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20.2.12千葉地裁 棄却 316条の26第1項
主文 本件裁定の申立てを棄却する。
理由
1 申立ての趣旨及び理由 本件裁定の申立ての趣旨及び理由は,主任弁護人作成の「証拠開示に関する裁定請求書」記載のとおりであり,その要旨は,A及びBに対する別紙証拠目録記載の証拠(以下 「本件証拠」という。)がいずれも刑事訴訟法(以下「刑訴法」という。)316条の20第1項 に該当するが,検察官がその開示に応じないので,同法316条の26第1項に基づいて本件証 拠の開示を命じる旨の決定を求めるというものである。2 当裁判所の判断
(1) 弁護人らは,本件公判前整理手続において,「検察官は,Aの検察官調書及び裁判官調書を被告人との共同犯行状況等を立証するために,また,Bの検察官調書及び裁判 官調書をAと行動を共にしていた状況等を立証するためにそれぞれ証拠申請している。し かしながら,弁護人は,Aらは捜査協力者であり,同人らの上記調書の証拠能力は否定さ れるべきであり,また,本件公訴提起自体が不適法であると主張する予定である。そして, Aらが捜査協力者であることを立証するためにはその捜査過程を詳細に調査する必要があ る。また,Aらの供述調書の信用性に関連して,Aらの健康状態,精神状態(違法薬物の 摂取等)についても主張する予定である。そして,これらの検討のためには本件証拠の開 示を受ける必要がある。」と主張している。これに対して,検察官は,「本件証拠のうち,別紙証拠目録(1)記載の証拠については, 別紙開示証拠目録記載の証拠について弁護人に開示し,本件証拠のうち,その余の証拠に ついては,検察官の手持ち証拠の中には存在しない。また,別紙証拠目録(2)記載の証拠 (以下,これを「留置関係書類」という。)については,開示の対象とはならないし,同目 録(3)記載の証拠のうち,犯罪捜査規範13条に規定している書類は本件では作成されていな い。」と主張している。(2) そこで,本件申立ての当否について検討するに,まず,既に検察官が弁護人に開 示した証拠以外に,検察官が本件証拠を保管しているとは認められない。しかしながら, 「刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となる証拠は,必ずしも検察官が現に保管 している証拠に限られず,当該事件の捜査の過程で作成され,又は入手した書面等であっ て,公務員が職務上現に保管し,かつ,検察官において入手が容易なものを含むと解する のが相当である」(最高裁平成19年(し)第424号同年12月25日第三小法廷決定参照)から, 更にこの点について検討する。
 本件証拠のうち,留置関係書類については,被留置者の留置に関する規則に基づき,被留置者に対する処遇の適正を図るためその管理の必要上作成され,留置施設に備え置かれているものであって,捜査の過程で作成され又は入手したものとはいえず,このような書 類についてまで,検察官において,これを取り寄せるなどしてその内容を開示する義務が あるとはいえない。そして,別紙証拠目録(1)及び(2)記載の証拠については,検察官が保 管しているか否かに関わらず,未開示のものがあるとは認められない。(3) 以上検討したとおり,本件証拠のうち,弁護人が未開示であるとして開示を求め る証拠については,存在しないか検察官において開示する義務が認められないものである から,検察官が開示すべき証拠を開示していないとは認められない。 よって,本件裁定の申立てには理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官・彦坂孝孔,裁判官・作田寛之,裁判官・甲斐雄次)別紙 証拠目録
(1) A及びBに対する取調べ状況,供述内容,通訳人の有無等について記載された捜査報告書等
(2) A及びBに関する留置人金品出納簿,留置人接見簿,留置人出入簿,留置人文書発受簿,留置人診療簿,看守勤務日誌等の簿冊類
(3) その他,A及びBの取調べ状況等,逮捕・勾留中の動向を明らかにする証拠 別紙 開示証拠目録・ 平成20年1月11日付け検察事務官C作成の捜査報告書1通
・ 同19年6月25日付け捜査関係事項照会書写し3通
・ 同月28日付けD警察署長作成名義の回答書1通
・ 同月29日付けE警察署長作成名義の捜査関係事項照会回答書1通・ 同月25日付けF警察署長作成名義の収容期間における財務事務官による取調べに係る留置施設出入状況について(回答)1通
・ 平成20年1月11日付け検察事務官C作成の電話聴取書1通
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