主文
 被告人を懲役3年に処する。
 未決勾留日数中150日をその刑に算入する。
理由
(犯行に至る経緯)
 被告人は,その長女Aが,平成12年4月ころから,離婚歴のある男性と交際して外泊を重ね,被告人の忠告や助言にも拘わらず高校に通わなくなって,遂には高校を中退してしまったことに心を痛めていたが,平成13年4月ころ,Aが男性と別れて家に戻ってきたことから,ようやく家庭の平穏を取り戻せたものと安堵していた。本件犯行の日である平成13年5月17日,Aは,被告人宅に友人の女性を泊める約束があり,午後9時40分ころ,待ち合わせ場所の甲鉄道乙駅前で友人の女性とその女性をナンパしていたB(以下「B」という。当時25歳。)と出会った。Bは,Aとその友人が迷惑そうな素振りや態度を示したものの,同人らが明確に拒絶しなかったこともあって,同人らにまとわりついて岩手県久慈市a町第b地割c番地所在の被告人宅に上がり込み,被告人方2階のAの部屋に入ってきてしまった。このようにして,Bは,同日午後10時20分ころから,Aの部屋で1人勝手に持参したウイスキーの水割りや缶酎ハイを飲むなどしていたが,Aらは,居座り続けるBをどうにか退去させたいと考えていた。被告人は,Aの部屋に友人の女性が泊まりに来ることは聞き知っていたが,同日午後11時ころ,就寝しようと2階に上がった際にAの部屋から男性の声が聞こえてきたため,不審に思って中を覗くと,BがAのベッドの上に座り飲酒しているのを認めた。被告人は,前記のとおり,Aの家出や高校の中退などで思い悩んだ時期を過ぎ,家族全員でやり直そうとしている矢先に,見ず知らずの男が無断で夜遅くに娘の部屋に上がり込んでいるのを見て,すっかり興奮してしまい,Bに対してその名前や娘の部屋にいる理由などを問い質し,また,被告人宅から出ていくよう要求したが,Bは呂律の回らない口調で「関係ねえべ。」などと返答し,「帰れと言うんなら帰りますよ。」と述べるもののベッドから立ち上がろうとはせず,Aから促されてようやく立ち上がったものの,同女から脱ぎ捨てていたジャンパーを投げつけられるや,「お前,むかつくな。腹が立つ。」と言い放ったため,これを聞き咎めた被告人がBを問いつめると,同人は逆に被告人を睨みつけ,「まじ,殺してえ。外に出ろ。」などと言ってきた。被告人は,これを聞くや,ますます興奮するとともに憤怒の情が沸き上がり,「売られた喧嘩は買ってやる。」と思い,Aの部屋を出て階下に降りていこうとするBの後をついていったが,同人は階段を3,4段降りたところで突然前のめりとなって,階下に向かって右側にある手すりに右肩を乗せるような形で一気に転落し,1階玄関前の床に右上半身を打ち付け,右半身を下にして横臥する態勢で倒れた。被告人は,これを見るや,1階まで降りると,攻撃を加える好機とばかりに右足で意識を失っている同人の腹部を踏み付け,さらに玄関から同人の左肩を鷲掴みにして持ち上げ,屋外に引きずり出したが,なおも憤怒の情は収まらなかった。(罪となるべき事実)
 被告人は,平成13年5月17日午後11時ころ,前記被告人方玄関先路上において,憤怒の情に駆られるまま,階段から転落した際に意識を失ったままのBに対し,その腹部を1回足蹴りし,その左頬部及び左こめかみ付近を右手拳で各1回殴打するなどし,さらに同人の左腰付近及び左肩付近の着衣を鷲掴みにして持ち上げ,被告人方玄関前から東方に約14メートル離れた丙橋西袂北側付近まで運び,同所の縁石上部に横たえた上,そこから約2.6メートル下の丁川に転がり落とすなどの暴行を加え,よって,同人にくも膜下出血等の傷害を負わせ,同月18日午前零時48分ころ,岩手県久慈市d町第e地割f番岩手県立C病院において,同人を前記傷害により死亡させたものである。
(事実認定についての補足説明)
1 被告人及び弁護人は,被告人がB(以下では,単に「被害者」という。)に対し,公訴事実記載の各暴行を加えたことまでは認めるけれども,被害者の死亡原因として考えられる,エタノール酩酊の影響下でのくも膜下出血及び肺損傷は,被告人の暴行が開始される以前に被害者自身による飲酒,階段からの転落により発生したもので,被告人の暴行と被害者の死亡との間に因果関係は認められず,暴行罪ないし傷害罪が成立するのみであると主張するので,以下,この点につき判断する。2 前掲各証拠によれば,被害者の著明な頭部外部所見としては,1左側頭部で左耳介付着部上部に長さ約3センチメートル,創口が0.3センチメートル開いた挫創,2右側頭部で右耳介付着部上部の大豆大の範囲に胡麻粒大以下の暗紫赤色変色数個が認められ,このうち,左側頭部の挫創からは相当量の出血があったものと認 められる。
 また,頭部内部所見としては,3左側頭筋後半部に鶏卵大の出血(一部は血腫 状),4右側頭筋後半部に鶏卵大の出血,5左右前頭葉上面から頭頂葉上面にかけ ては,鶏卵大のくも膜下出血がそれぞれ認められ,その他の所見として,6右肩鎖 関節の脱臼,7右肩部で腋窩後端の上部に胡桃大の表皮剥脱及び皮膚出血,8左右 肺漿膜下に鶏卵大以下の出血があり,右肺門部に強度な出血,9肺の割面では細小 泡沫を混ずる血性液の多量流出,10血中エタノール濃度3.5mg/ml(高度酩酊), 11溺水の吸引がそれぞれ認められる。なお,このうち,左側頭筋後半部の出血は, その位置及び程度から見て,頭部外部所見で認められた左側頭部の挫創から生じた ものと解される。 そして,これら各所見によれば,被害者には,くも膜下出血による中枢機能障 害及び肺損傷による呼吸障害が発生し,かつエタノール酩酊により中枢機能の抑制 が増進され,これらの要因が共同して死に至ったものであり,さらに溺水の吸引が 死期を早めたものと認められる(なお,この死亡原因自体については,前記のとお り,被告人及び弁護人も争っていない。)。 これらのうち,被害者の血中エタノール濃度が3.5mg/ml(高度酩酊)でエタ ノール酩酊下にあったことについては,被告人の暴行以前における被害者自身の飲 酒が原因となっていたものであり,また,溺水の吸引は,被告人が被害者を丁川に 投棄したことにより生じたことは明らかであるから,問題は,くも膜下出血と肺損 傷が被告人の暴行により生じたものと認定できるか否かである。 3(1) 前掲各証拠によれば,被害者のくも膜下出血は,左右の大脳半球に認められ るものの,左大脳半球の方がやや強いこと,くも膜下出血の原因としては,左側頭 部の挫創が頭部にある損傷の中で外表から見て最も顕著であり,また,左側頭筋後 半部の出血が血腫状になって強いものであることからして,左側頭部の挫創を生じ させた外力によりくも膜下出血が生じたと解するのが最も自然かつ合理的であるこ と,右側頭部にも内出血と右側頭筋の出血の所見が認められるものの,前記左側頭 部付近の挫創と比較して明らかに軽度であり,右側頭部に対する外力によって,く も膜下出血が生じた可能性は極めて低いこと,仮に右側頭部への外力によってくも 膜下出血が生じたとしても,その程度は左側頭部への外力によって生じたと解され るくも膜下出血と比較してより軽度であり,死因となったくも膜下出血への寄与度 としては極めて低いものと考えられることの各事実が認められ,これらによれば, 被害者のくも膜下出血は左側頭部に加えられた外力によって生じたもので,これは 左側頭部の挫創が生じたと同一の機会に生じたものと解するのが相当である。 そして,前掲各証拠によれば,左側頭部の挫創は,稜等を有する鈍体が左斜 め上方より角度をもって打撲的に作用したものと解されるところ,主たる損傷の他 に周りに細かい損傷が幾つかある複雑な形状をしており,これら挫創の形状からす れば,稜があり,その周りに尖った部分や凹凸の部分があるようなものが成傷器で あると解されるところである。 (2) また,前掲各証拠によれば,肺損傷については,右肺の肺門部に出血の所見 があること,右肩鎖関節に右肩部に対する鈍体の打撲によって生じたと考えられる 脱臼が存すること,この脱臼を生じさせ得る外力は同時に肺門部ひいては肺損傷を も引き起こし得るものと解されること,上半身を踏み付けられるなどの暴行によっ ても肺損傷は生じ得ると考えられるところ,被害者の肋骨や胸郭には損傷は認めら れないことの各事実が認められ,これらによれば,右肩部に対する鈍体の打撲によ り右肩鎖関節の脱臼及び肺損傷が起こったと解するのが相当である。 なお,被害者の右肩後部に存する表皮剥脱については,平滑な面よりはある程度粗慥の面のあるものによって生じたと思われる所見を示しているもので,粗慥な面を有する鈍体による打撲ないし擦過という外力によるものと解される。4 ところで,前掲各証拠によれば,被害者は,被告人宅を訪れる前の時点では,右足の踝の上付近に小さな青痣が数個あった以外には目立った外傷などはなかったところ,前判示のとおり,被害者には,まず1階段から前のめりに転落し,右上半身を床に打ち付け,2右半身を下にして横臥した状態で左腹部を踏み付けられ,3左肩付近の着衣を掴まれて屋外にひきずり出され,4腹部を1回足蹴にされ,左頬部付近及び左こめかみ付近を手拳で2回殴打され,5左腰付近及び左肩付近を掴まれて約14メートル運ばれ,6橋の袂の縁石から約2.6メートル下の丁川へ転がり落とされた等の受傷の機会が存したものである。
 前掲各証拠によれば,被害者が被告人宅の階段から転落した場所は,比較的その面が平滑なフローリングの床の上であること,この床からはルミノール検査によ っても血痕などは発見されなかったこと,丁川西袂北側の縁石の上面から川底まで の高さが約2.6メートルの落差があり,被害者が落下したと思われる地点付近は 水流が少なく,大小様々の多くの石が転がっていたことが認められる。
 5(1) 以上の被害者に認められる各所見,考えられる成傷器の形状,受傷ないし暴 行の態様等からすると,まず,くも膜下出血の原因となったと考えられる左側頭部 の挫創については,その形状から見て,被告人宅一階のフローリングの床などの平 滑な面によって生じたとは考えられず,このような挫創の成傷器としては,川原の 石などが最も考えやすいこと,実際にも被害者の階段からの転落の態様は右上半身 を打ち付けるというものであり,左側頭部の挫創がこれにより生じたとは考えられ ないこと,左側頭部の挫創には相当量の出血が伴ったと考えられるところ,被告人 宅内からはかかる血痕が全く発見されず,被告人宅と丁川の前記縁石部分との間の 路上にも顕著な血痕は発見されなかったことなどからすれば,左側頭部の挫創とこ れと同一の機会に生じたくも膜下出血は,被告人による丁川への投棄によって生じ たと解するのが相当である。 したがって,階段からの転落によりくも膜下出血が生じたとの弁護人の主張 には与しえない。なお,被害者は階段から転落した際に意識を失っていることが認 められるが,前掲各証拠によれば,被害者に生じたくも膜下出血の程度は意識障害 をもたらす程強いものではなく,被害者の意識喪失の原因は脳震盪によるものと解 されるから,かかる事実をもってくも膜下出血発生の徴候と捉えることは相当でな い。 (2) また,肺損傷の原因となったと考えられる右肩部の打撲については,前記の 被害者の受傷状況からすると,階段ないし丁川への転落以外の原因によって生じた とは解し難いところである。 ところで,被害者は,13段ある階段上部の3,4段目の付近から,立った ままの姿勢で前のめりに転落したものであること,被害者は右上半身,すなわち右 肩付近を床に打ち付けているところ,この際,被害者は高度酩酊の状態にあり,充 分な受け身の体勢もとれなかったと考えられること,被害者は階段からの転落以 後,脳震盪と思われる意識喪失状態となっていることなどからすれば,階段からの 転落によって被害者が受けた衝撃は相当程度以上のものであったと解され,これに より右肩鎖関節の脱臼ならびに本件肺損傷の原因となった右肩部の打撲が生じた可 能性も否定できないところである。 この点,検察官は,本件被害者の遺体には,右肩後部の表皮剥脱が認められ るところ,その成傷器の形状は,平滑な面よりはある程度粗慥の面のあるものによ る打撲ないし擦過により生じたと思われる所見を示しているから,被告人宅のフロ ーリングの床がその成傷器であるとは考えられず,丁川への転落の際に右肩鎖関節 の脱臼を生じさせたと同一の外力によるものである旨主張する。しかしながら,そ もそも,右肩後部の表皮剥脱と右肩鎖関節の脱臼及びこれが原因と考えられる肺損 傷とを同一の機会に生じた一連の損傷と解さなければならない必然性はないと思わ れる。かえって,前判示のとおり,被害者は,右側にある手すりに右肩を乗せるよ うな形で一気に転落したこと,被告人は,右半身を下にして横臥した体勢で倒れて いる被害者の左肩を鷲掴みにして,玄関から屋外に引きずり出し,さらに同人の左 腰付近及び左肩付近の着衣を鷲掴みにして持ち上げ,被告人方玄関前から丙橋まで 約14メートルにわたり運んでいることからすれば,右肩後部の表皮剥脱は,階段 からの転落の際の壁や階段の手すりとの摩擦や,被害者運搬の間に粗慥の面のある 路面や路肩ないし着衣との接触ないし摩擦により生じた可能性も否定できないとこ ろであって,以上からすれば,右肩後部の表皮剥脱の所見のみをもって,右肩部の 打撲が階段からの転落によって生じたものではないと断定することはできないよう に思われる。 また,前判示のとおり,左側頭部の挫創は,丁川への転落の際に生じたものと解すべきであるところ,弁護人の指摘のとおり,右肩部の打撲もこの際に生じたものであるとすると,川への転落により体の左右を強打したことになるが,このように左側頭部付近と右肩部付近とを同時に強打するということに疑問の余地がないわけではない。検察官は,弁護人のこの指摘に対し,丁川の土手が面一の土手でないことを看過している旨反論しているところではあるが,確かに,前掲各証拠によれば,被告人が被害者を転落させた護岸擁壁(法面)は,いわば階段状になっていることが認められ,被告人は,前判示のとおり,被害者の体を道路端のコンクリート縁石上に一旦寝かせた上,転がすようにして突き落としているのであって,このような落とし方をした場合,被害者の体は,一旦コンクリート縁石上から護岸擁壁の段差部分に落下した後,さらにそこから川原に落下するという,2段階に分けて落下した可能性も想定されないではなく,この際に体の左右をそれぞれ打ち付けたとしてもあながち不自然ではない。しかしながら,前掲各証拠によれば,縁石上部から階段状になっている護岸擁壁の段差部分までの落差は,少ない部分で49センチメートル,多い部分で116センチメートルしかなく,しかも被害者はこのうち落差の少ない部分の側に頭部を,落差の多い部分の側に脚部を置く姿勢で転落させられたものであるから,段差部分への転落によって,前記所見のようなくも膜下出血の原因となり得る左側頭部の挫創を生じる程の衝撃や,肺損傷の原因となり得る右肩鎖関節の脱臼を生じる程の衝撃があったと認定するには,未だ合理的疑いを残さざるを得ない。仮にその発生の可能性があったとしても,階段からの転落の場合と比べて,より発生の可能性が高いとまでは解されない。
6 以上によれば,被害者の死亡原因の一部をなすくも膜下出血,死期を早めた原因である溺水の吸引は,いずれも被告人が被害者を川へ投棄したことによって生じたものと解される一方で,死の結果の一部と関係するエタノール酩酊は,被告人の暴行とは無関係の被害者自身の行為によるものであると解され,死の結果と無関係とは言えない肺損傷については,被告人の行為によるものであることになお合理的疑いを容れる余地があると言わざるを得ない。
 もっとも,致死の原因となる暴行は,必ずしもそれが死亡の唯一の原因または直接の原因であることを要しないと言うべきであるから,被害者自身の飲酒による酩酊状態にあったことや被告人の暴行に基因するとは断定できない肺損傷が死亡原因の一つとして考えられるにせよ,他の原因として考えられるくも膜下出血や溺水の吸引が被害者を川へ転落させたことよって生じたと解される以上,かかる被告人の暴行と被害者の死亡との間には,なお刑法上の因果関係が肯定されると言うべきである。
 以上のとおりであって,被告人の判示暴行によって被害者死亡の結果がもたらされたことについては,優に認定できるものである。この点に関する被告人及び弁護人の主張は理由がない。
(法令の適用)
 被告人の判示所為は,刑法205条に該当するので,その所定刑期の範囲内で被告人を懲役3年に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中150日をその刑に算入し,訴訟費用は刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人に負担させないこととする。
(量刑の理由)
 本件は,被告人が,未成年の長女の部屋に上がりんで,飲酒していた被害者の非常識で無礼な態度に立腹し,同人を自宅付近の川に転落させるなどの暴行を加え,死亡させたという事案である。その暴行の態様は,意識を喪失している被害者に対し,一方的に殴る,蹴るなどしただけでは飽きたらず,自宅近くの川まで運んで,約2.6メートルもの高さから,川底に転落させたというものであって,死亡の結果が発生しても何ら不思議なものではなく,その行為態様は殺人罪にも比肩しうる危険極まりないものであって,余りにも思慮分別を欠いた短絡的行動であると言わざるを得ない。しかも,被告人には,20年近く前のこととは言え,川に人を突き落とすという特異な類似前科があることからすると,切れると何をするか分からないという行動傾向には,根深いものがある。かかる被告人の行為により,被害者の死亡という最悪の結果を招いたものであって,被害者の婚約者や被害者の母親が,口々に「そこまでする必要があったのか。」などと被告人の蛮行を厳しく非難し,被害者を失った悲しみを吐露して,被告人に対し重罰を望んでいる心情は充分に理解できるものである。以上からすると,被告人の責任は非常に重大であると言わざるを得ない。
 したがって,被告人は,かねてから長女の家出等に心を痛めてきた経緯があり,それだけにより一層被害者の言動に立腹し,度を超えた暴行に及んでしまったものであるが,被害者の行動にも咎められるべき点があることは否定できず,父親として娘を思う余り,過剰な行動に走ったこと自体に酌量の余地がなくはないこと,被害者の死亡には,被告人の暴行だけではなく,被害者自身の責任である過度の飲酒や被告人に法律上その責めを帰し難い肺損傷といった原因が重畳的に関連し合っていること,被告人は,被害者の母親に謝罪の手紙を出すなどして反省,悔悟の意思を示し,当公判廷においても,「Bさんが階段を転落した時点で,自分がその異常に気づいてやれればよかった。」などと悔悟の念を吐露し,それなりの反省の情を示していること,被告人には昭和57年に2件の傷害前科があるものの他に前科はなく,これまでトラック運転手として稼働し,地域社会においてもそれなりの信望を得ていたことなど被告人のために斟酌すべき事情を最大限考慮しても,示談が成立していない現状においては,主文程度の実刑はやむを得ないものと判断した。
 よって,主文のとおり判決する。
平成13年12月12日
 盛岡地方裁判所刑事部
 裁判長裁判官 須 藤 浩 克 裁判官 小 池 明 善 裁判官 菊 池 浩 也・
判例本文

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