費用を投して,屋根 と外壁の一部を破壊し,破壊部分周辺に大かかりな補強工事を施し,非常口を 掃き出し窓に改造する必要かあるか,そのようなことは全く現実的てはなく, 被告か注文した物干し台の設置は事実上不可能てある。したかって,建築の専門家てある原告としては,被告のいうような物干し台 の設置は不可能てあると説明すへきてあり,注文と似ても似つかないハルコニ ーを独断て設置することは許されない。ところか,原告は,被告にその説明をしないまま,実用性なと全く検討もせ す,被告か思いもしなかった本件ハルコニーを設置したものてある。3 注文と全く異なる工事をしても,請負人かその工事の報酬を請求することか てきないのは当然てあるし,注文者かそのような工事の成果を受領する義務は ない。また,請負人は,請負契約に伴う付随義務として,注文者の利益に反する工 事や注文と全く異なる工事をしない義務を負うと解されるから,注文者の利益 に反する工事を行うことは債務不履行(付随義務違反)に該当する。したかって,原告は,本件ハルコニーの撤去に要する費用について,債務不 履行による損害としてこれを賠償する責任を負う(民法415条)。第4 本件物置設置工事について
1 前記認定のとおり,本件物置は,被告の注文に基ついて設置されたものてあ るか,著しい瑕疵かあり,一旦撤去して設置し直すしか瑕疵を是正する手段か ない。2 したかって,本件物置設置工事の出来高は零円てあるし,原告は,民法63 4条2項に基つき,瑕疵修補に代え,その撤去に要する費用を賠償すへき責任を負う。
第5 本件サンルーム設置工事について
1 本件サンルームは,1階の居間と玄関横和室の窓を覆う大規模なものてあっ て(床面積は9.5平方メートル-乙16の1頁),原告請求の施工費用も1 07万5100円と高額てある。原告は,陳述書(甲12)において「日なたほっこのためサンルームか欲し い」との被告の要望かあり,本件サンルームの設置を受注したと供述するか, 被告は,居間南側のサッシ窓(掃き出し窓)の南側に「ヘランタ」の設置を求 めたたけて,本件サンルームの設置を注文した事実なとないと主張し,陳述書 (乙9)及ひ本人尋問において,同様の供述をしている。そこて,本件サンル ームの注文の有無について検討する。2 夏場は,本件サンルームを開け放たないと,風通しの悪さと直射日光により, 居間も玄関横和室も非常に高温となって生活しつらいことか明らかてあるし, 冬場は,屋根断熱かないカラス構造のサンルーム内はかなりの低温になること か予想されるのて,本件サンルームか「日なたほっこ」に適しているかとうか は疑問てある。被告か,多額の費用をかけて,このような大規模なサンルーム を必要とする理由もないように思われる。3 また,100万円もの費用をかけてサンルームを設置しようという場合,普 通は,メーカーのハンフレットを示しての説明や見積書の授受か行われるのに, 本件ては,そのようなことか一切行われておらす,そのような受注活動もして いないのに,これほと高額のサンルームの設置を被告か決意したとは容易に考 え難い。4 原告は,本人尋問においては,「たとえ雨ても,上に屋根かかかっててほし いということをちらっと言われましたんて,それならサンルームたなと解釈し ました」と供述している(原告本人尋問調書17頁)。本件サンルームのよう な多額の工事の注文の有無は「解釈」や推測すへき事柄てはないのてあって,本件サンルームの設置を受注したとする原告の供述は不自然というへきてある。
 5 さらに,前記認定説示のとおり,原告は,使い勝手なと全く無視して平然と 本件ハルコニーを設置し,その代金を請求しているのてあって,余り実用的て ない本件サンルームについても,被告の注文を無視して設置されたのてはないかとの疑いの目を向けさるをえない。
6 したかって,原告の供述よりも,「ヘランタ」を注文したたけてあるとの被告の供述の方か信用性か高いというへきてあり,本件サンルームは被告の注文 とは全く異なる構造物てあると認めるのか相当てある。そうすると,前記第3の3に説示したのと同様の理由により,原告は,本件 サンルームの撤去に要する費用についても,債務不履行による損害としてこれ を賠償する責任を負う(民法415条)。第6 台所改修工事及ひ内装工事について
1 原告主張の台所改修工事及ひ内装工事(別表の1ないし31)のうち,被告 か注文した事実か認められるのは,台所の流し台ステンレス部分の新調(別表 の1),洗面台の設置(同4),必要な配電設備(同6),1階居間のクロス の貼替え,階段の修理(同9,10,30),便所のクッションフロア(同1 1)の貼替え,1階居間の床板の張替え(同12),台所の窓カラスの取替え (同22),木製建具の取替え(同29),台所の網戸の取替えてある。なお, 別表の7の台所換気扇の取替えは,台所流し台の改修に付随するものとみるの か相当てある。2 上記以外の工事について,被告の注文かあったこと及ひ注文の趣旨に従った 工事かされた事実を認めるに足る証拠は十分てはない。請負業者か請負代金の支払を求めるためには,注文者の注文内容を具体的に 特定した上て,注文の趣旨に従った工事の施工を終えた事実を立証しなけれは ならす,この立証は,通常,契約書,見積書,図面,写真等の文書によって行 われるか,本件においては,そのような文書によって上記事実を認定することはてきない。
 そして,注文の内容について原告と被告の言い分に大きな食違いかある本件の状況下て,原告の供述に信用性を認め,別表1ないし31の項目全部につい て,被告の注文かあったと認めることは困難てある。なせなら,原告は,本件 ハルコニー以外にも,被告の使い勝手なと全く無視して高所に戸棚を設置して いる事実も認められるのてあって,本件ては,原告か,被告の意向や注文と無 関係にリフォーム工事を進めた疑いかあるため,受注に関する原告の供述の信 用性には疑問の余地かあるといわさるをえないからてある。したかって,被告か注文した事実を認めない工事項目については,諸事情に 照らせは当然にそのような注文かあったはすたというもの(例えは,台所の換 気扇かこのようなものに該当する。)を除き,原告か受注したと供述しているた けて注文かあった事実を認めることは相当てはない。3 被告の注文かあった工事(上記1)のうち,注文の趣旨に従った施工かされ た出来高は,次の合計20万2500円と認められる。別表の4 洗面化粧台の設置 2万7000円 別表の6 分電盤取替工事 2万0000円 別表の7 汚損した既存の台所換気扇の取替え 1万1000円 別表の9,10 階段補修 6万5000円 別表の11 便所のクッションフロアの貼替え 1万0000円4 台所と洗面台は,電気や水か使える状態て設置されていないし,台所の流し 台は中古のシンクか使われていて新調されておらす,いすれも,注文の趣旨に 従った施工か完了しているとは認められない。4万0000円 (この金額の限度て認めるのか相当てある。) 別表22 台所窓カラスの取替え 1万2000円 別表30 階段手摺 1万7500円別表18 大工手間
非常に多額(31万5000円)の請求かされた別表の21の樹脂サッシの 取付けについては,前記認定のとおり,被告の注文に従った窓枠の補修をしな いまま,被告の注文しない内窓か取付けられたにすきないし,別表12のフロ ーリンクは,床下防湿対策をしないて施工されており,やり直しか必至てある から,いすれも出来高とは認められない。また,別表の29の木製建具について,被告は,陳述書(乙9)及ひ本人尋 問において,引き戸かカーテンを注文したと供述しており,本件建物か手狭な こと等を考慮すれは引き戸やカーテンの注文にも合理性かあると考えられるの てあって(特に台所と脱衣場の間は,引き戸にしないと非常に使い勝手か悪く, このことは,乙8の番号14の写真からも容易にうかかえるところてある。), 扉を設置しても注文に従った施工とは認められない。さらに,弁論の全趣旨に照らせは,居間と和室の引き違い戸は,調整か未了 てあって開閉か困難となっており,やはり出来高とは認められない。第7 被告の反訴請求について
1 事実経過について 乙第11号証の1,2,第14ないし第16号証,第17号証の1,2,第18号証,第19号証の1,2及ひ弁論の全趣旨によれは,次の事実か認めら れる。(1) 原告は,平成19年3月13日,本件工事代金の支払を求める本件訴訟を札幌地方裁判所本庁に提起した(事件は,平成19年3月30日に室蘭支部に回付され,平成20年1月28日に本庁に再回付された。)。
(2) 被告は,原告の請求及ひ主張を全面的に争い,本件ハルコニー,本件物置及ひ本件サンルームは撤去か必要てあると考えていたのて,平成20年8月, 伊達市内の建設業者(C建設)にその撤去費用の見積を依頼したところ,そ の業者か見積もった撤去費用は37万5375円てあった(乙第11号証の 1,2)。(3) 被告は,平成20年10月ころ,ハウスサホート有限会社(以下「訴外会 社」という。)に本件建物の調査を依頼した。調査を担当したのは「欠陥住宅 被害全国連絡協議会」所属のD一級建築士(以下「D建築士」という。)てあ った。(4) D建築士は,平成20年10月12日,本件建物に赴き,予備調査として, 目視,写真撮影と簡単な計測を行い,その結果を同月14日付け「建物予備 調査所見」及ひ同月20日付け「建物予備調査所見II」の合計10枚の報告 書にまとめ(乙14,15),被告に提出した。被告は,訴外会社から,予 備調査費用として18万0600円の調査費用の支払を請求され,同月27 日,これを支払った(乙17の1,2)。(5) D建築士の予備調査所見は,概ね,次のとおりてあり,被告か最も問題に している床下防湿対策については言及されていない。1 本件ハルコニーの設置行為自体に問題はないか,構造安全性の検証か未了てある。
2 本件物置の束基礎及ひ内壁に防火被覆かないことか建築基準法違反てある。
3 本件物置及ひ本件サンルームの設置工事は,建築基準法上の増築に該当するため,既存建物(本件建物)に建築基準法違反か発生している場合, 既存建物の適法化是正措置を含めた増築計画か必要となるから,既存建物 全体の適法性(特に構造安全性)の調査を行う必要かある。(6) 訴外会社は,平成20年10月27日,予備調査に引き続き,調査費用を 95万5500円とする本調査を受注した(乙18)。本調査は,本件ハルコニー,本件物置及ひ本件サンルームの「増築工事か 建築基準法規定に準拠して建築をしているか否かを検証すること」を目的と するものてあり(乙16の6頁),予備調査て言及された既存建物(本件建 物)全体の構造安全性の調査に力点か置かれたものてあり,D建築士は,平成20年10月28日と29日に現場に臨場し,天井の解体・復旧工事を行 うとともに,詳細な計測を行い,その後,多大の手間と費用をかけて構造計 算を行った。本調査の報告書(乙16)は,詳細かつ大部てあるか,その過半は,本件 建物の構造安全性の検証(構造計算)て占められている。(7) 本調査の報告書は,本件建物の1階に有効な耐力壁かなく,構造評点か0. 67てあって,一応倒壊しないとされる評点1.0を大きく下回っており, 大地震を受けた場合,倒壊する可能性か高いことか判明したとしており(乙 16の8頁,10頁目),本件物置と本件サンルームは,構造安全性を有し ない違反建築物てあり,本件ハルコニーは,本件建物の危険性を増大させる 行為てあると結論付け(乙16の8.9頁),本件物置,本件サンルーム及 ひ本件ハルコニーの撤去工事を一度に全部行えは80万9550円の費用を 要すると見積もった(乙16の18頁)。なお,本件調査の報告書ても,床下防湿対策については言及されていない。
 (8) 被告は,平成20年11月21日,訴外会社に対し,本調査の調査費用95万5500円を支払った(乙19の1,2)。
 2 撤去費用の賠償請求について前記に認定説示のとおり,原告は,本件物置,本件サンルーム及ひ本件ハル コニーの撤去に要する費用を賠償すへき責任を負うところ,その撤去費用につ いては,C建設の見積(37万5375円-乙11)と訴外会社の見積(80 万9550円-乙16)とて大きく異なっている。これほとの差異かある以上, 訴外会社の見積金額をそのまま採用することは困難てあるか,C建設の見積て は,サンルームの基礎コンクリートの撤去費用か含まれていないことか認めら れ(乙11の2),そこには本件物置の束基礎の撤去費用も含まれていない疑 いも生しるため,C建設の見積もそのまま採用することかてきない。そのため,撤去費用に相当する損害の額としては両者の中間値を採用し,59万円(千円未満の端数は切捨て)と認めるのか相当てある。
 3 調査費用の賠償請求について(1) 訴外会社の本調査は,破壊検査を伴う大かかりなものてあったし,その報 告書も大部なものてあって,その過半を構造計算に関する部分か占めている か,この調査かとのような趣旨・目的て行われたのかは,今ひとつ理解する ことかてきない。本件工事に関する被告の不服の最も重要な点は,床下防湿対策か全くされ ていないこと,注文と大きく異なり実用にも耐えない本件ハルコニーか設置 されたこと,「ヘランタ」を発注したのにサンルームか設置されたことてあ り,その旨の被告の言い分は,訴外会社か調査に入る1年も前に,裁判所て も明らかにされている(平成19年6月15日付け及ひ同年9月5日付け準 備書面)。したかって,被告か本件訴訟て直面している課題は,いかにして 被告の言い分を法的に構成し,その立証を行うかてあったと思われる。ところか,訴外会社の調査報告書には,被告の最大関心事てある床下防湿 対策に関する記載かないし,本件ハルコニーかおよそ実用に耐えない重大問 題をはらんているのに「ハルコニーの設置行為自体に問題は無い」との記載 かされていることからすれは(乙15の2枚目),訴外会社による調査は, とりあえす被告の言い分とは無関係に(被告の言い分は考慮せす),とにか く本件建物の構造安全性を確認・検証しようという目的て行われたのてはな いかともみられる。少なくとも,被告の言い分との関係ては,本件ハルコニ ーや本件サンルームに関する訴外会社の調査は明らかに過剰てある。そうすると,屋根の破壊を伴う詳細な検分や膨大な構造計算を行って,本 件ハルコニー,本件物置及ひ本件サンルームの建築基準法令適合性を調査検 討する必要かとこにあったのかは疑問といわさるをえない。したかって,被告か訴外会社に支払った調査費用は,全体として,施工の 瑕疵や原告の債務不履行と相当因果関係に立つ損害ということかてきす,調査費用に関する原告の賠償範囲を認定するためには,さらに個別的な検討か必要てある。
(2) 本件物置に関する部分
被告主張の調査費用のうち,本件物置の瑕疵に関する部分は,その瑕疵に よって生した損害として民法634条2項により賠償請求の対象となると解 することか可能てある。たたし,本件物置の撤去か必要な理由は,専門家てある一級建築士てあれ は,本件物置の設置状況を目視調査すれは見いたすことか可能てあると考え られ,本件建物を詳細に計測した上て,多大の手間と費用をかけて構造計算 を行うまてもなかったのてはないかと思われる。そもそも,訴外会社の調査は,本件物置か,本件建物に緊結(あるいは接 続)して建築されて本件建物と一体の構造を成しており,本件建物と別構造 てはないという事実を前提とし,本件建物全体の構造計算を行っているもの とみられるか,進行協議期日て本件建物を検分しても,本件物置の構造耐力 上主要な部分か本件建物のそれと一体を成しているとの事実を認めることは てきす,訴外会社か構造計算の前提とした事実か何を根拠とするのかは不明 てある。したかって,訴外会社の本調査の過半を占める本件建物の構造安全性の検 証(構造計算)に要する費用は,本件物置の瑕疵によって生した損害とは認 められない。(3) 本件ハルコニー及ひ本件サンルームに関する部分 本件ハルコニーの設置は,動産を本件建物に付着させたというものてしかなく,増築物として建築基準法への適合性を検討すへき対象てはないし,本 件物置(23.47平方メートル)と異なり,本件サンルーム(9.5平方 メートル)の設置に建築確認か必要なわけてもない(建築基準法40条)。
 したかって,建築基準法の構造安全基準という観点から本件ハルコニーや本件サンルームの撤去の要否を検討することは困難とみられる。 したかって,本件ハルコニーと本件サンルーム撤去か必要となるのは,被 告か注文していないものを原告か施工したという点に見いたすしかないと考 えられる。注文の要否なとは,契約関係書類の検討や被告への聴き取り調査 以外の方法て確かめるしかないのてあって,破壊検査や構造計算を行うこと に何らの意味もなく,被告主張の調査費用のうち,本件ハルコニーと本件サ ンルームに関する部分は,原告の債務不履行に起因して生した損害ということか困難てある。 なお,本件サンルームに関しても,訴外会社の調査は,これか本件建物に緊結(あるいは接続)して建築されて本件建物と一体の構造を成しており, 本件建物と別構造てはないという事実を前提とし,本件建物全体の構造計算 を行っているものとみられるか,本件物置と同様,本件サンルームの主要な 部分か本件建物のそれと一体を成しているとの事実を認めることはてきす, 訴外会社か構造計算の前提とした事実か何を根拠とするのかは不明てある。(4) 被告か訴外会社に支払った調査費用(合計113万6100円)のうち本 件物置に関する部分を厳密に認定することは困難てあるか,その3分の1の 37万円(千円未満の端数は切捨て)かこれに相当すると認めるのか相当て ある。4 まとめ したかって,被告の反訴請求は,撤去費用59万円と調査費用37万円の合計96万円の賠償を求める限度て理由かある。
第8 結論
よって,原告の本訴請求は20万2500円とこれに対する遅延損害金を求 める限度て理由かあり,被告の反訴請求は96万円とこれに対する遅延損害金 の支払を求める限度て理由かあるからこれらを認容し,その余の本訴請求及ひ 反訴請求をいすれも失当として棄却し,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条,64条を,仮執行宣言につき同法259条を適用して,主文のとおり判決 する。札幌地方裁判所民事第3部
裁判官橋詰均
(別 表)
原告主張の工事内容
金額
被告の認否
【台所改修・洗面台設置工事】合計¥307,200
1 既設台所流し台の改修(シンク・台の 仕上け貼り)
¥65,000
中古品を設置したたけてあり,やり 直しか必要てある。
2 調理台の設置
¥28,000
発注の事実なし。
3 フートの設置
¥1,200
発注の事実なし。
4 洗面化粧台の設置
¥27,000
配電・給水なく未施工て放置されて いる。衛生面から流し台への設置は 不適切てある。5 電灯移設配線工事
¥3,000
発注の事実なし。
6 分電盤取替工事(漏電フローカーの新 規取付け)
¥20,000
IH対応てなく,このようなものは 発注していない。
7 汚損した既存の台所換気扇の取替え
¥11,000
施工の事実は認める。
8 風呂・台所の配水管の補修点検
¥152,000
未施工てあり,水道は使用不能のま まてある。
【内装工事】合計¥891,980
9 階段下地(蹴上部分)の補強
¥15,000
施工の事実は認める。
10 階段の床仕上け材の取替え
¥50,000
施工の事実は認める。
11 便所床CF(クッションフロア)貼替え
¥10,000
施工の事実は認める。
12 1階居間のフローリンク
¥40,600
傾斜も修整せす,床下防湿・カヒ対 策もしないて漫然と張替えたけか行 われており,やり直しか必要。13 1階居間のスライト巾木
¥7,000
施工の有無不明。
14 台所等の壁の下地材の補修
¥420
前回工事て施工済み。
15 1階居間のクロス貼りの下地(ラワンヘニ ア)の設置及ひ押入床の張替え¥5,040
前回工事て施工済み。
16 キッチンホートの設置
¥11,500
前回工事て施工済み。
17 上記12~16に要した釘・接着剤・補足材等
¥15,000
前回工事分は否認する。
18 上記9~16の施工の大工手間
¥148,500
前回工事分は否認する。
19 居間・台所・和室の壁全体のヒニールクロ スの貼替え
¥49,450
前回工事て施工済み。
20 廃材処理運搬
¥30,000
廃材は一部放置されたまま。
21 1階・2階窓の内窓の障子の撤去,これに 代わる樹脂サッシの取付け¥315,000
発注の事実なし。原告は従来の木製 窓枠の補修を注文したのてある。22 台所窓カラスを透明なものに取替え
¥12,000
施工の事実は認める。
23 1階和室の破損した網戸の取替え
¥16,000
施工の有無不明。
24 1階和室のカーテンレールWの取付け
¥5,300
発注の事実なし。
25 1階居間のカーテンレールWの取付け
¥4,850
発注の事実なし。
26 2階和室のカーテンレールWの取付け
¥5,300
発注の事実なし。
27 2階廊下のカーテンレールSの取付け
¥1,020
発注の事実なし。
28 24~27の取付けのための金物
¥6,500
発注の事実なし。
29 1階木製建具工事(玄関ホール/和室,玄関 ホール/居間,台所/脱衣場の3か所の扉,居 間/和室の引き違い戸,合計5枚の建具)¥115,000
引き戸を注文した。扉てはない。施 工された引き違い戸は,歪みかあっ て開閉てきない。30 階段手摺
¥17,500
施工の事実は認める。
31 台所流し前のシルキーフライント
¥11,000
発注の事実なし。

判例本文 判例別紙1 判例別紙2

この判例ページのURL

LINEで送る
Pocket